患者さん生活習慣あるある‼︎〜若者編〜
入院される患者さんは子供からお年寄りの方まで様々ですが、今回は入院患者さんの生活習慣の特徴を年代別にまとめてみました。
科によってもそれぞれ特徴があるかと思いますが、ここでは私が働いて見てきた患者さんの特徴をまとめてみようと思います。
遅寝遅起き
まだうら若き10代の患者さん。言いかえれば若者です。若者達の特徴として最もよく見られるのが、ズバリ「遅寝遅起き」です。
病院の消灯時間は大抵21時前後かと思います。しかし、電気が消えたからといって素直に床につく彼等ではありません。いや、ベッドには入っているかもしれませんが、目は爛々と輝いているのです。そして、その目線の先には大概携帯電話が。その気持ち、よく分かりますよ。日中活動的に動き回った訳でもなく、体力消費とは程遠い過ごし方をしているのですから。安静が強いられていれば尚更です。結果、消灯時間からは携帯電話片手に数時間を過ごし、0時の巡視で「眠れませんか?」「いや、もう寝ます」みたいな会話を毎日するのです。
ここでは、携帯電話と言いましたが、テレビではなく携帯電話の方が圧倒的に多い傾向にありました。何故なら、大部屋で1人の若者が消灯後にテレビを見ていると、周りのご年配の患者さんから苦情がくる事があるからです。テレビの光が気になって眠れない!そうでなくとも睡眠薬を飲んでいるのに!なんて事を言われます。そんな事から、渋々見たいテレビを諦める、もしくはyoutubeなどで見たりなんかして携帯電話に移行するようです。
そして、遅寝の次は…そう、遅起きです。朝食が8時前後に来ることは知ってはいるが、目が開かないのでしょう。いや、それ以前に夜勤の看護師が廻ってくるけれど、お構い無し。だって夜更かししたから眠たいんだもの。そう、朝なかなか起きてくれないのです。
よっぽど熱や嘔気・嘔吐などの症状があれば別ですが、別段変わった様子が無ければ早く起きようという意思は感じられません。それもそうでしょう、学校に遅刻する訳でもなく、遅く起きて怒る相手もいないのですから。私だって絶対10時過ぎまで寝ると思います。
なので、朝の部屋廻りでちゃんと挨拶が出来る事を期待して行く事は出来ません。血圧が測りたいなら、「おはようございます。ちょっと腕だけ貸してね〜」なんて小声で話しながらササッと済ませます。当然彼等の目は半分開くか、開かないか。流石に採血の時には起こしますし、起きてくれますが、採血と言ってもCVやPICC、UKカテーテルが入っている場合特に針を突き刺す訳ではないので、勝手に採って!とばかりにカテーテルだけが無言で出てきます。
ようやく9時過ぎの起床にて、既にオーバーテーブルや床頭台に置かれた朝食をぼちぼちと温めなおしながら廊下をふらふらと歩いている姿を発見されるのです。
漫画とDVDに埋まる部屋
次に見られる特徴として多いのが、部屋に大量の漫画あるいはDVDが置かれている事。
入院生活で、暇な時間をいかにして過ごすか。もう長編、連載の漫画やDVDに頼るしかないのでしょう。締め切ったカーテンの中でただひたすら、黙々と読んで、観て時を過ごしているのです。時に私達が知っている漫画やDVDが出て来れば看護師との話しに花が咲く事もあります。でも2〜3時間が限度、そこで一旦終了し、お昼寝タイムに入るのです。スヤスヤ、それはもう気持ち良さそうに、窓から入る陽の光を軽く浴びながら。そう、前述した遅寝遅起きという特徴とまとめると、軽い昼夜逆転生活になるわけです。
そして、夕方以降に活動が再開されます。学校が終わってから面会に来てくれた友人達と面会ルームで一緒に食事をしたり、談話したり。でも、そこでも一波乱が起こる事があります。なんせエネルギー溢れる若者たちですから、久々の友人の面会ともなれば自ずとテンションは上がり、それに伴って声のボリュームもマックスになります。そうなると、先輩方が黙ってはいないのです。先輩方、いわゆる人生の先輩、ご年配の患者さん達です。直接怒鳴り込む方もいらっしゃれば、看護師を介して注意を促す方もおられます。そんなこんなで、ここも若者が折れ面会を終了したり、病棟外に出て会うようになるのですね。
そうしている内にまた消灯時間がきて、いつものように携帯電話を片手に夜長を過ごすというパターンになっていくわけです。
いや、それ以前に、病気や怪我の苦痛、入院生活という制限された環境にさらされる苦痛を考えれば、多少遅寝であろうが、遅起きであろうが構いませんね。一度入院生活を経験した若者たちは、早くに健康一番である事を切実に思うようになるのだと思います。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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