ナースはつらいよ

なめてはいけないNST!看護師の役割と流れを知って発言権を得よう!前編

まず、NSTとは何ぞや??「nutrition support team」であり、日本語で言い換えると栄養サポート-チームです。医師をはじめ、看護師・栄養士・薬剤師などが患者さんの栄養管理を行う専門組織になります。

ここでは、看護師のNSTでの役割やNSTの流れをお話ししたいと思います。

対象患者さんの選定、アルブミン値を把握

栄養の指標となるアルブミン値。アルブミンとは総たんぱくの約67%を占めるたんぱく質です。患者さんの血液検査の結果を見ながら、現在の栄養状態を把握します。

もちろんこの値だけで栄養状態の評価する事は出来ませんが、客観的に見て誰もが判断し得る情報として有効なので、まずはこの値を確認します。

どう見れば良いのか。アルブミンの正常値は3.8〜5.3g/dlです。なので、基準として2.0g/dl以下の患者さんをピックアップしてみます。

そして、前回の検査データと比較してみましょう。前回値が3週間以上も前の値だとなかなか比較するのは難しいかもしれません。出来れば2週間以内程度で比較する事が望ましいとは思います。

そして、前回よりアルブミン値が上がっているのか、はたまたより下がっているのか確認します。

また、アルブミン値が2.0g/dl以下の患者さん以外にも、前回より大幅に値が下がっている患者さんがいれば、その方も当然NSTの対象患者さんとなります

今までは値だけで選定しましたが、看護師が患者さんと接している中で、明らかに食事量が減ってきている患者さんが近日でいるのならその方も対象となります

血液検査をしていない期間があれば値だけで選定する事は出来ないので、

日々の食事量のデータや患者さんのベッドサイドで分かった情報を活用しながら、対象患者さんを選びます。

低栄養となる原因を探索

低栄養と聞けば、食べられないと想像すると思います。ひとえに食べられないと言っても様々な解釈があります。

食べたいのに食べられない、食べたくない、食べているけど栄養状態が悪い、経口摂取が不可能な状態…。そのどれに当てはまるのか、その原因をはっきりさせておかなければ改善のしようがありません。

食べたいのに食べられない人の原因は?

口内炎や喉の痛み、胃の痛みなど消化器官に何らかの障害がある場合がありますね。他には、胃を全摘又は部分摘出しているため一度に量を食べられないという事も考えられます。

食べたくない人の原因は?

嘔気・嘔吐などの消化器症状がある場合。先ほどの食べたいけど食べられないと似通っていますが、要は食欲があるかないかの問題ですね。

身体のどこかに痛みがあっても食欲はある人、逆にどこかに痛みがあれば食欲すら湧かない人。それぞれの精神的作用にも影響すると思います。

食べているのに栄養状態が悪い人とは?

肝機能の悪い人や、薬の影響によるもの、偏った栄養(偏食)などが挙げられると思います。

経口摂取が不可能患者さんの場合は?

その場合、胃瘻や経管栄養、持続の点滴をされていると思いますが、そのカロリーなどを見直す必要がありそうです。

これら、

患者さんがどのような原因で栄養状態が悪いのか、原因を突き止めて今後栄養状態の改善に向けて必要な対策を練っていきます。

NST会議

以上の情報を他職種間で情報交換、情報共有、問題解決する事を目的としてNST会議が行われます。医師をはじめ、栄養士、看護師、STなど様々な職種が集まって患者さんの栄養状態の把握から解決策までを話し合います。

もちろんデータ管理は医師がしっかりと診ていると思いますし、食品や患者さんの嚥下状況などは栄養士さんやSTの方々が専門的知識を持ち適切なアドバイスをしてくれます。

なので、ここでの看護師の主な役割は、一番身近に接する立場として患者さんの状況報告だと思います。

先程述べたような情報は元より、前回のNST会議からの変化、食事形態を変えたことによる変化など。一番根本となる重要な情報を持っているのは看護師だと思うので、それを意識しつつ会議では情報提供、共有、解決に繋がればいいと思います。

以上簡単にNSTとは?流れをお伝えしました。後編では、実際に看護師ができる仕事、実際の発言できる内容について述べたいと思います!

この記事を書いた人

まこ
看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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元ナース 現ずぼら主婦と一児のママ☆
まこ
クリーン病棟で長期勤務してました

看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。

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