ナースはつらいよ

必読!老年期看護が面白くなる!お勧めの本3選

 

高齢化が加速し老年期看護が注目されつつも、高齢者はいくつもの疾患を患って複雑であり、そのうえ今までその人が生きてきた中で培った価値観や環境も大きく関係するため難しく感じる分野です。いつも特養に実習に来る看護学生からもそんな声が聞かれます。

しかし、この3冊を読めば、老年期看護に興味が沸きやりがいを感じるにちがいありません。
 

1.高齢者施設における看護師の役割 医療と介護を連携する統合力

(著)鳥海 房江 / (出版社)雲母書房出版

この本に出会ったときの状況

私は、老年期看護が特別好きだったわけでもなく、ただ日勤勤務のみで収入が良いという理由で安易に特養に就職しました。

しかし、病院とは違い生活の場である特養では、看護師としてどのように働けばいいのか、施設での看護師の役割は何なのか、かなり戸惑いました。

しかも、介護の現場の人手不足は病院よりも深刻です。病院とは違い学歴や仕事に対する意識はバラバラです。何も資格のない高校生やリストラにあって仕方なく就職した人、日本語があまりしゃべれない外国人労働者などという介護職員達とどのように協働していけばいいのかわかりませんでした

そんなこんなで日々悩んで悶々としていた時に出会った本です。

この本をおすすめしたい理由

施設において、看護師が「医療モデル」でなく「生活モデル」を描くことがポイントとされ、具体例が交えて書かれてあり実践的に活用できるためとても役立ちました。

病院では、看護問題というと疾患によりできないことばかりに目を向けていたことに気づかされ、著者が述べているように健康を阻むものがあってもその人らしい生活ができるようにするのが看護師の本来の仕事だという原点に戻り考えさせられました。

また、介護職がいなければケアは成り立ちません。お互いの立場を尊重したうえで、看護師はどのように施設でどのような役割が望まれているのかが書かれていています。

施設での看護師の役割が明確となり、看護の重要性を感じ仕事にやりがいを持って取り組めるようになりました。

今、医療も看護のあり方も、「病院・施設から地域・在宅へ」とパラダイムシフトが起きています。

世の中では、生活と医療をつなぎ生活支援ができる看護師が求められていますので施設で働く看護師だけでなくすべての看護師に読んで欲しい本です。

2.高齢者診察で身体診察を強力な武器にするためのエビデンス

(著)上田 剛士 / (出版社)シーニュ出版

医師向けに書かれた本なのですが、カラー写真やグラフや表付きの解説があり高齢者診察のエビデンスがわかりやすく書かれてあります。

特養では、医師が常に常勤しておらず、私が働いている施設は、24時間担当医師と連絡が取れるわけではありません。今、受診をしたほうがいいのか、ご家族や職員にアセスメントを求められることが多々あります。

高齢者は、様々な疾患を患っており、そのうえ認知症を患っているならば、本人が症状を的確に訴えることができずアセスメントがとても難しいものです。

安易に病院受診をしても、心無い医師には、「認知症の人なんて診れないよ」と言われ、病院の長い待ち時間に耐えられない人、意味が理解できず不穏になり結局検査ができず、高齢者にとってただ苦痛と負担にしかならなかったなんてこともあります。

そんな時、この本はとっても役に立ちます。見逃してはいけないポイントがおさえられているのでとってもわかりやすいのです。

著者は、エビデンスに基づいた高齢者の身体診察メリットとして3つ挙げています。

  • 取りづらい病歴を補うことができる
  • 「早く、安く。痛くない」医療を提供できる
  • 検査を減らすことができる 

こんな医療が提供できるように看護師もエビデンスに基づいたアセスメントができるように勉強したいですね。

3.マンガ教材 BPSD別認知症ケア

(監修)佐々木 健 / (執筆・漫画)西谷 達也 / (出版社)日総研出版

老年期看護で大変なのは、認知症ケアかもしれません。認知症を患っている人とどのように関わっていいかわからない、BPSDにどうやって対処すればいいのかなど悩まされていませんか。

この本を読んで、BPSDが発症するのは自分の意識の持ち方や接し方が大きく影響していることに気づきました

認知症になっても心は生きている」という信念で30年以上前に認知症専門病院を設立し認知症ケアにも従事している医師の言葉は心に響きます。

認知症患者として特別な目で見るのではなく、一人の人間として対等に向き合い寄り添い共感することが何よりも大切だということを学び実感できます。

徘徊は、ケアする側が時間があり付き添える時は散歩になり、時間がない時は徘徊になるといういかにケアする側の都合でレッテルを貼ってきたのかと反省しました。

BPSD症状の裏には、必ずその人の思いや考えがあり言葉にならない声を聴くという姿勢にも感銘を受けました。

マンガでわかりやすいため、疲れた時でも、手軽に読み勉強することができます。

老年期看護でお悩みの方にお役に立てたら幸いです。

そして、いずれは自分も高齢者となります。年をとっても生き生きと楽しく生きられる世の中になることを願い看護師として貢献していきたいです(*^▽^*)

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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