自分が働く病院に家族が入院!善し悪しドタバタ入院生活
この高齢化社会、自分の家族も入院が必要な病気に罹ってしまう事だってあるでしょう。そして、職場が実家から近ければ自分が働いている病院に家族が入院する事だってあると思います。
今回は、我が家のおばあちゃんが虫垂炎で入院した時の事をお話しします。
発症から救急受診!診断はまさかの?!
当時、と言っても2年ほど前ですが私の祖母は90歳。特に持病もなく、病院にかかるのは毎年夏に熱中症だと言って点滴をうけに行くときだけ。
病院に行く前にはきちんと化粧をして身だしなみを整えてから行くので、家族は半ばその熱中症でさえ半信半疑ですが。
ともかく、普段は人一倍元気なおばあちゃんがある朝早くにお腹が痛くなりました。夜中から痛かったようですが、朝6時になってから痛みに堪えながら嫁(私の母)に助けを求めて叫んだそうです。
「お母さんお腹が痛いー!」と。
母もこんな早朝に毛病を使うとは考えず、即隣で寝ていた父を起こし、車で病院に連れて行ったようです。
まだ6時過ぎなので、近くの病院は空いておらず、一番近くだった救急病院、私が勤めていた病院に行きました。
私はその日はお休みだったため、朝もゆっくり寝ていましたが、母からのメールで起きました。「おばあちゃん盲腸。担当医師◯◯先生、今救急」。なんて簡潔で分かりやすいメールなんでしょう。でも、ひとまず安心です。ただ、気になる点が…。
救急医師の担当が!さらには主治医まで知り合い!!
母からのメールを受け取り私は二つの点に驚きました。
一つは盲腸だという事。御年90にもなるおばあちゃんが今更アッペ…。大病で無くて良かったと言う気持ちと同時に苦笑いしてしまいました。
そして、二つ目は、担当医師!
まさかのその日救急で働いていたのが私の所属していた科の先生だったのです。まさかあの先生にお世話になるとは…。偶然の一致が良かったのかどうなのか…と思いながら、足早に病院へ向かいました。
救急に着くとその先生が。「おばあちゃんアッペみたいだけど、大丈夫そうよ。今外科の先生に引き継いだけど、外科の先生にもよーく言っておいたから」なんて笑顔で。
お世話になります、と言いつつも一体外科の先生に何を言ったんだ⁉︎と内心思いつつ、救急のベッドに。そこには横たわるおばあちゃんと水を飲ませている母の姿が。
そして、現れるは外科の先生。これまた知っている先生じゃありませんか。私が3年目ぐらいの時に研修医として病棟にきた先生。そして、個人的に皆んなで飲み会をした事もある先生。
今や外科医かと思いながら「よろしくお願いします」とペコリ。「いやぁ、◯◯のおばあちゃんだったんやな〜!、とりあえず点滴だけでいこうと思ってるから〜」と笑いながら一言。
これは家族へのムンテラですか?と思いながらも、まぁ話しやすい先生で良かったと思わんばかりの私でした。
スタッフに家族・親戚を見られる入院生活
そんなこんなで、入院したおばあちゃん。
最初の数日は痛みもありぐったりしていましたが、そうこうするうちにADLも回復し病棟内を散歩するまでになりました。
私達家族はそれぞれ1日のうちに誰かが見舞い、私の日課は仕事終わりに外科病棟にお見舞いに行く事となりました。
ある日には私の姉がお見舞いし、外科の主治医に会い、妹さんと似てますねと言われる始末。
半ば家族のお披露目入院となってしまったおばあちゃんの虫垂炎入院でしたが、順調かと思いきや、なかなか痛みが取れず、炎症反応も下がらないという事でついにオペとなりました。
結局オペが決まって翌日の22時過ぎに無事オペをし、しぶとく腫れていた虫垂を切り取ってもらえたという事です。
オペ後のおばあちゃんといえば、ADLが落ち寝たきりに近づくのではないかと危惧しましたが、うちのおばあちゃんに限ってはそんな事は一切ありませんでした。
大部屋に移るや否や、同室の患者さんと井戸端会議。同室の方の面会が来られたけれど、その患者さんはお出かけ中。「面会の人来たよー!」と病棟廊下を走って呼びに行く始末…。
元気になった姿を見て嬉しい反面やや恥ずかしさも伴いました。
無事退院、色々な面で落ち着いた日々
何はともあれ、無事に退院でき今ではアッペになる以前より食欲旺盛なおばあちゃん。これで100歳まで生きて下さいね、と心から思える毎日です。
そして、当初救急で診てくれた同じ科の先生、主治医をしてくれた外科の先生には会う度に「おばあちゃん元気?」と今でも言われる日々となりました。
その節は皆様に大変お世話になりました。今後ともうちのおばあちゃんをよろしくお願い致します。でした。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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