~現役ナースの徒然日記~神経難病病棟に向いている人とは・・・
お久しぶりです!ゆづです!
この前、夜勤明けの帰り道、意識朦朧としたなか、ついつい立ち寄ったガーデニング屋さん(普段は全く行きません)。
気が付いたら「パキラの赤ちゃん」。観葉植物を買っていました(^^;)
…相当疲れていたんだなぁと、今、冷静になって水やりしています。無意識に癒しを求めていたようです。まだ生まれて(発芽して)2か月ほどのパキラで、若葉が数枚出てきていて緑々しいです。夏に向けてぐんぐんと成長中です。それなりに将来が楽しみです。
ところで今回は、私の働いている神経内科病棟(神経難病病棟)の紹介をしたいと思います。
もし神経内科の科のある病院に転職を希望される方がいらっしゃるようならば、ぜひ参考にしていただきたいです。なぜならば、私の病棟に転職された方の一部が、希望ではない神経内科に配属になり、リアリティショックになってしまいお仕事が続かない事があるからです。情報が少ないことも理由としてあげられると思います。特に神経難病病棟は、多くはない病棟ですが、各県に何か所かあり、慢性期病棟なので転職先の候補にあがる方も少なからずいるはずです。現実にママさんナースや家族もちのナースが多く、働きやすい職場でもあると思うのです。
わたしのいる神経内科の疾患
私のいる病棟は、神経内科の中でも特殊な慢性期療養病棟です。主に特殊神経難病の患者さんの生活の場としての環境が整っています。神経難病病棟という名前だけあるだけに、神経難病の診断をされた患者さんしか受け入れません。ところで、神経難病とはどのような疾患があると思いますか?私の病棟にいる主な疾患を上げたいと思います。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)
脳から筋肉に行く道筋の「上位・下位運動ニューロン」が変性することによって運動神経が障害されていく疾患。40~50代の比較的若い患者さんもいます。最終的に全身の筋肉が動かなくなり寝たきり状態になります。呼吸筋に障害が出てくると、呼吸器装着をするか、しないかの延命の選択をしなければなりません。私の病棟にいるALSの患者さんは人工呼吸器を装着し、寝たきりで自宅で介護するのが厳しくなった患者さんが主に入院しており、病院が自宅のようにして生活しています。会話は文字盤を使って問題なく会話できます。
パーキンソン病
中脳にある「黒質」の細胞が変性することにより、ドパミン産生低下、体がスムーズに動かせなくなる疾患。だいたい病棟にいるパーキンソン病の患者さんは、最終的な寝たきりの状態の方が多いです。
SCD(脊髄小脳変性症)
脊髄小脳変性症という一つの疾患でくくられていますが、多系統委縮症(オリーブ橋小脳委縮症OPCA・シャイドレガー症候群SDS・線条体黒質変性症SNDなど)や遺伝性の病型(歯状核赤核淡蒼球ルイ体委縮症DRPLAなど)様々な種類の病名があります。
プリオン病
クロイツフェルトヤコブ病(CJD)、ゲルストマン‐ストロイラー‐シャインカー病(GSS)など分類があります。ひとくくりにしてプリオン病と言っています。異常プリオン蛋白が脳内に蓄積していくことによって発症するそうです。
ちなみにウシのプリオン病は「ウシ海綿状脳症BSE」と呼ばれていて食肉問題でニュースに出てくるものですね。BSEのウシ肉摂取などによる発症もあります。
異常プリオン蛋白には感染性があるため、感染症の扱いを受け、感染対策しながら処置していきます。非常に稀な疾患ということですが、難病病棟だけあって私の病棟ではよく見かけます。
その他にも、筋ジストロフィー、ハンチントン病、脳炎などの患者さんも入院してきます。
→ひとことで総称すると寝たきりの患者さんばかりの病棟です。
「うわー、暗そうだし、絶対に行きたくない!」
と確信してしまった方もいるかもしれませんが。。。そんなこと決してないんですよ!
ほとんどの患者さんは原因不明、根治治療はなく、特に治療をするための一般的な入院とは違うのです。
私たちの主な看護師業務内容は、日常生活の援助です。
ほぼ全介助ですが、難しい技術は必要ありません。
おむつの交換、体位変換、入浴介助、経管栄養、気管切開・胃ろうの処置、基本はこれだけ。業務内容は忙しいですが、かなり単調です。患者さんの入れ替わりもありませんので、病床数の分だけの患者さんを交代勤務でお世話していきます。「おはよう」からはじまり「じゃ、帰るね、また明日来るね」と家族のような会話をして、にこやかにお返事してくれる患者さんもいます。時には私たちの話に涙して喜んでくれたり、悲しんでくれたり。あたたかな雰囲気が流れ、急性期病院ではないような独特さがあると思います。
どんな人が向いているのか?
仕事とプライベート両方とも大切にしたい方にはぴったりだと思います。決まった業務をみんなで終わらせていく仕組みなので、ペア・チームワークが求められます。人と会話するのが好きな方や気を長くして話を聞ける方は向いていると思います。
向いていない人は?
逆に単独行動が好きな方には向いていないかもしれません。最新治療や技術習得などスキルアップしたい方には向いていません。また、体力仕事なので腰痛持ちの方はおすすめできません。
長々と書いてしまいましたが、慢性期病棟はどんなところなのか少しでも役に立てれば嬉しいです。書ききれなかった内容はまた追加で次の機会にでも書こうと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事を書いた人
- 二十歳から休まず真面目に?働き続けて、疲れを感じてきた年頃です。
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