やっちゃった…!中堅看護師の最悪失敗談
人間ですから時に失敗する事もあります。
新人の頃は知識不足や経験不足から起こしてしまう失敗が殆どでしょう。それが経験を重ねるにつれ、ちょっとした不注意からミスをしてしまう事が出てくるのです。
これが新人だったら多少多めに見てもらえたのかな…なんてだんだんと自己嫌悪感が強まってくるのが、中堅以降の看護師達が思うところなのではないでしょうか。
今回は私が起こした「患者誤認インシデント」を思い出したくない思いに駆られながら、でも書いてみようと思います。
患者誤認が起こった経緯
私が外来のアシスタントについていた時。採血の検査結果をコピーして、それぞれの患者さんの合冊カルテに挟むという作業がありました。
その日は患者さんの数も多く、更に途中で予約以外の新患者さんも数名入るという目まぐるしい外来でした。
しかも、アシスタントについた先生はかなり上でかつ生真面目で細かい先生。私の緊張も高まります。あくせくとアシスタント業務をこなしながら、その日1日の外来を終えました。
しかし、決定的な落とし穴が隠されていたのです。
どうやら患者さんの検査結果を入れ間違えていたようです。
そうと知らずに先生はAさんにBさんの検査結果を、BさんにAさんの検査結果を渡してしまったのです。
インシデントの発覚
インシデントが発覚したのは、翌日Aさんから違う人の検査結果を貰っているとの電話がかかってきた時です。
その後の流れは分かりませんが、先生の方からそれぞれの患者さんに電話謝罪をしてもらい、Aさんは翌日自分の検査結果を取りに来る、Bさんは次回外来時に渡してもらうという方法に至ったようです。
患者さんの個人情報を結果的に他者に漏らしてしまう事になったのです。
失敗してしまったときの心境
私がその時に抱いた心境は…
- AさんとBさんに申し訳ないという気持ち
- Aさんに至ってはわざわざ再度病院に足を運んでもらう形となりますます申し訳ないという思い
- 先生にまで謝罪をさせてしまい申し訳ない気持ち
- 患者誤認ゼロを掲げていた外来スタッフにも迷惑がかかり申し訳ない気持ち
もはや心の中は弁解の余地がない、身の縮む思い、後悔と自責の念にかられっぱなしでした。
インシデントレポートを書きながら、でも外来師長さんからは
なんて慰めの言葉を頂き、少し心が和らいだ反面、自分の失敗を先生に押し付けているようでますます自責の念にかられたわけです。
失敗を引きずる日々
重い頭を抱えながら、病棟に戻ると外来についた先生が…。
「あの日は忙しかったですもんね」と言ってもらい、でもスミマセンと謝るしか出来ません。
そして、先生自身もインシデントとして、報告書を書かなければならないようで、病棟の安全管理の先生に「どうやって書けばいい?なんで僕が書くんだろう」と言っているのが聞こえ、地獄に堕ちたい気分になりました。
外来勤務は月に数回で翌日外来勤務では無かったので、自分のインシデントが朝のミーティングで発表されるのをその場で聞く事はありませんでした。
ただ逆に、どんな事を言われているのだろう…患者誤認ゼロの目標が私のせいで未達成になり、どう思われているんだろうと不安で仕方がありませんでした。
結局、検査結果自体は患者さんが取りに来られる、次回外来で渡すという方法で解決されましたが、私の心の問題はなかなか解決されません。
2週間後の外来勤務の恐怖がつきまとい、病棟でも先生に接触するのが恐ろしいと思う日々。
そんなこんなで日々病棟勤務を忙しく過ごしながら、次の外来勤務を迎え、何事も無かったかのようないつもの外来スタッフ達に半ば安堵しつつ、でも今まで以上に気を引き締めて、特に検査結果をカルテに挟む作業は指差ししながら業務を行ったのです。
反省
誰にでも起こりうる失敗。でもそれが経験を重ね、年を重ねるほどに心の傷は深くなかなか治らないものです。
失敗から立ち直るためのコツは、失敗を引きずる看護師が実践する心の治療法で書いています。こちらも良かったらご覧になってください。
自分が失敗して心が下向きな時には、新人さんなど後輩が失敗しても異常に寛大な心で許せてしまいますね。失敗をせずとも寛大な心を持ちたいというのが切実な願いですが。
今回の事例では薬剤間違いなどの身体的害は伴ってはいませんが、誤認という事実と患者さんに負担を与えた事に変わりありません。
今まで以上に気を引き締めて一つ一つの作業に取りかかろうと思いました。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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