ICUで出会った個性的な患者様
皆様にとってICUとはどのような場所だと思いますか?
暗くて、閉鎖的で常に忙しそう?
まったく違います!といいたいところですが、大半当たってます。
私が勤めていたICUではモニターの音が常に響く静かな場所でした。
そんな場所でお会いした個性的な患者様についてお話ししたいと思います。
脳外科手術後の患者様
脳腫瘍にて開頭手術を行った患者様の話です。
ドレーン挿入され安静指示の出ている方でした。
麻酔も覚醒しており、ある程度話のできる状態だったため世間話をしながら業務をこなしておりました。
その日担当した際は夜勤で夜中の11時過ぎていたと思います。
「なかなか寝れないねー」なんていいながらベッドサイドにあるパソコンで業務をしていると、いきなり「あ、そこに子供が遊んでるから気を付けてね。」と足元を指さしながら笑いかけてきます。
(;´・ω・)<え?子供なんておりませんけどーーー…
と思いましたがそこは「またまたー」なんていって誤魔化しましたが、あとあと先輩に話を聞くと、私の勤めていたICUでは脳外科の手術を受けた患者様は必ず、子供が見えるようになるということでした。
その患者様は1週間程度ICUに入院した後、一般病棟に転室されましたが、ICUで子供を見たということは覚えてないというのです。
頭を触られて薬入れられていたら見えないはずのものも見えるし、覚えてることも忘れてしまうのかなと思い込むことにしています。
だって、自分の職場に見えてはいけないものがいるっていうのは、それだけで夜勤しにくいじゃないですか…
まぁ、そんなことは信じてないですし、幸い見えないので良しとします!
認知症の患者様
認知症といいましても、骨折していたり、麻痺をしている患者様もいます。認知症と何かを併発している患者様がICUには入ってきます。
認知症患者様の本領が発揮されるのはやはり夜勤帯です…
「おーい、だれかー!!!」
大声で呼ぶ声がするので訪室すれば、一面血の海…
抑制をすり抜け点滴自己抜去をしてくれているではありませんか!
どうしたのか聞けば、
「もう家に帰る時間やから帰るんよ。タクシーを呼んでくれ」
なんて言われちゃって。
認知症の方ですからもちろん入院していることなんて理解してくれるわけもないので、今日はもう遅いからタクシーが来ないと伝えれば
「歩いて帰るから大丈夫だ」
なんて言われれば、どこに帰るのか聞いてみるも住所は知らないといわれる。
(;´・ω・)<あなたはいったいどこに行くのだ
なんて思いましたが、それは心の奥にしまい込み、その患者様には泊まってかえってもらうように伝えこっそり点滴を入れ替え先生の指示のもと眠剤をフラッシューーーーー。
すやすやと寝てくれればこっちのもの!あとは日勤さんが来るまで寝てもらって後のことはお任せで(笑)
認知症の方はほとんどの方が家に帰りたがる傾向にあるように思います。
それは帰巣本能的な何かなのかな?と思ったりして。
ICUであればすぐそこに看護師がいるからいいものの病棟だと本当に大変だなーと思う患者様でした。
認知症の方は抑制なんてあってないようなものなんですよね…
認知症恐るべし☆☆
人工呼吸器の患者様
この患者様の場合は、鎮静をかけていたので動くことができなかったため個性的だった家族の方の話をします。
患者様は脳梗塞で倒れICUに来られました。意識は戻らずなかなか回復しない状態が1か月以上続いたときにあった出来事です。
ICUは本来、本当に近しい身内で、お子様は入れないという決まりがありました。
その方の家族は熱心で欠かさず毎日来られていました。いつも一人で来られる方でした。
しかし、その時は2人で来られ面会時に書く名簿には姉と書かれていました。
姉と書かれたその風貌は明らかおかしな感じ…
本当に姉か?なんて思ったりしましたが家族関係にはあまり干渉しない決まりはありましたので何も聞きませんでした。
勤めていたICUはカーテンで区切ることはできますが、何かあったとき看護師にすぐわかるようにということで監視カメラが付いていました。
なんだか怪しい雰囲気だったので監視カメラで様子を伺っていると…
Σ(・□・;)<えーーーーー、なにしてんのーーーー!
なんと、数珠のようなものを取り出し塩のようなものを振りまいています!
一緒に見ていた先輩看護師も見慣れぬ光景に目を奪われているようでした。
しかし、ここで何をしているのか!と注意することができませんでした。
家族の方がなかなか回復しない患者様を助けるために行ったことなのだと…
気持ちはわからなくもないが、一言こちらに断ってからしていただきたかった…
藁にもすがる思いでの行動、しかし、その後振りまかれた塩は私たちが片付けることになったのは言うまでもないでしょう…
お祓いで少し、しょっぱくなった患者様でした…
最後に…
上記に書きましたことは私の勤めていた病院での出来事です。
院内のシステムについては多種多様あり、思うこともたくさんあると思います。
それも含めて個人的な意見の一例だと思って笑っていただければと思います。
大変な職種だと思う今日この頃…
手に負えないことも時にはあると思いますが、負けずに頑張っていきましょう!
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
以上!
この記事を書いた人
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20代、女性。
看護師歴5年目ではありますが、いろいろな部署を経験しています。
仕事中は神経質な面もありますが、家に帰れば大雑把な性格。
一つのことに集中すると一心不乱に突っ走ります。
血液型はA型!好きな食べ物は和食!料理大好きドタバタ看護師です!
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