患者さん生活習慣あるある‼︎〜中高年編〜
前回は若者たちの特徴についてお話ししましたが、今回はそんなうら若き青春を駆け抜け、我が子達が手が離れる頃、仕事がひと段落つくかつかないかの中高年世代の皆様の特徴について、お話ししようと思います。
中高年ともなると、男性と女性では過ごし方や習慣が全く変わってきます。それは、今まで仕事一筋で働いていたお父さんと、家事育児に専念していたお母さんという役割の違いからくるものもあると思いますし、それ以前に男性と女性というそもそもの性の違いからくるものもあると思います。なので、ここでは、男性と女性に分けてまとめてみます。
男性患者さん
中高年の男性、いわば今まで(いや、現在進行形で今でも)朝から晩まで1日の殆どを会社などの職場で過ごしていた方達です。そんな方達なので、朝起きるのが遅いという事は殆どありません。朝食がやってくる8時ぐらいには起床しておられます。そして、のんびりと朝食を済ませ、9時以降に看護師がやってくる前に髭を剃ったり歯を磨いたりと身なりを整え始めるのです。
9時以降、いつもなら既に出勤している時間、入院中といえどなんだかその時間に何もしていないのは落ち着かないのでしょうか。パソコンを開け、なにやら必死に画面とにらめっこされていますね。仕事のメールチェック?株価の確認?ネットでゲーム?買い物?詳細は知り得ませんが、常にベッドの近くにパソコンが置いてあり、常時確認しておられる気がします。
若者は漫画やDVD、携帯電話が時間潰しの必須アイテムでしたが、30代以降ともなると、それが大抵ノートパソコンに変わってきますね。
女性患者さん
中高年の女性と言えば、大抵子供達が自立し、子育てに一区切りがつこうとする頃。まだ現役で働いておられる方もおられますが、女性患者さんの気にする先は仕事では無く、家庭の方が大きいのではないかと思われます。そして、今まで主婦をされてきた方達ばかりですから、朝は比較的早起きです。
6時から7時の間には起床され、洗顔や軽いメイクまでの身支度を朝食までの間に済まされています。中高年の言えど、女性は女性、朝食を下膳する際に誰に見られるかも分かりません。それは、同じ大部屋の患者さんから、他の部屋の男性患者さん、担当医師から、若手のレジデントに至るまで。まるっきりのスッピンを公の場に平気でさらすような事はしないのが女性なのですね。むしろ夜勤明けの看護師より身だしなみには気を遣っておられるかもしれません。
また、女性特有の性質「おしゃべり好き」がここでも発揮されるわけです。女性患者さんの大部屋で、中高年世代のおばさま達が集まろうものなら、そこは小さな集会所。食事の時間以外は大抵皆様集まってあれやこれやと盛り上がって話しをされておられます。最初は自分達の病気や治療の事を話されているかと思いきや、そこから話しは担当医師の話題なんかへ。検温に廻ってきた看護師は情報源と言わんばかりに、それぞれの主治医の年齢から結婚してるの?彼女いるのかしら?なんてプライベートな事を聞かれます。30歳過ぎぐらいですかね〜、彼女は…いないんじゃないですか?なんて。気づけば自分も集会に参加しているではありませんか?!危ない危ない!と気を取り直して検温をします。
そして、そんな仲良し患者さん達ですから当然カーテンはオープンにしてあります。男性部屋ではほぼ見られない光景ですね。そんなオープン部屋では、1人の患者さんからナースコールがあっても4人の要件を聞きに行くようなものです。例えば、「氷枕下さい」とナースコールがあり、持って行くと、「私もお願い」「私は少し熱があるみたいなの」「便秘の薬貰えないかしら」なんて嵐のように次から次へと直依頼があるのです。ひぇ〜〜‼︎と思いながら一つ一つこなすか、他の担当看護師に伝達します
。
女性患者さんの集会所は、誰よりも早い芸能時事から嫁の悪口まで様々な話題があり聞いている分にはなかなか興味をそそられますが、それ以上に自分の業務が捗らないという罠があるので危険ですね。
男性、女性共通
中高年世代ともなると、悩みは尽きません。病気の事はもちろん、仕事の事、家庭の事、お金の事、子供の事…。挙げればキリがないぐらい頭の中は考え事だらけです。そうなると、ますます夜の寝つきは悪くなります。そして、入院中に初めて眠剤を試してみる事になります。最初は軽い眠剤を半錠ぐらいから。眠れる日もあれば、眠れない日も。そんな夜を過ごしながらまた朝を迎える事になるのですね。
次回は、高齢者の患者さんの特徴についてお伝えします!
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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