ナースはつらいよ

保育園ナース~健康教育~

みなさん、“健康教育”とはなにか、ご存知ですか?

お子さんがいらっしゃる方や、保育園勤務されたことのある方、教職員の方はご存知かと思います。

広く定義すると、“健康教育とは、心身の健康の保持増進を図るために必要な知識及び態度の習得に関する教育をいうもの”(文部科学省HPより)を指します。

小・中・高校生に行われる健康教育の内容は食事、喫煙、ドラッグ、メンタルヘルスなどのテーマが多いイメージですが、未就学児(幼稚園、保育園)では、またすこし違ってきます。

私が、はじめて保育園に勤務した時に行った健康教育や、それについての経験を今回は書いていこうと思います。

人生初の健康教育

私が、はじめて保育園の看護師として入職したのは8月1日、季節は真夏でした。

「じゃあ、Chuckyさん健康教育は来月からでいいからね。」

いきなり、園長にそう言われ頭の中はハテナでした。

恥ずかしながら、健康教育とは何かを私は知らなかったのです。

慌てて、文献やインターネットで情報を集めました。

インターネットだけでもたくさんの情報が出てきましたが、私は9月の運動会前ということもあり“熱中症予防”というテーマをチョイスしました。

子供向けの指導は病棟でもやっていましたが、集団を相手に教室を開くのは初めてです。

こんな内容、5歳の子供たちに理解できるかな?

いかに要点を抑えられるか、いかに子供たちを引き込むことが出来るか、が教室を行う上で鍵となります。

私は、保育士さんたちにも一部協力してもらい巨大紙芝居を作りました。人形を用いて恥を捨てた寸劇も入れ込みました。

子供たちは・・・

うーん・・・正直、イマイチな反応でしたね。私は初回の健康教育はあまりいい手応えではありませんでした。

失敗から学ぶ健康教育のポイント

私は初回の健康教育の失敗から、“どうすればもっと子供たちを引き込めるか”を考えました。

子供に求めるものは「理解」ではなく「気付き」

→園児向けの、健康教育では教えた内容を理解させることよりも、“あっ、僕(私)は、できてない!”と気づかせることを目標にすると達成しやすいでしょう。

導入がうまく行けば子供たちは引き込める

→先手必勝と言いますか、導入で子供たちの心をつかむことが大切です。例えば、行事前なら行事のことを盛り込んで、流行りがあるなら流行りに乗って行うのがいいでしょう。

自身で考えさせる内容にする

→「〇〇です、〇〇です。」と示し導くタイプの説明よりも、「〇〇はどうかな?〇〇って知ってる??」
と、問いかけていくことで参加型のたのしい教室が出来上がります。

クラスカラーを見つけて、取り組み方を変えること

→学年やクラスによって、かしこまった話し方をした方が集中できるのか、くだけた話し方をした方が集中できるのかが違ってきます。
そのクラスカラーを見極めて話をはじめるといいでしょう。

私が1年間で行った健康教育の一覧

私は1年間を通して5歳児クラス向けに健康教育を行いました。頻度は保育園で決められた月1回程度です。

以下一覧
春・・・早寝早起き、耳を大切にすること(3月3日耳の日)、小学生になるにあたっての生活リズム
夏・・・熱中症予防、プール遊びのキケン
秋・・・ケガの予防、目を大切にすること(目の愛護デー)
冬・・・手洗い・うがい、咳エチケット、鼻かみ方法、インフルエンザってどんなもの?

結構、たくさんの内容にチャレンジしてみました。“どれだけ理解することができたか”にはあえてこだわらず、“園児がどれだけ真剣に話を聞いてくれたか”で、やった意味を図りました。

まとめ

こうして見てみると、健康教育って意外と奥が深いですよね。

そしてひとり職場の看護師さんはなかなか同僚にも相談しにくい・・・。

私もまだまだ研究中ですが、園児達の“あっ、わかった!”という顔を見るために今後もはりきっていきます。

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