注意!看護師に危険な病気と対処法
冬に近づきインフルエンザやノロウイルスなどが流行る時期になってきました。
今回はこのような誰もが罹る病気ではなく、看護師ならではの職業病とその対処法をまとめてみました。
膀胱炎
聞く分にはたいした事ないように思えますが、一度罹ると再燃しやすい厄介な症状です。
特に尿道が短い女性で、長時間トイレを我慢していると罹りやすいですね。この条件に当てはまるのは、そう看護師の皆さんです。
トイレに行きたい!でも、申し送り中、患者さんの部屋廻り中、オペ出し中、採血中など、行きたくても行けない時だらけです。
また、この作業をやり終えてからトイレに行こうというトイレ後回し精神の人も多いのでは?そして、先客がいたら、じゃあ一仕事してからと思っている内に毎回タイミングを逃し、気付いた時には念願のトイレで排尿痛。
何度も膀胱炎になり、抗菌薬を常備・常用なんて人もいました。
そうならないためにも、とりあえずは行きたい時はすぐに行って下さい!先客がいたら、他の場所のトイレに走る覚悟で。
また、長時間縛られる業務につく前には予めトイレへ。子供じみた対処法ですが、残念ながらバルンを入れて仕事をするわけにもいかないので、トイレに行く事以外に回避する方法はありません。
腰痛(椎間板ヘルニア)
若いのに腰痛持ちの看護師多いですよね?
体格の大きい患者の移送や介助では、思った以上に腰に負担がかかります。移動場所や患者の動ける程度によって負担は違いますが、いずれにしても体力仕事です。
テコの原理を上手く利用する、なんて移送方法を習ったと思いますが利用しても腰痛になるものはなります。
では、そんな時は第一に人手を増やす!できる限り人員確保に努めるべし。ただ夜勤で人手が少なかったり、皆それぞれ業務に追われ確保出来ない状況も多いですが。力になりそうな補助者や先生なども呼びこめたらいいですね。
私も勤務中何度も腰痛に見舞われ、整形外科に受診した事もあります。
今から思えばあの時から腰を痛めていたのです。産後再び腰痛悪化。先生からは、ヘルニアだねの一言。しかも、だいぶ前から悪くて、妊娠で更に悪化し今に至るそうです。未だにコルセットと友達です。
まだ腰痛を経験していない貴方、絶対腰を痛めてはいけません、後々酷い目に合いますから。
B型肝炎、C型肝炎
医療者の中で針刺し事故が多いのは、やはり看護師です。採血に末梢静脈留置など。いずれも手袋着用は当たり前ですが、破れたら終わりです。
最近では採血針や末梢静脈留置針もセーフティガードが付き、針が自動的に収納され剥き出しになる事は少なくなりました。また、ゴム製のプラグにプラスチックの針を刺すなど、医療機器メーカーさんの様々な工夫のおかげで昔より減ったのかもしれませんが、それでも起こります。廃棄ボックスに捨てた針なのに、ボックスが一杯で針が突き抜けていたり。リキャップした際にブスッとしたり。またはキャップを開けようとして勢い余って刺してしまったり。
B型肝炎やC型肝炎など血液感染するウイルスを持っている患者であった場合、確率は低いものの感染してしまう場合があります。症状がなくてもキャリアになってしまったり、ひどい場合には劇症肝炎を発症して忽ち命にかかわることもあります。不運にも、再生不良性貧血になった人もいました。
そんな恐い針刺しをどう防ぐか。事故防止マニュアルは院内でそれぞれあると思うので、ここでは私が実践していた予防法を簡単にお伝えします。
指さし声出し呼称
「リキャップ無用、廃棄ボックス持参ヨシ」
「注射・採血時、手袋着用ヨシ」
「廃棄ボックス、8割廃棄ヨシ」
とりあえず念仏のように唱え続け、身体に染み込ませます。急いでいる時こそ念仏です!
採血を分注する時はキャップを開けて
真空管で1本ずつ採血をする場合はいいのですが、時にはシリンジに必要量採取して、スピッツに分注する事もありますよね。その時に起こりやすいのが、ゴム栓から針を抜いた拍子に自分の手にブスッと。そうならないためにもゴム栓自体を外して分注した方が良いと思います。
もし外せなければ、シリンジもしくはスピッツをゆっくり捻って針を抜いて下さい。
プロテクター着用
血液感染をするのは採血や注射など針を使ったものだけではありません。処置後の後片付けで血液が付着することも。
自分の皮膚に患者の血液もしくは浸出液がつかないようにエプロン・マスク・ゴーグルなど着用を徹底して下さい。
このようにプロテクターを有効に活用しながら、自分の身を守って下さい。
どうでしたか?いずれも一度罹ると恐い症状や病気なので、予防策を十分にとり膀胱括約筋がしっかりして、腰が曲がっておらず、少しぐらいのお酒もたしなめられるおばあちゃんを目指しませんか。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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