回復期リハビリ病棟奮闘記〜準夜勤編〜
回復期リハ病棟奮闘記、これまで2回に渡り日勤業務について綴ってきましたが…
今回は準夜勤編です☆
早めに準備して、緊張感に慣れておく!
私のいた病院の準夜勤は16時30分から翌日0時40分まででした。
他の看護師は大体16時頃に病棟に到着して準夜勤開始までに準備しますが、私は15時30分には病棟に到着していました。仕事開始までに、その日の夕食後薬・就寝前薬を準備するのですが、時間的な余裕がないと気持ちも焦ってきて、薬の間違いにも気づけないような気がしたので、時間に余裕を持とう!と思い、早めに到着するようにしたのがきっかけでした。
内服薬の準備が終わったら、準夜勤で実施する点滴や注射の数や時間をおおよそチェックして、電子カルテで事前に可能な限りの情報収集をして、準夜勤開始まで過ごしていました。電子カルテでは、自分の中で要注意と思っている患者様の直近の状態や、当日の新規入院・転入の患者様の疾患・状態を主に情報収集します。内服薬の準備以外は、準夜勤開始後に出来ることでもあるのですが…
病棟勤務の看護師さんには共通のことだと思いますが、準夜勤って、消灯前までとにかく忙しいですよね!
私は自分の能力に自信がなかったので、忙しさの中で必要なことを見落としてしまうのではないかと、とにかく恐怖感がありました。
そこで、事前に出来ることは全てやって、ある程度仕事の運びを頭の中で組み立ててから仕事に臨むようにしていたのです。鬼のような忙しさ・準夜勤独特の緊張感が、初めの頃は大嫌いで逃げ出したかったのですが、時を重ねるにつれ、「気持ちも体も事前に充分整えておけばいいんだ!」という考えに達し、気づいたら早めの出勤をしていました(笑)
もちろん、頭の中で仕事の運びを組み立てていても、100%その通りに仕事が出来るわけではありません。
でも、ある程度の組み立てがあれば、何か突飛なことが起こっても、そう動じずにわりと冷静に動けるので、間違ったやり方ではなかったなと振り返ることが出来ます。(仕事が出来る人は、私みたいなやり方をしなくても大丈夫なんだと思いますが^^;)早めに準備をして、仕事の運びを組み立てて、そろそろ仕事が始まるぞ!という頃には、結構準夜勤の緊張感にも慣れて、いつでも走り出せる状態になっていました♪
申し送りを受けたらずっとスピード勝負!
いや、申し送りの時点からスピード勝負かも知れません(笑)
申し送りをしてくれるリーダーが、どれだけ簡潔に必要なことだけを申し送ってくれるかによって、動き出せる時間も違ってきますからね…。でも、申し送りが長引いても、その後の動きをスピーディーに出来ればあまり問題はありません。
私の病棟は、準夜勤・深夜勤のメンバーは1チーム2人で、1人は必ず看護師、もう1人は看護師か介護福祉士でした。看護師2人の夜勤だと看護業務も分担して出来るのでラッキーなのですが、勤続年数が長くなると、看護師2人での夜勤なんてほぼありませんでした(笑)
ということで、夜勤のメンバーによって動き方がだいぶ変わってくるのですが、ここでは看護師が自分だけの時についてお話しします。
申し送りが終わった後、配膳が始まるまでに看護師がやることは、
- 病室内での食事の患者様に挨拶をしながら最初のコミュニケーション
- 自力服薬可能な方に夕食後薬を配薬する
- 経管栄養の実施
- 血糖測定・食直前実施以外のインスリン投与
です。これらを15分くらいの間で全て行い、時間が余ったら、もう1人の夜勤者が行っている、食堂で食事をする患者様の誘導を手伝うと、あっという間に夕食の配膳時間になってしまいます。
ナースコール地獄が始まります
食事の時間は基本的には食堂にいる患者様の食事の見守りや介助を行い、食後薬の配薬・服薬確認をします。食事が済んだ患者様から、洗面所に移動して口腔ケアをして、手の空いている職員が口腔ケアの済んだ患者様を病室へ誘導していきます。
この辺りから、ナースコールの数は3倍くらいになります!
食堂で食事を終えた患者様が食後にトイレを利用することが多く、「トイレが終わったコール」が病棟内のトイレ全てで鳴り、病室で食事をしている患者様の中で、移動は自立しておらずトイレに行きたい方からの「トイレに行きたいコール」が鳴るのです。
食堂から病室へ誘導→ナースコール対応→別のナースコール対応→また別のナースコール対応→看護業務(点滴・経管栄養など)→食堂へ戻る…みたいな感じで、食堂から病室へ誘導して、すぐ食堂に戻られることはほとんどなく、病棟の端から端までずっと走り回りました。
気付けば19時…
17時40分頃から配膳を始めるのですが、食堂での食事を終えた患者様が全員病室へ戻る頃には、もう19時になっています。そこから息をつく間もなく、チームに分かれてそれぞれの病室をまわり、おむつ交換・更衣介助を行います。
おむつ交換はどこの病棟でも消灯前に行うと思いますが、なぜ更衣介助?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
回復期リハ病棟では、「日中は私服、夜間は寝衣」が基本です。
朝、患者様がお家で普段着ていらっしゃる私服に着替えていただき、日中はその服装で過ごし、夕食後に寝衣に着替えていただき、朝まで寝るのです。「着替えもリハビリ」という考えと、「出来るだけ家での生活に近づけて過ごして頂く(退院を見据えて)」という考えからです。なので、夕食後、それまで着ていた私服から寝衣への更衣介助をしているわけです。
これがまた結構大変で…全部こちらで介助するのではなく、出来ないところだけ介助するという鉄則もあり、出来ることは時間がかかっても見守って待たないといけないし、患者様のほとんどは自力で更衣が出来ないので、ほとんど全員の更衣介助でした。
また、おむつ交換も、「日中はリハビリパンツで夜間はおむつ使用」という方がいたり、「日中はリハビリパンツのみで、夜間は尿取りパッド使用」という方がいたりさまざまなので、「あれ?この患者様はおむつだっけ?」とかよく混乱しながら仕事をしていました。
1チームの患者様は30名ですが、おむつ交換と更衣介助で1時間程度かかります。
消灯時間までの1時間
消灯は21時。この頃にはナースコールの回数が少し落ち着きます。20時から21時の1時間で、患者様が安心して眠られるようにしなくてはなりません。
1時間の中で看護師が行う主な業務は、
- 状態の安定しない患者様のバイタルサイン測定
- 定時の抗生剤などの点滴類の実施
- 就寝前薬の配薬・投与
です。
点滴や配薬の順番など、きちんと組み立てながら行動しないと、点滴の終了や就寝前薬の服用が、消灯時間を過ぎてしまうことになり、患者様が安心して眠ることが出来ません。準夜勤の中で、最も時間の組み立てに気を遣う場面のように思います。
スムーズに終了すれば、消灯前に全てが終わり、記録が少し出来ることがあります。
消灯…ほっと一息☆
消灯後、やっとゆっくりな時間の流れになってきます。かなり忙しい時は無理ですが、まぁまぁ仕事運びがうまくいった場合は、21時から休憩に入ります。
ナースステーションで夜勤者全員で軽食を摂り、みんなで仲良くお話ししたものです。この間、ナースコールが鳴ると随時誰かが対応していきますが、消灯前とは違い、時間に追われたピリピリムードはほとんどありません。大体1時間程度休憩すると、記録整理を始めます。
ナースコールが鳴りっぱなしだったり、具合の悪い患者様がいたりして忙しい時は、休憩を全くとることが出来ないまま、準夜勤を終えることもありました…。
終わりが見える、気合いのおむつ交換!
23時30分頃から、最後のおむつ交換が始まります。準夜勤の終盤で、体はボロボロに近いものがありますが、終業時間が迫っていると思うと、最後のおむつ交換に気合いが入ります(笑)
おむつ交換が終わると、もう1人の夜勤者から申し送りを受け、深夜勤者へ申し送り、準夜勤は終了します♪
準夜勤編、ここまでです。
看護師の皆さまそれぞれだと思いますが、個人的には3交替の中で準夜勤が1番好きだったかなぁと思います。
準夜勤の最初の緊張感がなんとも言えず好きでした…変かもしれませんが^^;
緊張感と、ものすごい忙しさのピークが、まだ体力のある前半にあるので、気分としては「もう終わりの時間だ!」と時の流れを早く感じることが出来たのも、準夜勤が好きな理由のひとつですね。
長いお付き合い、ありがとうございました。
次回は、準夜勤の次に好きな、深夜勤編です!
よろしければ、またお付き合い下さいませ♪
この記事を書いた人
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総合病院、有料老人ホーム、地域包括支援センターでの勤務経験あり。
結婚し、現在は主婦。ケアマネジャー資格取得に向け勉強中。
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総合病院、有料老人ホーム、地域包括支援センターでの勤務経験あり。 結婚し、現在は主婦。ケアマネジャー資格取得に向け勉強中。
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