ナースはつらいよ

ママナースを応援する一方、密かに苦悩する独身看護師

今、世間では子育てをしながら働く母親を応援する論調が高まっています。

私も病棟で働いていた間、ママナースを見て「こんな忙しい仕事をしながら子育てもこなしているなんて、すごいな」と思っていました。

でもその一方で、正直に言うと「なんでここまでママナースばかり、優遇されるんだろう」という不満を持っていました。

私が不満に思っていたことを、今回は告白したいと思います。

残業は独身看護師がやるべき!?

当時私が勤めていた病棟では、多くのママナースが働いていました。

病院には24時間の院内託児所が併設されていましたが、その託児所の評判はよくなかったため、ほとんどのママナースは併設されている託児所は利用せず、近隣の保育園に子供を預けて仕事をしていました。

保育園は、18時までのお迎えが鉄則。それ以上預けてしまうと、延長料金となってしまいます。

そのため、ママナースにとって「18時までにお迎えに行くこと」が命題となっており、たとえ仕事が残っていても、「お迎えに行かなくちゃいけないので、後はよろしく!」とそのまま帰ってしまうことが多々ありました。

仕事が忙しいのはみんな一緒ですが、そうした時、残された仕事を任されるのは、たいてい独身で時間の融通が利く看護師でした。

また、日勤の勤務時間ぎりぎりに入った入院は、暗黙の了解で独身看護師に任される状態でした。

「私だって早く帰りたいのに、なんで独身だという理由だけで、毎日より多くの残業をしなくちゃいけないんだ…」そう溜息をつきながら、家路についていました。

独身者が大型連休に休み申請するとお説教

独身の男性看護師が、付き合っている彼女と唯一長期休暇の取れるお盆に、一緒に旅行へ行こうと計画していた時のこと。

お盆期間に休みを申請した際、待っていたのはママナースたちのお説教でした。

「この期間は家庭もち優先だってことくらい、わかるでしょ?ただでさえ人がいないんだから、わざわざ独身であるあなたがこの期間休みを取る必要ないじゃない」

このお説教に対し、男性看護師は「なんで彼女の休みに合わせて旅行も行けないんだよ」と不満をもらしていましたが、結局お盆に休暇を取れたのは、ママナースだけでした。

お盆期間、残ったスタッフで忙しく働き、なんとか病棟を回しました。

お盆が終わり、毎日ほぼ残業だった私がふらふらで出勤すると、控え室ではお盆期間に休みを取ったママナースたちが、持ち寄った各地のお土産をお茶受けにして、世間話をしていました。

そして、私を見ると「せっかくのお休みなのに、子供の世話やら義理の両親へ気を使うやらで、全然休めなかったわ。いいわね独身の人たちは。休みを全部、自分たちに使えるんだから」とため息をつきながら言ってきたのです。

「私たちはその期間休みたかったのを我慢して、毎日遅くまで仕事をしていたのに。なんで休みを取れた人から、感謝ではなくて休み中の文句を言われなくちゃいけないの?」と、今までの疲労がさらに増したのでした。

突然の休みを「子育て中だから当然」で済まされる

小さい子供は、何かと体調を崩しがちです。

出勤日に突然熱を出してしまい、急きょお休みとなってしまうことも、珍しくありません。

私も「お子さんの体調が悪い時は、側にいてほしい」と思うので、突然休まれること自体について、文句は全くありません。

ただ、お子さんの体調が回復し、出勤できる日になった時、まずママナースから聞かされたのは、昨日の欠勤に対する周囲への感謝ではなく、「子供が熱でぐずっちゃって大変だったの。なかなか眠れないし、今日はふらふらよ」という、看病に対する愚痴でした。

当日急に一人欠勤となったことで、その日はスタッフ一同朝からずっと走りっぱなし。おまけに緊急入院もあり、残業もしていました。

子育て中なのだから、突然の休みも「当然」だと流してしまう。この雰囲気に「ついていけない」と感じてしまったのでした。

最後に

いかがでしたか?

今回ご紹介した3つの不満は、たまたま同僚のママナースがそういった方であったというだけで、すべての働くママナースがそうだとは思いません。

ただ、この経験から、今でも「自分がママナースになったとき、独身の方や時間の融通が利く方の負担になるような働き方をしたくない」という思いがあります。

今は子供が小さいことに加え、義父の介護など、家庭の事情からライター業を中心に活動していますが、これらの不満を持ちながら働いていた独身時代のことを考えると、将来的な現場復帰も躊躇してしまっている自分がいます…。

この記事を書いた人

山村真子
ライター兼二児&二匹のママ兼ナースとして、あわただしい日々を過ごす。
もうすぐ2歳の娘の口癖は「バナナ!」。
どんなに頑張って食事を作っても、食事の時は必ず「バナナ、ないの?」とまずバナナを探されてしまいます。
今の目標、それはバナナよりもおいしいご飯を作れるようになること。
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看護師ライター&二児・二匹のママ
山村真子
看護師だけど、現在個人事業主です!

ライター兼二児&二匹のママ兼ナースとして、あわただしい日々を過ごす。 もうすぐ2歳の娘の口癖は「バナナ!」。 どんなに頑張って食事を作っても、食事の時は必ず「バナナ、ないの?」とまずバナナを探されてしまいます。 今の目標、それはバナナよりもおいしいご飯を作れるようになること。

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