看護師にとって困った患者さんの実態
みなさんこんにちは!
看護師として働いていると、色々な患者さんを対応することになりますよね。
その中には、「どう対応したら良いのか、分からない」と思うような、困った患者さんもいると思います。
看護師に多い悩みのひとつ、困った患者さんの対応について、ご紹介しましょう。
困った患者さんにもいくつかのタイプがある
一口に困った患者さんと言っても、いくつかのタイプがあります。大きく分けて5つあります。
1.傲慢なタイプ
2.お手伝いさん扱いをするタイプ
3.自虐タイプ
4.お局タイプ
5.変に知識が豊富なタイプ
順に説明していきましょう。
1.傲慢なタイプ
特に生活保護を受けている人は、傲慢で文句を言う人が多い印象があります。
医療費は居住する市町村が負担するため、当然入院費もかかりません。
そういう人に限って無断外出して喫煙したり、コンビニで大量にお菓子を買ってきたり・・・。
自分がなぜ入院しているのか理解していない言動をとる方もいらっしゃり、こちらが当惑してしまうことがあるのも事実です。
2.お手伝いさん扱いをするタイプ
看護師をお手伝いさんとか、何でもしてくれる人と勘違いしている患者さんがいます。
例えば、お見舞いの家族が帰った途端にナースコールを頻回に押して、「完全看護って聞いているから、ずっとそばにいてくれ・・・」とせがむ方。
もう体はもう動けるはずなのに、「枕の位置を直して」「カーテンが動かない」と介助を頻回に求める依存的な方。
自分の業務と割り切って対応できる余裕があるうちはまだいいのですが、夜勤中でスタッフの数が少ない時に限って、頻回なコールが来た場合は困ってしまいます。
3.自虐タイプ
入院生活は医学的な判断に基づいた共同生活ですので、やはり守るべきルールというものがあります。
しかし中には、「自分はどうなったっていい」という理由から入院のルールを守らず、勝手な行動をする患者さんがいます。
例えば、安静度を守らず勝手にどこかへ行っちゃったり、食事制限があるのに自由に買っていろいろ食べてしまうとか。
禁煙を守れず、病院の玄関先や、中には病棟のトイレや個室内で喫煙してしまう方もいます。
このように病状を悪化させる行為をしておきながら、指摘されると怒り出す方(今風にいえば『逆ギレ』ですね)もいます。
4.お局タイプ
いろいろな病気にかかったことがある人は、同じ病院内でも違う科・違う病棟で入院する場合も多いです。
そんな患者さんの中には、違う病棟同士で対応の比較をし、例えば「あそこの病棟では、もっとちゃんとケアしてくれた。これで病気が悪くなったらどうするんだ」とクレームを言ってくる方がいます。
同じ病院内でも、科や病棟が違えば、ケアの仕方も多少なりとも変わってくることは少なくないのですが・・・。
5.変に知識が豊富なタイプ
知識が豊富すぎて、看護師の指示に疑問を投げかけ、指示に従わなかったり、逆に細かく指示してくるケースも困りますね。
例えば、4種類の目薬を5分以上あけてささなければいけない場合に、『あれ、5分以上あいていないんじゃない?』と言ってなかなか応じないケース。
あるいは、飲み薬で『絶対にこの時間に飲まなきゃいけないんだから!』と強く言われたり。
また、『薬を飲んで初めての症状が出たから、早く先生に聞いて!』と言われたり。
そういう方に限って、看護師がいくら大丈夫だと言っても聞かず、担当医師のひとことで従順な態度を取ることが多かったりします。
もうちょっと私たちを信用してくれたら、という寂しい気持ちにかられることも少なくありません。
困った患者さんはスタッフへの負担につながる
困った患者さんが何か問題を起こすとします。
もちろんこうした患者さんへの対応が、直接スタッフにとって心理的負担になるのは事実です。
しかしそれだけでなく、問題が起きると、それを発見・対応したスタッフは『インシデントレポート』という書類を書かされることも少なくありません。
これは患者さんへの直接的な被害にはつながらなかったものの、そういう事故につながる可能性があった事例について記載する報告書のことです。
このようなレポートが今後同種のインシデントを防ぐために必要だ、ということは重々承知しています。
しかしただでさえ通常業務で忙しいスタッフにとっては、言い方は良くないかもしれませんが、「患者さんの身勝手に付き合わされた挙句、余分な業務が増える」ということになります。
困った患者さんへの対応法
ではこのような困った患者さんに、うまく対応するにはどうしたらよいでしょうか。
患者さんはもちろん、すき好んで病気になったり、怪我をして、入院をしているわけではありません。
自由がきかなくなることで、その不満や不安を看護師の方にぶつけてくることもあるでしょう。
クレームの多い患者さんの場合、そうした患者さんの裏側の感情を探ることが大切です。
例えば、「家族に電話をかけたい」などと、何度もナースコールをしてくる患者さんがいたとします。
例えば、「もう遅い時間だから、電話は出来ませんよ」と頭ごなしに伝えたら、反感を買いかねません。
そこで、「そうですか、電話をしたいんですね」と何度も繰り返してみましょう。
こうして繰り返し話を聞くことで、患者さんにとっては「理解してくれている」と感じてもらえるかもしれません。
一方で、感情的になっている患者さんの場合はどうでしょう。
まずは、患者さんが何を考えているのかを探りながら、優しい声で「何かありましたか?」「何か、不安なことはありますか?」と声をかけていくのがポイントです。
このような態度が患者さんには「共感してくれている」「親身になってくれている」と感じられ、
不思議なもので、こちらが「この患者さんには問題がある」と決めつけてしまうと、その思いが患者さんにも伝わってしまいます。
困った患者さんに対応するには、まずその患者さんの心理を読み取り、肯定的な対応を行うように心がけることが大切です。
まとめ
以上、困った患者さんの傾向と対策について、私自身の経験をもとに記しました。
大切なのは「共感的な態度」「肯定的な態度」ではないかと考えます。
参考にしていただければ幸いです。
この記事を書いた人
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産婦人科病棟/内科整形外科の急性期病棟勤務
現在は2児のママで育休中。
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産婦人科病棟/内科整形外科の急性期病棟勤務 現在は2児のママで育休中。
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