のぞき見!精神科訪問看護☆褒める・視点を広げる編
こんにちは、しまりんごです☆
精神科訪問看護のお仕事シリーズですが、そろそろ終盤・・のつもりです(笑)
もう少しだけお付き合いください☆
どんな小さなことでもとにかく褒める!
あなたは、他人を褒めることは得意ですか?
考えてみたら褒めるって言葉って難しいですよね。
なんだか、褒める側が褒められる側の上に立っているような印象にもなるし、じゃあ他の言葉に代わらないかって思っても、「評価する」とか「賞賛する」っていう言葉はなんだか違う気がしちゃいますね。
私は丁度良い言葉を見つけられないので、少し違和感を覚えつつも、褒めるという言葉を使いますが、もっと良い言葉が浮かんだら、是非教えてください(笑)
人は、「承認の欲求」というものを常に持っているものです。誰でも持っています。生まれて1年とたたない赤ちゃんでも「可愛い」と言われたらよく笑うものです。
逆に自分を批判されたら、プライドは傷つき、自分は無価値な人間だと思い苦しんだり、相手に対して攻撃的になったりするものです。
その批判の中でも、もっとも心に傷をつけるもの。それは人格や自分の存在自体の否定。
精神科の疾患にかかった人の多くは、そんな批判を浴びた経験があります。
「頭おかしい」「キチガイ」「役立たず」「怠け者」
そんな言葉をぶつけられたら、自分自身を大切に思う気持ちや自己肯定感はしぼんでいってしまいます。
統合失調症の誇大妄想がある人や、自己愛性パーソナリティ―の人には当てはまらないかもしれませんが、精神科の患者さんは、自己評価が必要以上に低い傾向があります。
精神科訪問看護の利用者さんにも同じことが言えます。
仕事に就くなど社会的に自立している方は少なく、障害年金や生活保護を受けたり、親・兄弟を頼って生きていたりことが自己肯定感の低さを助長しているのかもしれません。
けれど、訪問看護師は声を大にして言います。「生きてるだけで良いんです!」って。
すごく眠たいけど朝起きたこと、面倒臭いけどごみを捨てに行ったこと、朝ご飯をさぼらずに食べたこと・・・。
当たり前?いやいや、そんなことないんです。だって、それを続けていくって難しいことなんですよ。なんでもないことを続けて生きていくんです。
あんまり自分で身の回りのことをしない40代前半の利用者さんがいました。平日はヘルパーと訪問看護とをフルに入れて、定位置は布団の上。万年床でお風呂もあまり入ってない、そんな感じの方でした。
そんな利用者さんが、夜お腹がすくと、台所まで立ってお湯を沸かしてカップラーメンを食べるんです。お茶だって自分で作るんですよ。水にお茶パックを浮かべるだけなんですけど。
でも「えらい!」って「すごいですね」って褒めるんです。依存的な人の、ほんの少しの自立した部分。そこをしっかり受け止めて認めてあげる。
生活保護で生活していて、平日は毎日デイケアへ通っている利用者さん。まだ働ける歳なのに、私は税金でご飯食べていて申し訳ない。自分に自信が持てずにいます。私には何もできないって。
「寒くて朝起きるのつらいでしょう?でも、頑張って起きて準備して、毎日送迎バスに乗ってきてくれるんでしょう?当たり前って思うかもしれないけど、当たり前じゃないよ。すごいことだよ。ずっと寝ていたい自分に勝ったってことじゃない。」
人は誰でも認められたいと思っています。けれどそれ以上に、自分が自分を愛したいんです。精神科訪問看護は、そのためのヒントをそっと教えるものでもあるのです。
いろんな考え方があることに気付かせる
以前、分かりやすい精神科用語辞典のシリーズで、「認知行動療法」という記事を書きました。
かいつまんで言えば、自分の考え方の偏りなどを自覚し、修正していく治療のことです。
「これは〇〇に違いない」から「これは〇〇かもしれない」に。
一つのことを、たくさんの視点で見られるようにしていくと、自分自身の考え方のこだわりに縛られず、生きやすくなります。
デイケアに毎日通っている利用者さん。時々一緒になるある利用者さんが苦手なようです。
デイケアにはクッキングのプログラムがあり、一緒にご飯を作った時に、自分の作ったおかずの味付けが気に入らないとお醤油を足されたのだとか。
「私、嫌われていると思うの。」そう言ってかなり気にしている様子です。
私は言いました。「どんなに人気の話題のお店でも、口に合わなかったと言う人は必ずいますよ」って。
そしたら、みるみるうちに表情が和らいでいくんですよ。
その後の訪問でも「あのときにあなたがそう言ってくれたから、とても楽になりました」と笑ってお礼を言われたりしました。
でも、実は、彼女が気にしていた利用者さん、確かに彼女を気に入らない様子はあったのです。もしかしたら、妄想の対象になっていたのかもしれません。
けれど、大事なのは、「現実を教え、直面させること」ではありません。
むしろ、「自分の都合の良いように解釈できるようにすること」の方がその人が苦しみなく生きるための助けになります。
精神科訪問看護師は、利用者さんの話を傾聴していく中で、こんな考え方もあるよと気づかせていく援助をします。
まとめ
いかがでしたか?
精神科訪問看護は、利用者さんが自己肯定感を持ってもらえるように接していきます。
私は、精神科訪問看護の経験のおかげで「良いとこ探し」が得意になりました☆
看護師の「人を受け入れる力」や「包容力」を育てることができるお仕事でもあります♪
この記事を書いた人
- 育児花丸旦那さんと4歳の息子との3人暮らし☆専業主婦に対する憧れも密かに抱きつつ、常勤で走り続けるワーキングマザーです。趣味は楽器演奏と、映画鑑賞。最近は手芸店巡りが大好き。目指すは、なんでも挑戦する30代♪
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