ナースはつらいよ

初めての妊娠、そして入院の体験談

時というのは、経ってみれば、あっという間にって感じですよね。

十数年さかのぼり、私の初めての妊娠、出産を思い出してみたいと思います。

妊娠発覚とおなかの痛み

結婚して、子供が欲しいとは思いましたが、実際、自分が妊娠するなんてなかなか実感がわきませんでした。

当時は、外科のクリニックで働いていましたが、患者さんも多く、忙しい毎日を送っていました。

自宅に帰るのは、20時前のことは多かったです。

その日は、午後休診の日で、自宅のソファーでくつろいでいました。

なんか、下腹部に違和感があるなーとは思っていましたが、その違和感が、次第に、痛みに変わっていきました。

痛いのだけども、激痛ではないのと、生理前だからかな?と思い様子を見ていました。

でもなんか、生理が遅れている気がします。

妊娠希望だったので、検査薬を試してみることに・・・

早いかな?とも思ったのですが、妊娠反応が出ました。

嬉しかったのですが、なぜか下腹部が痛いのは、気になります。

動けないわけでもなく、仕事を休むわけにもいかず、気になりながらも、日常生活を続けていました。

そんなある日、仕事から帰り、もう就寝しようとしていたところ、右下腹部に激痛が!!

右の下腹部がなんとなくもりあがっているような感じでした。

主人に病院へ連れて行ってもらい、診察の結果、右の卵巣嚢腫でした。

入院を勧められそのまま入院することになりました。

初めて入院しました。

病棟へ移動し、病棟ナースが、

「ごめんなさい。産科の病室が空いてないので、今日はとりあえず婦人科の病室になります。空き次第すぐ変えますから。」

という説明がありました。

病室に着くと、痛み止めの注射をしてもらいました。

妊婦になると、気持ちが落ち込むものですね。

注射を打つときに、「今のところは赤ちゃんには影響ないと思います。」と、説明を受けました。

でも、くよくよと考えてしまいうんですよね。

痛くても我慢いた方が、赤ちゃんにはよかったのではないか?とか・・・

その夜は、あまり眠ることができず、朝方、ウトウトとしてしまいました。

婦人科病室での濃い1日

ウトウトしてきたときに、ベッドサイドのカーテンが勢いよく開きました。

それも周り全部全開です。

開けたのは、向かい側のベッドの少し初老の人でした。

何も言葉は発しません。

いきなりの出来事に、目を覚まして、反応できませんでした。

その人は、カーテンを開けると、こちらを表情も変えず見て、自分のベッドに帰っていきました。

隣と斜め向かいにも、若い患者さんがいました。

気持ちがかなり動揺していたのですが、気持ちを立て直し、起き上がって、部屋の人たちにあいさつをし、

昨夜、入院のため騒がしてしまったことをお詫びしました。

若い人たちは、一礼をし、妊婦かどうかを確認しました。

そのあとは、何とも言えないアウェー感。

気分もわるく、腹部も昨夜ほどではないけど、痛みがありました。

カーテンを閉めて休みたいのですが、この空気の中、占めることもできずあの時はつらかったです。

病室での苦痛

朝食が来たのですが、気分がわるく食べれませんでした。

その様子も、チラチラ見ています。

病室の他の3人は、かなり仲良しで、大声で話しながら食事をしていました。

その合間に、かなりこちらを見ているので、本当にカーテンを閉めてほしかったのが本音です。

私は、持続点滴につながれ、トイレ歩行までしか許可がなかったのと、痛みと、気分が悪いのとで、

動く気がしませんでした。

すると、初老の彼女が、

「寝てばっかりで、どうすんかね。」

と、大きな声で言いました。

他の人達は、ベッドに座っていたので、私のことだとすぐに認識しました。

とりあえず、そのままやり過ごしていると、足元に今度は、その初老の人が、立っていました。

ジッとこっちをみているようでしたが、私が、少し身を起こしてそちらを向くと、病室を出ていってしまいました。

この病室、怖い!と思いながら、じっとしていました。

部屋では、ほかの患者さんたちが楽しそうに、賑やかに話していました。

すると、また、誰かがそばにいた気配がしました。

今度は、隣の患者さんです。

リンゴを剥いて、みんなに配っていたようで、剥いたリンゴを1/2個素手でもち、立っていました。

「どうぞ。」と言われ、素手で握りしめているリンゴをみて余計に気持ち悪くなりました。

お礼を言い、丁重に今、食べることができないことを言って、お断りしたのですが、強引にティッシュを広げ、テーブルに置いていきました。

人里離れた、物語に出てくる村に来た気分でした。

災難な1日のしめくくり

その夜、痛みがひどくなり、ずっと我慢していました。

痛み止めをなるべく使いたくなかったからです。

痛みのせいで、何度もベッドで寝がえりをしていたようで、点滴の接続が外れていました。

シーツが濡れてい気づきました。

ナースコールを押し、その旨を伝えましたが、すごい剣幕でナースがやってきました。

何を言っているのかわからなかったのですが、すごく怒っていたのは覚えてます。

最後に一言

「痛いって!言えばいいじゃない!」

と捨て台詞を残したのは覚えてます。

言ってる意味が分からない、痛みがあることは伝えました。

私もこの仕事をしていて、患者さんに、怒ったような口調で何か言ったことはないし、逆の立場だったとして、この状況で、

こんな対応はしないです。

元気だったら言い返せるのに、この時は、本当に弱ってました

濡れたシーツに、タオルを置くことも、痛みでできませんでした。

濡れた、シーツもそのままにするこの病院の看護師は大丈夫なんでしょうか?

某公立の総合病院なんですけどね。

そのあと、部屋に訪れたまた違うナースに、タオルをとってもらい、濡れた部分に敷いてもらいました。

まとめ

次の日に、産科の病室が空き、移動しました。

産科の病室は、兄弟の子供が来たり、つわりで苦しんでいる人がいたり、夜中にお菓子をバリバリ食べている人もいましたが、嫌悪感はなく、ほほえましく思いました。

この病室で、やっと休むことができた気がします。

今回の経験は、本当に、勉強になりました。

私が受けた対応のような、酷い対応はしたことないですが、

患者さんって、言いたいことも言えないときが、幾度となくあるんだと思います。

私も仕事の中で、なるべく丁寧に接しようとしていたけど、きっと患者さん目線ではなく、ナース目線だったかもしれません。

今回は、もう一度振り返ることができました。

それから、患者さんの大部屋ですが、私たちの知らないところで、いろんな人間模様があるんだなとも思いました。

実際、いじめが私の勤めていた病棟であったこともありました。

もっと、違った視点で考えられるいい経験にもなりました。

この記事を書いた人

こころく
転職を重ねながらも、この仕事に長く関わってきました。最近、月数回、小児科の夜間救急のパートで仕事をしています。
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ちょっと一息!お休みナース☆
こころく
一人暮らしが懐かしい~~

転職を重ねながらも、この仕事に長く関わってきました。最近、月数回、小児科の夜間救急のパートで仕事をしています。

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