ナースはつらいよ

急変時に落ち着いて対応できるようになった理由


看護師になってまだ経験が浅い時は、急変時になるとどうにかしなければという思えば思うほどテンパってしまい動けないものです。

上手く指示出しをしてくれる医師や、他看護師がいれば助かりますが、いつもそうとも限りません。

その都度自分の仕事のできなさを悔やみ、振り返りをしたり知識を身につけたりして次こそはと思うのですが・・・・やっぱりテンパってしまうのです。

そんな私でも今は人並みに落ち着いて急変時にのぞめるようになりました。

そこでどのようにして急変時に落ち着いて対応できるようになったか私の体験談をご紹介します。

反面教師で冷静になる

次に紹介する医師に出会い様々なエピソードを積んだのがきっかけとなりました。

エピソード1

地域の2次救急を担っている一般病院の内科外来に勤めた時のことでした。

午後や休日や祝日は急患対応にあたっていました。

ある日、50代前半の新しい内科医長K医師が赴任してきました。

経営者タイプのいつも自信に満ち溢れたタイプの医師でした。

ある日、肺がんで定期受診の患者さんが、咳が出て苦しいと受診しました。

その患者さんが診察室に入ってしばらくすると喀血したのです。

SPO2は、91%に低下し咳が止まらなくなりました。

すぐに酸素を投与しました。

その時K医師は、慌てて「救急車!救急車!」と叫ぶだけです。

病院なのに救急車ってどういうこと?と思うでしょう。

K医師は、当病院は2次救急の対応でERがないため、そう判断したようです。

救急車を呼んだことを報告した後も、患者が何度か喀血したことに驚き「救急車に全力でこっちに向かうように連絡して」という有り様です。

先輩ナースは、K医師に聞こえないように「救急車は全力で来るに決まってんじゃん。そんなことで電話するなんてバカバカしい」と言い苦笑していました。

いつも自信満々なことが多いK医師の慌てぶりに白けてしまい、かえって自分が冷静になれました。

エピソード2

外科医で急変が起きた時、気管内挿管や動脈ラインの確保など上手くいかないと必ず看護師のせいにする医師がいました。

「お前の(物品)の渡し方が悪い」「お前の立っている位置が悪いからよく見えない」「お前が早くしないからだ」などいちゃもんをつけて怒鳴り散らします。

小心者の私は、怒鳴られるたびにビクビクしていました。

しかし、他の看護師が、適切な介助をしているにも関わらず怒っているのを見て、ただの八つ当たりに過ぎないということが分かりました。

救急隊の方にすら、あんたたちの初期対応が悪かったのではないかといちゃもんをつけていてあきれてしまいまいました。

こんな先生の八つ当たりでビビッて動けなくなる自分が馬鹿らしくなってきたのです。

この2人の医師の急変時のエピソードを挙げていたらきりがありません。

これは、ほんの氷山の一角に過ぎません。

2人の医師からは、反面教師で急変時に感情的になって行動すると、周りのスタッフにも悪影響を及ぼし適切な処置が遅れててしまうことを痛いほど学びました。

自分のエゴが邪魔していた

叱られたり怒鳴られると、すぐに落ち込んでしまいます。

落ち込みすぎて思考が停止してしまうことがあります。

そして、患者のためというよりも「怒られるのは嫌だな」「怒られないようにしよう」と思っている自分に気づきました。

「分かりません」というと「そんなこともわからないの!」と激を飛ばされると、怒られるからわからないことを聞くことすらためらっていたことすらありました。

「怒られるのが嫌、怖い」というのは自分のエゴに過ぎません。

聞かないで物事をあやふやにしておくことで、患者さんが重大な状態に陥る可能性があり、または事故に繋がったりすることが分かったからです。

「患者さんの命を救うために」という原点に戻り、「怒られてもわからないことは聞き確認する」「急変時は落ち込んでいる時間がロスタイムになるから次に進もう」という思考に転換しました。

思考転換したことでだいぶ打たれた強くなりました。

ドラマを利用してイメージトレーニング

知識を取り入れるだけでは動けません。

知識を取り入れるだけでなくイメージトレーニングすることを強くお勧めします。

様々な場面を想定し具体的にイメージトレーニングをするとこういう時はどうするんだっけ?という疑問が浮かんできては、解決に臨みます。

すると、徐々に急変時に動けるようになってきました。

私は、当時、流行していた米国のTVドラマ「ER」をよく見てイメージトレーニングをしていました。

そして、「ER」を自分が働いている病院の医師や看護師におき変えたらこういう時どういう言動をとるのか想像し独自のドラマを作り上げていました。

普段のスタッフの特徴を観察し捉えるとこの想像はかなり楽しいものです。その中に自分を登場させると、自分の立場に気づくことがあります。

そして、今ではすっかり想像癖がついてしまいました。

さいごに

経験を積むことも必要ですが、それよりも冷静に客観的に自分を見つめることが大切になるのかもしれないと最近よく思います。

失敗したり辛い経験を振り返り自分のエゴを見るのは、大変なことかもしれません。

でもその先には必ずステップアップする鍵があると私は信じています。

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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