こんなオバタリアンナースにはなりたくない!
オバタリアンという言葉が死語になりつつあるので、まずはオバタリアンという言葉の説明をします。
日本語俗語辞典を参照にして説明すると「おばさん」と1986年公開のゾンビが大量発生するホラー映画「バタリアン」から成る合成語で、羞恥心がない・図々しい・無神経といったおばさん特有の要素を持つ中年女性を意味します。
漫画家の堀田かつひこの4コマ漫画が元ネタで流行語になりました。
数か月前よりオバタリアン実写版のような50代の看護師が私の職場、特養に入職しました。
十年以上看護師をしていますが、こんな看護師に出会ったのは初めてで衝撃的です。
オバタリアン症状3原則そのもの
漫画「オバタリアン」が単行本のカバーに「オバタリアン症候群とは何か」という3原則が載っていました。
それに沿って起こったできごとを書いていきたいと思います。
「図々しくなれる自分が嬉しい」
どの利用者にもあいさつも自分の自己紹介なく話しかけます。
居室に入るときは、ノックをせずいきなりズカズカ入っていきます。
挨拶なくどこにでも入っていくためのため、当施設の看護師とはわからず(制服がなく私服の職場です)利用者だけでなくスタッフも不審者ではないかと初めて会う人に不安を与え続けています。
自分が良かれと思っていることは、入居者の気持ちを聞かず、スタッフの忠告も聞かずケアを勧めていきます。
ある日、刺激を与えて認知症を予防しなければと、嫌がる入居者を1時間も炎天下の中お散歩に連れまわし入居者がへとへとに戻ってくるということがありました。
しかも、散歩をしている所を施設の窓から覗くと、信号無視をして車が近づいてきても気にせず道路を渡っていくし、ボール投げをしている子供の間も全く気にせず堂々と通り抜けていくのです。
そんなことには気づかず入居者にとって自分は良いことをしたと満足そうに散歩に行ってきたことを話します。
そして、エレベーターに乗るときは、降りる人のことを待てずに突進してきます。
誰に教わるのではなく日本人として当たり前の礼儀もオバタリアンには通用しないようです。
そのような事実を伝えして丁重に気をつけるように注意をしても自分が納得いかなければ従いません。
「羞恥心がなくなっていくことと自信がつくことの区別がない」
お世辞でも似合っているとは言えない、どこで見つけたのかと首を傾げ目を疑うようなど派手な柄の服を着てきます。同じ職場の仲間とは思われたくありません。
外に聞こえるような大きな声で介護職と言い合いをします。
介護職がいつもこうすると○○さんは喜ぶ、寒がりなので外へ出かけるときは上着を羽織らせてくださいなどアドバイスをすると、なんと「うるさい!あっちいけ!」という信じられない言葉が返ってきたのです。
そして、いつもにこやかな介護職スタッフがキレるところも始めて見ました。
臀部の褥瘡をみて「赤チンキを塗って」と介護職に堂々と指示をしています。
赤チンキを売っているのですら見ない時代なのに・・・若い介護職員は意味が分からず呆然と立ち尽くしていました。
あ~同じ看護師として恥ずかしい!そして介護スタッフに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
「何であれ自分を正当化し続ける」
入居者に薬を飲ませようとして「勝手なことをするな!」とオバタリアンナースが叱られています。どうしたのかと聞くと、「薬が苦くて飲むのが嫌なのね」とのこと。
近くにいた介護職達に聞くと、「いつもはこのような方法で飲ましていますと教えたのに聞かず、しかも立ったまま入居者さんを見下ろすようにして薬を飲ましたんです」が事実でした。
自分の都合の良いように解釈しすぎです。
そして極めつけは、「あなたは、誰にでも従って生きてきたから認知症になったのよ。そういう人がなりやすいのよ。」と、入居者に向かって話しているのです。
その入居者は、ショックな面持ちで「ハイ」と返事をするのが精一杯でした。
いつも物忘れをしていることや少しずつ自分ができなくなっていることを気に病んでいる方に、いきなりの認知症告知をするとは(-_-メ)
それには黙っていられず「言われた入居者の気持ちを考えるように」と即座に注意しました。
すると、「知らなかった。介護職に話しているつもりだったの。聞こえていたのかしら」と、はたまた耳を疑うような発言が聞かれました。
これは氷山の一角に過ぎず、様々な暴言を介護職から聞き注意をしても自分を正当化します。
そこで私は一昔前の他施設での事件を思い出し、「入居者の家族が、こっそりと盗聴器を仕掛けていることがあるんですよ。それで訴訟になった職員もいますから気をつけたほうがいいですよ」とオバタリアンナースに脅しをかけました。
この脅しが効いたのか勝手な暴走が以前よりなくなりました。
入居者・介護職の機嫌を必ずといっていいほど乱すので、あまり現場に行かないように、内服のセットを頼むことにしました。
すると、注意すべき点を具体的に教えたはずがまるで聞いておらずセットミスの連発です。
その上、パッケージ化されている水薬の真ん中に他の薬をホチキス止めするものですから、ホチキスの穴から水薬が漏れていたのです。
指摘すると、「老眼で見えずらくて、ごめんなさい」と謝ってきました
私は、「年齢を言い訳に使うなー!だって刺繍が趣味だって言ってたでしょ( `ー´)ノ」と心の中で叫びました。
そうして時は経ちオバタリアンナースから学んだこと
でも自分の母親も実はこんなものかもと自分に言い聞かせながらどうにかやってきましたが、あまりにも現場の苦情が多いため解雇にして頂きました。
私も気づけばあっという間に、中年と言われる年齢に差し掛かってきたので他人事ではありません。
同僚とこんなオバタリアンナースにはなりたくない!と反面教師にしました。
誰でも年をとるにつれて羞恥心が減り図々しさが少なからず出てくるものです。
開き直ることなく世間のお荷物にならないようにわが身を振り返り常識的な行動に心がけましょう。
また、採用においては、施設では病院と違い看護師が判断しなければいけないことが多く経験を重要視しがちです。
しかし、経験から何を学んできたのかということや人間性を重要視して採用を考慮していこうと思いました。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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