ナースはつらいよ

夏風邪と思っていたら夏型過敏性肺炎

私は高齢者施設で働いています。

夏になり暑くなりエアコンをかける時期になると、食事量がいつもよりちょっと減って、決まって夏風邪をひく80代前半の利用者Bさんがいました。

平熱と微熱を繰り返し、咳が1か月以上続くのです。

やがて呼吸時にヒューヒューと喘鳴が聞かれ呼吸苦をともなうようになります。

喘息?なのかもしれないと医師は、気管支拡張の経皮テープや喘息時の吸入や去痰剤を処方して下さるのですが、それでも咳が続きました。

医師は、高齢者だからまぁ「仕方ないでしょ」と様子を見ていたのですが、ご家族のご希望で病院受診をしました。

検査をすすめたところ夏風邪ではなく夏型過敏性肺炎と診断され入院となりました。

そこには、意外な原因が潜んでいたのです。

意外な原因

夏のエアコンを使う時期におこる肺炎を「夏型過敏性肺炎」と言います。

主にトリコスポロンという種類のカビが原因です。

そのトリコスポロンというカビの胞子を知らず知らずに吸い込みアレルギー性肺炎となるそうです。

しかし、Bさんの居室を見渡してもカビは見当たりません。

施設なので、お風呂場や台所、トイレなど水回りもカビが生えないように日々掃除をしています。

医師にもそのことを伝えるとエアコンではありませんか?と指摘されました。

施設では、エアコンフィルター、年に1~2回しか行っていません。

もしかして・・・・・というより明らかにエアコンしか考えられません。

しかもエアコン内部なんて施設開所して以来掃除をしていません。

フィルターをきれいにしてもエアコンを使わない間に内部にカビが発生するそうです。

 エアコンを使い続けていると、エアコン本体から水滴が垂れてくる事がありませんか?

これはエアコンの故障ではなく、エアコンから出る冷気と室温の差が結露を作ってしまうからです。

エアコンの設定温度が低過ぎる場合によく起こる現象ですが、実はこの時エアコン内部にも結露が発生してしまいます。

しかし外側からは内部の状態が見えないので、結露がたまってもそのまま見過ごしてしまいます。

また、エアコンだけではなく、天井や押し入れ、家具の隙間などでカビが繁殖することもあるそうです。

通称「隠れカビ」と呼ばれています。

私の施設は、入所時は皆、自宅で使っていた家具を持ってきて、入所してからずらして掃除をすることなんてありません。

時には、居室のトイレに使ったオムツを投げ込んでは詰まってしまい水があふれだし、タンスの下まで水浸しなんてこともあります。

もしかして、タンスの下はカビているのかも・・・と恐ろしくなりました。

施設に戻り、Bさんの居室をくまなく掃除してみると、なんとタンスの間と下にはカビが生えていました。

これがエアコンの風に舞っていると思うとぞっとします。

入所して5年になるので、ご家族がエアコン掃除を専門業者に依頼し、内部まで掃除してもらいました。

エアコン掃除の専門業者によると、健康のためならば年1回の内部の掃除が必要であり、それができないのならば5年おきにエアコンを買い替えたほうがいいと教えてくれました。

しかも市販のスプレー式のエアコン内部洗浄もやり方を間違えると故障の原因となったり、さらにカビが増殖してしまうそうです。

細菌やウイルス性の感染症肺炎と比べると高熱は出にくいそうです。

熱がないからと、風邪薬や咳症状を軽減するための内服で様子をみていてはいけません。

カビの胞子が肺に入り込むと、そのまま肺の中で増殖していきます。

症状が悪化し呼吸困難を起こしたり、慢性化し炎症により肺の粘膜が厚くなりCOPD(慢性閉塞性肺疾患)となる人もいるのです。

カビが原因の肺炎は慢性化しやすく、慢性化すると完治が難しいと言われています。

夏型過敏性肺炎を早期発見するには

次のような症状や状況がみられたときは、夏型過敏性肺炎を疑って受診しましょう。

受診の際は、医師に症状や状況を説明しないと夏風邪や喘息と間違って診断されることもありますので注意しましょう。

  • 旅行などで数日外泊すると治る
  • 毎年、夏になると咳が出る
  • 風邪薬であまり改善しない
  • エアコンを使う時だけ咳が出る
  • 呼吸がしずらく喘息のような症状がある
  • 咳だけが長く続く
  • 職場や家庭で、同じ場所にいる人も咳に悩まされている

予防のポイント

最近の気密性の高い住宅では換気を怠ると簡単にカビが生えてしまいます。

そこで、いかにカビを発生・繁殖させないかがポイントとなります。

  • エアコンは冷房後、1時間ほど除湿や送風にしてから停止する
  • 調理中は必ず換気扇を使い調理後もしばらく回す。
  • 家具の裏側に5センチぐらいの隙間を空ける
  • 朝、夕必は、必ず窓を開けて換気する
  • 風呂の水は溜めておかないで上がったらすぐに排湯をする
  • 空気清浄機を使う
  • エアコンの風向きを下向きにしずぎない(結露が発生しやすくなります)
  • 自動掃除つきのエアコンを買う
  • 加湿器・エアコン掃除はまめにする(埃がカビの栄養源になることもあります)

さいごに

肺の組織は一度破壊されると再生できませんので夏風邪だと思いこむことは危険です。

ナイチンゲールが看護覚え書きで説いているように、健康には、新鮮な空気、換気、環境整備が重要なんだとシミジミと感じた症例でした。

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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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