働きやすさは師長次第?!比べてみました師長さん〜前師長編〜
働いている期間に師長さんが変わった事ってありますか?私は入職してから2年目までお世話になった師長さんと、3年目以降退職するまでにお世話になった師長さんがおられました。この師長交代を経験して思った事は、病棟の働きやすさとは師長さんの手にかかっているのでは⁉︎です。
今回は前師長、現任師長を誠に勝手ながら比較させて頂いて感じた事をお伝えしようと思います。
前編は前師長編です。
年功序列を重視する前師長
前師長さんの交代が定年退職という事から、そもそもかなりご経験を積まれた方でした。長年に渡って師長業務を行っておられたし、当初のやり方を継続して行うというスタンスだったので、所々に年功序列制度が取り入れられていました。
例えば、夏休みやお正月休み。夏休みの場合、新人は三連休、2.3.4年目四連休、5〜10年目五〜六連休、それ以上の経験年数は一週間休める。また、お正月休みにおいても、基本1〜4年目までは年末もしくは年始のどこかで二連休をもらった末に交代で勤務。経験年数が上がるにつれ、年末年始の休みが確実にもらえるという制度でした。
病棟会議は全員揃うのが大前提
月に一度病棟会議が開かれます。師長会議の報告を聞いたり、病棟内の各役割からの連絡事項を伝えあったり。日勤終わりに2〜3時間かけて話し合いが行われます。スタッフ全員の出席を基本としますが、準夜や遅出勤務は除きます。病棟会議に何時間も出ていたら、仕事が廻りませんから。あと夜勤入りの勤務者も。
では、夜勤明けや休み・早出勤務の人達は?当然出席です。眠い目を擦りながら、あるいは遊びの予定を早めに切り上げ、更には早出だと1回帰宅してまた夕方出てくる。なんて事をする必要がありました。
準夜・遅出の人は会議に出席しないので、どうするの?もちろん資料があるので、後日それに目を通せば良いのです。じゃあ休みや夜勤明けの人もそうすればいいじゃん‼︎この件については新師長の所で改めてお伝えします。
買い出しは下っ端
先ほどの病棟会議ですが、その会議には皆んなが毎月払っている詰め所費からジュースとお菓子が買い与えられます。そして、会議までにそのジュースとお菓子を準備するのは…もちろん新人〜2年目さん達です。たとえ日勤が忙しかろうが、休みであろうが関係なし。先輩達の喉の渇きを潤わせるため、低血糖でイライラされないようにするために必死で買い出しに出かけます。と言っても院外に出るわけではなく、院内の売店に行くのですが。
そして、言わずもがな師長を筆頭に経験年数の上の方々から順に好きな飲み物を取っていきます。師長が好きな飲み物、先輩方が好む飲み物をある程度把握しておかなければならないという試練もあります。コーヒー系は必ず3〜4個、チョコは1つは絶対、甘いものばかりだといけないので塩辛いものも幾つか買っておく。
会議中遠慮せずに食べられるのは上の数名、中堅でさえ遠慮しながら時折口に運ぶ程度。ましてや1〜2年目にもなると許可なく食べる事は恐れ多くてとても出来ない、先輩に食べていいよと勧められて初めて、そしてそれが最初で最後のチョコ1つ、になるわけです。特にそうしなければならないという取り決めがあったわけではありませんが、年功序列を重視されている師長の元で働くというと、自ずとそのような環境になっていったのです。
なんという縦社会、女の世界…。新人の頃は病棟会議が大嫌いでしたね。
入院患者数を抑えられる威力あり
先程まではなんだか前師長の悪口と言わんばかりに恐い面ばかりが出てきましたが、前師長で良かった!という点ももちろんあります。
定年退職をされた経験年数豊富な師長ですから、もちろん他の病棟の師長よりも上の立場にあるわけです。前師長の一言で入院患者さんの数が抑えられるのです。
どういう事かと言うと、私が勤めていたのは血液疾患の患者さんが入院される血液内科病棟。病棟全体がクリーンルームになっていて、その中でも特に清潔度が維持されたバイオクリーンルームという部屋が3室ありました。バイオクリーンルームは骨髄移植や臍帯血移植の患者さんが特定期間入室されますが、時期によっては3室全てが空いている状況もあるわけです。
そんな時に入院係から、ポリペク入院をとってくれないかと師長に連絡が入ります。つまりバイオクリーンルームを普通の病室として使わせてくれないかという意味です。しかし、そこは鶴の一声、「バイオは移植の患者さんが使う予定があるから無理です」。入院係は渋々他の病棟を当たるわけですね。
これを聞くと患者さんのたらい回しに聞こえると思いますが、病棟が忙しい時に更なる患者さんの増加は私たちにとっても医療の質の低下に繋がり、苦痛を伴います。他の病棟が空いているなら、是非他へとなるのです。そんな時には威厳のある師長で良かった!なんて思うわけです。
各役割にあまり執着なし
病棟の中では、各役割が当てられます。医療安全に取り組むリスクや、感染に取り組むリンク、その他にも倫理や教育、看護研究、NSTなど。それらの役割に1人3〜4つ掛け持ちをして、リーダーもしくはメンバーとして働きます。
前師長は、この病棟役割に対してあまり強く力を入れてはおられなかったように思います。定期的な役割会議に出席される事はほとんどなく、特にこれをやって欲しいと依頼される事もありませんでした。ゆえに、役割会議はあってないようなもの。役割リーダーが指揮をとって集まりたい時に集まるという方式でした。
以上が簡単ではありますが、前師長の特徴でした。なんだか怖い方のように聞こえるかもしれませんが、基本的には温厚で優しい方でした。次回は新師長についてお伝えします。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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