つらいよ、インシデントレポート
こんにちは。おじゃりんです。
先日インシデントを起したと肩を落としている友だちの話を聞いてなんだか腑に落ちない話だな、と思いました。そこで今回はインシデントレポートについて考えていきたいと思います。
インシデントの意義
新卒で大学病院に入職したてのころ、「インシデントレポートは始末書ではない。アクシデント防止のために役立てるために書くものだ」と教わりました。
みなさん、インシデントレポートについてはどんな考えをお持ちですか?私は結局のところやはり始末書だと思いながら書いていました。
インシデントのパターン
完全に自分のミス
ダブルチェックを怠った。確認し忘れた。おかしいと思いながらもそのままにしてしまったなど、完全に自分の落ち度で起きてしまったインシデント。これはもうただただ反省するしかありません。
当事者だけの問題ではないインシデント
実際、インシデントの多くは当事者だけの問題ではないものだと思います。
例えば胃管や点滴ルートの患者による自己抜去。抑制をしてみたり、患者さんに説明したり、いろんな手を講じます。しかし、特に不穏になると人は想像を超える力を発揮します。また、話をしても理解が得られないということもあります。
どんなに頑張っても抜かれてしまうことはあります。だから仕方がないとは言えませんが、果たしてこれは受け持ちさん一人の責任なのでしょうか??
また、自己抜去となるとただただ看護師の責任にして叱責してくる医師もいます。本当に看護師だけの責任でしょうか??
経口気管内挿管中、鎮静のコントロールがうまくいかないこともよくあります。体格のいい患者さんだと抑制帯や看護師の制止だけではどうにもならないこともあります。
薬剤投与は医師の指示がなければ看護師の判断だけではできないものです。鎮静剤の量や種類を変えてほしいと医師に相談しても取り合ってもらえなかったこと、ありませんか?そしてそんな時こそ自己抜去をやられてしまう・・・。なんとも悲しい結末です。
それでもインシデント報告するのは看護師ということが多いのではないでしょうか。でも、こういったインシデントは看護師だけが振り返っても意味がないと思います。
医師にも不穏の状態がどれだけ危険かを知り、一緒にどういった状態が患者さんにとって安全な治療生活を送ることができるのか考えてもらわないと意味がないと私は考えます。
こういったことは看護師側から医師に対してもっと強く主張できる風潮になればいいのにと思います。
いろんな人がかかわっていたのに結局受け持ち一人の責任にされる
病院によって医師からの指示のやり取りはいろいろな方法があると思います。どのやり方でも絶対というものはなく、どこかあいまいさが残ります。
先日聞いた友だちが巻き込まれたインシデント。簡単に言えば指示の伝達があいまいで、結局受け持ちの看護師が把握していたことと医師の指示がずれていたということでした。
患者さんの状態も厳しいこともあり、また、自分のプライマリーの患者さんだったこともあり友達は心底落ち込んでいました。
夜勤明けインシデントレポートを書いて長いながい夜勤を終えたそうです。
しかし、そのインシデントが起こるに至るまでには彼女以外に医師、日勤の受け持ち、日勤のリーダー、夜勤のリーダーがかかわっています。しかし結果的にすべての責任を彼女が追う形になりました。しかもリーダーからは自分が関わった一部を黙っていてほしいと告げられたそうです。自分の立場もあるからと・・・。
この時点でもうこのインシデントレポートには何の意味もなさないと友だちと二人で悔しさを分かち合いました。
インシデント対策
友だちは言いました。「これからは鬼の○○さん。と言われてでも気になったことは必ず突っ込む」と言っていました。
でも、自分の失敗の時も複数関わる人がいる中で起きたインシデントの時も予兆のようなものがあって、それは「嫌な予感」や「これってどういうことだろう?」という疑問を放置してしまったがためにインシデントにつながってしまうケースが多いと私は分析しています。
だから、なかなか難しいことではありますが、あいまいなことや疑問を放置しないこと、確認する作業をさぼらないことがインシデントから自分の身を守ることにつながっていると思います。
この記事を書いた人
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人と関わること、子どもと関わることが好きだけど、ものすごくエネルギーを奪われてしまうタイプの人間です。
子どもと戯れる生活になり、日々ストレスと驚きと喜びを感じながら生活しています。
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