ナースはつらいよ

覗いてみよう☆精神科病棟のお仕事⑧~退院調整その1~

こんにちは、しまりんごです☆

シリーズ第8弾。今回のテーマは退院調整です。

一般病院での退院調整は、大抵、ソーシャルワーカーや、ケアマネージャーなどの職種が担っていて、看護師はあまりタッチしない現状がありそうですが、みなさんはいかがでしょうか?

精神科の場合でもやはり、精神保健福祉士という職種がメインになりがちな退院調整ではありますが、看護師の役割も大きく、一般病院よりは看護師の関与が多いといえます。

今回は2部にわたって精神科の退院調整って何するの?何が大変なの?そんな疑問にお答えできればと思っています☆

そもそも退院調整ってなに?

一般病院の退院調整って、介護認定調査の手配をしたり、施設を探したり、自宅の改修をすすめたり、自宅での療養に必要な医療機器などの手配をしたり、在宅で受けられるサービスの手配をしたり・・といった感じかなーと思います。

精神科でも、同じような退院調整は必要になってきます。しかし、精神科の退院調整は中身がとっても濃いです。

精神科の退院調整の一般科との違いは、周囲の人に受け入れてもらえるか、理解を得られるかということを調整しなくてはいけないことにあります。精神保健福祉士さんがメインで動いてくれる部分にはなりますが、具体的にお話していきます。

住むところを探す

精神科の患者様向けのグループホームというものは存在します。だいたい、精神科病院の法人が一緒に運営しているケースがほとんどです。しかし、政府は精神科の患者様を病院や施設ではなく、自宅で生活させたいという方針で動いていますので、病院もできるだけ自宅に帰すという方向で考えたいというのが現状です。

住むところを探すの、本当に大変なんです!まずは、お金の話。生活保護で生活している人も少なくないので、生活保護でも家賃が払えないとダメとか、障害年金は〇〇円だから家賃はいくらまでとか考えないといけません。それだけではありません。精神科の疾患があることを理解してくれる大家さんばかりではないので、話し合いや説得を重ねる必要がありますし、保証人がいなければ遠い親戚にでも保証人になってくれないかとお願いしたり、保証人がいらない部屋を探すことになります。

それだけでも大変なことは想像がつきますよね?それだけではないんです。すっごく大切なこと。それは生活するのに便利なところを選ぶこと。精神科の患者様、車の運転ができない方がとても多いです。免許を持っていても、生活保護の人は車を持てない決まりになっていますし、そもそも病気を持ちながら免許を維持することは難しいことです。

どこに買い物に行くのか?病院への通院はできそうか?作業所など日中活動の場から離れていないか?バス停や駅など公共交通機関は近くにあるのか?などなど考えなくてはならないことがたくさんあります。

もちろん、家族の住む家に帰るケースもあります。そのケースでも、本人や家族の不安を取り除けるように働きかける必要はあります。

日中活動の場の確保

精神科の患者様が退院する場合、できるだけ、生活の状況が把握できるようにしたいというのが基本です。服薬ができていなければすぐに症状が再燃し病院に逆戻りになりかねませんし、きちんと食べているのか、家事できているのか、トラブルはないかなどを見守る必要があるからです。

そのため、主治医から退院の条件としてデイケアへの参加をすることを提示されたりするケースも多いです。その手配をしたり、仕事をしたいという希望があるならばその人に合う作業内容であり通いやすいところに通所できるよう手配しなくてはなりません。

精神科訪問看護を入れていくケースもあり、その手続きなども必要です。家事援助が必要になる場合、介護申請してヘルパー援助の日程を組んだりする必要があります。

今回のお伝えした退院調整は、その多くを精神保健福祉士が担ってくれる部分ではあります。しかし、病棟の中で一番患者様を一番みているのは看護師なので、精神保健福祉士から患者様の状態を確認されたり、相談されたりすることは多く、ともに協力しながら進めていかなくてはなりません。次回お伝えする退院調整その2では、退院調整の中でも看護師が関わることが多い部分をお話しできればと思います☆

この記事を書いた人

しまりんご
育児花丸旦那さんと4歳の息子との3人暮らし☆専業主婦に対する憧れも密かに抱きつつ、常勤で走り続けるワーキングマザーです。趣味は楽器演奏と、映画鑑賞。最近は手芸店巡りが大好き。目指すは、なんでも挑戦する30代♪
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闘うワーキングマザー
しまりんご
精神科や緩和ケアなど経験がちょっと特殊!

育児花丸旦那さんと4歳の息子との3人暮らし☆専業主婦に対する憧れも密かに抱きつつ、常勤で走り続けるワーキングマザーです。趣味は楽器演奏と、映画鑑賞。最近は手芸店巡りが大好き。目指すは、なんでも挑戦する30代♪

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