看護応援来てもらった!!メリット・デメリット 〜応援依頼編〜
前回は看護応援に自分が行った場合の嬉しい面と、悲しい面についてお伝えしましたが、今回は逆の立場で来てもらった時のメリットとデメリットをお伝えしようと思います。
メリット
まずメリットですが、それはもちろんケアや点滴業務など誰しもが行える作業をしてもらう事で、自分達の業務が少しでも楽になるという事です。
そして、自部署経験者、つまり以前当科で働いていて、部署移動で移った人が看護応援に来てくれると、物品の説明や注意点など、さほど説明も要らずスムーズに業務をこなしてくれて助かる、という面があります。ある意味、入職したばかりの新人さんよりも即戦力として大いに力を発揮してくれ、依頼する側も何の遠慮もなく頼み事が出来る場合もあります。
時には、部署経験者では無いけれど15年以上の経験を持つベテラン看護師が来てくださり、むしろ自分より豊富な知識と経験からそつなくこなしてくれるという場合も稀にあります。
ベテラン看護師が応援に来てくれて頼みたいこと。まず難しい患者さんの抹消静脈留置針(通称,サーフロー)の入れ替えです!サーフローも長期に留置していては感染の元になるので、定期的に入れ替えますが、かなり難しい血管をもつ患者さんの入れ替え日が自分に当たってしまったら。しかもそんな日に限って看護応援を頼むほど忙しく、長時間入れ替えに時間を割けない。そんな時には、しれっと応援に来てくれたベテラン看護師さんに依頼します。依頼された方は苦労され、内心迷惑に思われるかもしれませんが、時間にとらわれず専念出来るという意味ではその方が有利かと思います。そして、そこはやはりベテランさん、向こうもしれっと入れ替えを終えて、次の業務ありますか?なんて聞かれます。なんとも恐れ多い事です。
また、呼吸器がついている患者さんのケア等、大抵は看護応援に来てもらった方には依頼しませんが、それがICUからの応援だった場合には、積極的に依頼させていただきます。むしろ自分達より呼吸器の扱いは慣れておられるので、こちら側の不手際が見抜かれる可能性さえありますね。コソコソと手際を見てちゃっかり上手いやり方を学べる機会にします。
デメリット
前回の看護応援に行った場合には、アウェイ感をひしひしと感じるとお伝えしましたが、逆に来てもらった場合には、少なからず気を遣うという点が挙がります。どこまで頼んで良いものか、頼みすぎて嫌がられないか、等考えるものです。そして、気を遣いすぎてあまり依頼しなかったら「する事がないみたいなので、帰ります」なんて事に‼︎いや、頼みたい事は山ほどあるのですが…となります。
看護師の業務は部屋廻りや処置の介助だけではありません。その日の受け持ち患者さんの看護記録を書かなければなりません。重症患者さんを受け持っていたら、看護記録だけで優に2時間以上かかってしまいます。最近は看護必要度も細かくなっており、それだけでも一苦労です。本当は今の時間少しでも記録を書いておきたい!でも看護応援の方が動き廻ってくれているのに、座って記録をするのは何だか気が引ける…という気持ちも生まれます。そこは記録も業務の一つと割り切ってしまえばいいのですが、皆んなが揃って座って記録をしているという姿は見られたくありませんね。
また、患者さん特有のキャラクターを知り得ないので、多弁な患者さんに捕まっていたり、神経質な患者さんの地雷を踏んでしまい後で一緒に謝りに行ったりという事もあります。一番厄介なのが、インシデントが起こってしまった場合です。内容にもよりますが、当事者と関与者がインシデントレポートを記載します。看護応援に来てもらったのに、インシデントレポートを書いてもらわねばならない罪悪感、そして、頼んでしまった後悔…。どちらも後味悪くその日の業務が終了してしまうのです。
デメリットという表現は来てもらっておきながら大変失礼ではありますが、自分が行った場合にも同じような事が言えるのでしょう。
どうでしたか?看護応援に行った場合と来てもらった場合、どちらも同じようなメリット・デメリットがありますね。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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