患者さんにありがとう!
こんにちは、ミントです。
この記事を読んでおられる皆さんも新人時代があったと思います。
そんな看護師1年目に私を救ってくれた患者さん方のお話をしたいと思います。
夜勤はお土産でポケットいっぱい!
皆さんの白衣のポケットは何が入っていますか?
マジック、テープ、聴診器、メモ帳など、結構パンパンになりますよね?
今は便利なウエストポーチなどありますが、私の新人時代は今から19年前。
そんな便利な物はありませんでした。
夜勤の巡回に廻る時は特に何があってもいいようにポケットはパンパンでした。
そして、心も不安な気持ちでパンパンでした。
そんな私の心を癒してくれたのが患者さんでした。
特にお年寄りの患者さんはお世話になっている、という意識が高いのか、巡回の時、起きていらっしゃると「夜遅くに大変だね。」と声をかけてくださる患者さんが多かったです。
そんな中でも「よく頑張ってるから、これ、分からないようにポケットに入れとき」とティッシュにお菓子を包んでくださる方も多くいらっしゃいました。
中にはリンゴ丸ごと1個、無理やり私のポケットに入れようとされる方も(笑)。
なかなか断れず、そのままナースステーションに戻る事もしばしば。
先輩看護師は私のパンパンのポケットと左手に持ったメロンを見て「…どこに買い物に行ってきた?」と言いました( ´艸`)
でも、患者さんの優しさに触れ、何が不安で不安パンパンの心になっていたのかが冷静に分かりました。
それは、何かあったらどうしよう、私は対処できるのか?という不安だったのです。
じゃあどうすればいいか?私はそんな優しい患者さん達を何かあった時、救える看護師になる!こと。
そこから私の更なる勉強が始まりました。前を向けたのです。
「ホントはガンなんでしょ?」
現在はガン告知は当たり前になっていますが、私が新人時代は本人に知らせる事はタブーでした。
そのため、ガン患者さんには胃潰瘍で手術、良性の腫瘍で手術・治療です、などと伝えられていました。
しかし、どんどん衰弱していく自分を一番分かっているのは患者さん自身。
看護師としても接する時、嘘をつくことが辛かったですね…。
そんなガン患者さんが一番看護師と話せる時間が夜勤の巡回。
私はそんな患者さんの部屋を訪室する時は「どうか寝ていてください!」と心の中で願っていました。
しかし、不安を抱え、悶々としている患者さんは眠れませんよね。
そこで新人看護師が一番受ける質問が「私はガンなんでしょ?」という直球。
決して「そうです」とは言えない、嘘の答えを返さないといけない瞬間。
私はスタッフや家族と決めた病名を答えるのです。
「じゃあ、いつ治るの?」「なんで良性の腫瘍なのに手術もしないでこのままなんですか?」など、日中には言えない不安や怒りが噴出してきます。
それでもみんなで統一した答えを返す。本当の事を悟られないように。
噴出する不安や怒りは聴くしかない。逃げちゃダメだ!
そう思い、時間をかけて話を聴き、骨転移で疼痛のある部分をさするなど、できる事をする私に患者さんはスッキリしたのか「私も辛いけど看護婦さんも辛いね。こんなに自分の思いを話たのは初めてかも。聴いてくれる存在って大事だから、ミントさん、他の患者さんの話も聴いてあげてね」
と最後は私が励まれました。
それ以来、ガン患者さんに対する時の「逃げない」という気持ちが強くなり、重たい気持ちが少し楽になりました。
「宝だよ」
ある心不全患者さんのお話。
長期入院治療、DCMのため、手術もできない患者さん。
入院が長いせいか、看護師それぞれの事を良くご存じでした。
自称、「人間観察のプロ!」だとか( ´∀` )
そんな患者さんがある巡回の時に起きておられました。
「あっ、ミントさんが夜勤なんだね。半年仕事してみてどう?」といきなりの質問(*_*;。
実はその時期、一緒に入職した大卒の同期と比べられたり、プリセプターがあまりにも仕事のできる人で、出来ない私は自分を追い込んで辛い時期でした。
それを見抜かれた感じ。
私は「なかなかFさん(プリセプター)のようにはなれなくて…」
とぽろっと話してしまいました。
すると聞いていた患者さんが「色んな看護婦さんを見てきたけど、みんな良いとこ悪いとこあるもの。仕事はできても気持ちが伴わない人もいる」
「ミントさんは気持ちはしっかりある、優しい看護婦さんよ。あとは経験。若いミントさんのような人は患者にとっても宝だよ」
と頭を撫でてくださいました。
よく考えてみれば入職半年で経験6年目の看護師と同じ事ができるわけがない。
私はこのままでいいんだ、と心が軽くなりました。
まとめ
新人看護師の時に体験した患者さんとの関わりは、その後の私の看護師人生の大切な土台になりました。
特に新人・夜勤とくれば日中には忙しそうで話しかけにくいベテラン看護師より患者さんは自分の気持ちを話しやすいのでしょうね。
そんな夜の会話の中から、たくさんの元気を逆にいただきました。
若かった私・技術も未熟で自信のカケラすら持てなかった私に「これでいいんだ」と思わせてくれた患者さん達。
心からありがとうございました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました☆彡
この記事を書いた人
- 看護学校卒業後、県立病院胸部外科病棟に就職。3年勤務し育休2年取得。年子で子供2人出産し、OP室復帰する。(その間、ケアマネージャーと福住2級取得)上の子が1年生になるのを機に特養に転職。3年目で交通事故に遭い、躁鬱病になり退職。直ぐに総合病院OP室に勤めるも短期間で退職。以後、脳外科病棟、ICU、皮膚科クリニック、特養立ち上げ、整形外科専門病院、老人病院、透析専門病院と転々とするも躁鬱病もあり長続きせず今は看護師お休み中です。
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