患者さん生活習慣あるある‼︎〜高齢者編〜パート2
さて、生活習慣あるあるもいよいよ最後となりました。と言っても、高齢者編の続きなのですが。
お肉は残しがち
高齢患者さんの8〜9割は入れ歯です。総入れ歯の方もおられれば、部分入れ歯の方もおられます。そんな方々にとって病院食に出てくるお肉は鉄の塊に思えるのでしょう。よく豚肉のソテーと称した食事が出ていましたが、半数以上の患者さんは残していました。「あんな硬い肉食べられたもんじゃない!」「歯がいくら丈夫でも無理!」なんて言われます。
いくらポ◯グリップが入れ歯の方達の絶大なる信頼を寄せ、進化を続けている商品とは言え、病院食の豚肉には勝てないのかもしれません。いや、入れ歯の問題?いやいや、そもそもそんな硬い肉を提供する病院食の問題ですが。という所から、病院食のお肉(豚肉)は若干の歯型がついたまま、ほぼ出された時と同じ状態で下膳される事が多かったです。
そして、就寝前にはお世話になっている入れ歯を皆様念入りに洗浄され、ポ◯デントに漬けるのです。
お菓子配りの天才
高齢患者さん、いわゆるおじいちゃん、おばあちゃん。この世代になってくると、やたらと私達にお菓子を与えて下さります。ちょっと良いお菓子から、飴玉1つに至るまで種類は様々。
ちょっと良いお菓子は、ご近所の方がお見舞いに持ってきてくれた箱詰めのお菓子の数々。気持ちだけ受け取って、中身は私達にくれるのです。「頂き物だけど、甘いものは苦手だから、よければ皆さんでどうぞ」。私達も私達で、快く気持ちも中身も受け取ります。
次に出てくるのは、フルーツの類。これも大概頂き物か、ご家族が持って来られたものになります。リンゴやミカン、時には上等なパイナップルでさえ惜しまず与えて下さります。
そして、次に出てくるのはおじいちゃん、おばあちゃんのお菓子の代名詞、そう!黒飴様です。自分も食べるけど、回診や部屋廻りで訪れた医師や看護師などに、「あんたも食べ」なんて言いながらおもむろに4〜5個ポケットに突っ込まれます。このポケットおこぼれにあずかれるのは、看護師はベテランから若手までほぼ全員ですが、医師においては若手のレジデントに限られますね。
しかも、中身は新しいけど、外見は明らかに一度開けようとした形跡がある…。あ、有難い。「有難うございます」と言うと、「皆んなには黙っておくから、今口の中に放り込み!」なんて言われてたちまちアタフタします。
このように、嬉しいお菓子から困惑するお菓子に至るまで、沢山のお菓子を下さるのです。
トイレットペーパーは少なく畳んでクシュクシュに
高齢患者さんの看護をする上で頻度の高いお世話は、なによりトイレ介助です。トイレ誘導だけで後は自立されておられる方、一緒にトイレに入って、ズボンの上げ下げやお尻拭きの介助が必要な方、ベッドサイドのポータブルトイレで介助が必要な方と、介助度も段階があります。
そこで気になる高齢患者さんの特徴と言えば、トイレットペーパーの使い方です。何気なく適当な長さを取って手渡すと、何故か一旦広げて端と端を綺麗に揃えてたたみ直します。しかも、綺麗に4つ折りにされたペーパーは最後にクシュクシュと手で丸めるのです。え?!綺麗に畳んだのに?!最初はハテナが飛びましたが、されている高齢患者さんが多かった事から、なんとなく昔の習慣なのだと気付きました。
トイレットペーパーがまだ今のように白くて柔らかくない時代。新聞紙などを使用されていたのでしょう。少しでもお尻に優しく使うために硬い紙をクシュクシュと丸めるのだと思います。日本のトイレ環境が世界に誇れる素晴らしい空間になったのも、彼等先駆者達の苦労と知恵の結晶なのでしょうね〜。
高齢者編と書き連ねている私ですが、40〜50年後には、「◯◯号室のおばあちゃんにまた◯◯スナック菓子もらった」「時代を感じるね〜」なんて言われてたりして…。明日は我が身と思いながら(明日突然浦島太郎みたいにおじいちゃん・おばあちゃんになったら困りますが)、1日1日可愛いおばあちゃんに近付きたいですね〜。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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