失敗を引きずる看護師が実践する心の治療法
仕事をする中で一度や二度、いやそれ以上に失敗をした経験、あると思います。
笑って済ませられる失敗から、インシデント・アクシデントとして報告書を書かなければならない失敗まで・・・。失敗と言えどもピンキリです。
そして、その失敗をどれだけ心に引きずるかも人それぞれです。
私は失敗をすると結構長い時間引きずるタイプです。
そんな私が、どうやって心の傷を治したか、失敗した時の心の治療法についてお伝えしようと思います。
先輩看護師に話を聞いてもらう
この方法が私は一番心が晴れた気がします。
医療者の悩みは同じ立場にある医療者に聞いてもらうのが一番分かってもらえるのではないかと思います。しかも、その悩みが仕事(医療・看護)に関することなら尚更です。
同期という選択肢が抜けてしまいましたが、私の場合5年目を終える時点で当初3人いた同期は既に退職又は移動してしまったので、中堅になってからの悩みを聞いてもらう対象が病棟内だと必然的に先輩か後輩となったのです。
そして、そうなると後輩より先輩に聞いてもらう方が何となく良かったです。自分よりも経験を重ねてきている先輩、もしかしたら同じような失敗をされているかもしれないし、その対処の仕方をご存知かもしれません。
先輩の失敗談を聞くと、先輩でも失敗する事はあるのだから、私もクヨクヨ悩まず次から頑張ろうという気持ちになります。
失敗した時どうすれば良かったのか、自分なりに行動を振り返ると思いますが、自分以上に様々な視点からアドバイスを頂ける事もあり、学ぶ事も多いです。
後輩に対しては幾らか失敗や弱みを見せたくないという自尊心もありますし、後輩に慰めろなんて圧力もかけられませんからね。
飲み食い
何にせよ、お腹を満たす事は重要です(笑)
お腹が空いて血糖値が下がればイライラしてきます。失敗をして悩みがあると食欲も無くなるかもしれませんが、まずは自分の好きな紅茶とお菓子で身体だけでも幸せにしてみるのはどうですか?
紅茶とお菓子で無くとも、お酒とつまみでも、コーヒーとパンでも。焼け酒で一時悩みから解放されるならそれでもいいではありませんか。
後の身体的な後悔に見舞われない程度に注意は必要かと思いますが。
気の知れた同期や職場の仲間達と一緒に飲みに行ったり、ご飯を食べたりして自分の悩みを吐露する。そんな事が出来れば幸せです。
たいていそんな時は皆優しく接してくれますから、思う存分甘えて、飲んで食べて心をリフレッシュしましょう。
自分の得意な看護で自信を取り戻す
これは私が自己満足でやっているリフレッシュ方法の一つです。
得意な看護、好きな看護を思い切りします。
例えば、採血が得意であれば難しくてなかなか採れない患者さんの採血を採りに行く、患者さんからは一発で採ってくれてありがとうとの感謝の言葉。
スタッフからは、あの患者さんの採血採れたの⁈と称賛の言葉。これを聞くとまぁ気分が良くなるものです。
また、話の長い患者さんの所へ時間がある時に出向く。そして、その話しを一生懸命聞くと、「話せてスッキリした!ありがとう」との言葉。役に立てて良かったと思えます。
あるいは、後輩が何かで困っているようなら率先して手伝いに行きます。もちろんありがとうございます!と言ってくれます。
そんな事をしながら、感謝の言葉を半ば強引に集める事で自分のエネルギーチャージをしていくのです。
患者さんと触れ合う
癒される患者さんと触れ合うのも良いと思います。
入院中の患者さんで、とても可愛いおじいちゃん・おばあちゃん患者さん居ませんか?
いつもニコニコ、「あんた、コレ食べ」なんてお菓子をくれたり手を握ったりしてくれる方。
看護しているのではなく、むしろこちらが癒しの看護を受けているような気分になります。そんな患者さんと一時過ごし心を和ませるのも一つの方法かと思います。
時が経つのをひたすら待つ
もはや究極の方法かと思います。
忘れられれば、悩まなければ一番良い。けど、仕事に行くたび、同じような機会がある度に思い出してクヨクヨ考えてしまう。
やってしまった事はしょうがない‼︎次から注意して失敗しなければ良い‼︎と気持ちを瞬時に切り替えて割り切れる人がどんなに羨ましい事か。
でもいつまでも悩んだり落ち込んだりするのが自分の性格なので、変えようと思ってもなかなか変えられるものではありません。
もはや時が経ち、心の傷が癒えるのを待ちましょう。
一つの失敗を一生引きずる事はないと思います。(よっぽどの事がない限り…)日々悩みだけを考えながら過ごすわけにはいきません。
他の仕事もあれば、自分のプライベートだってある。何かとバタバタと過ごしていれば、あっという間に月日は経ちます。
年をとるにつれ、(特に20代後半からは)月日の流れは加速していきます。
「石の上にも三年」三年も経てばさっぱり忘れていたり、気にしているのは自分だけで周りは自分が思っているほど気にしておらず、次の日には自分達の業務に勤しんでいます。
また、起こりうるインシデント事例として他の人が同じ失敗を起こさないように十分な対策案が設けられれば、自分の失敗も結果的に役立ったと思える日が来るかもしれません。
おわりに
人生において失敗は付きもの。
仕事をする上で失敗しない事も大切かもしれませんが、出来れば1日、いや1時間程度でふっきれる失敗を重ねる事で少しずつメンタルを強く出来れば良いなと思います。
失敗も経験として一つの糧にしていきたいですね。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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