ナースはつらいよ

犯罪者にならないために知っておこう!介護職が行える医行為

私は特養に勤めるまで介護職がしていい医行為としてはいけない医行為があることを知りませんでした。

改めて厚労省の通知を読むと、こんなことまで医行為だったのかと驚きました。また、反対にこんなことも介護職はしていいのかと知ることがあります。

知らずに介護職にやらせていると犯罪者になります。

施設で介護職がやってはいけない医行為を実施させていていたために施設長や看護師が書類送検されたニュースもありました。

正しい知識を持って介護職と連携をしてよりよいケアを提供していきましょう。

介護職ができる医行為

今は当たり前に介護職がやっていますが、昔は下記のように体温・血圧などの測定までが医行為とされ介護職が行っていけなかったのです。

どうやら医療職の専門性を守るためなかなか緩和規制されなかったそうです。

平成17年になりやっと規制が緩和されて「医行為ではない」と認められて介護職ができるようになりました。

1) 体温計での体温測定
2) 自動血圧計での血圧測定
3) パルスオキシメーターでの酸素飽和度の測定
4) 軽い切り傷や傷の処置(専門的な判断や技術をひつようとしない処置)
5) 軟膏処置(床ずれの処置は除く)
6) 湿布を貼る
7) 点眼
8) 一包化された薬の服薬介助
9) 座薬を挿入する
10) 鼻腔粘膜への薬剤噴射の介助

全ては、状態安定した人に限ります。

8)に関しては
看護師は、介護職が間違って内服をさせないように粉薬を錠剤と一緒にホチキス止めをして一包化にして、水薬は毎食ごとに図って準備したりという細やかな業務があります。

提携する薬局が協力的だと助かります。有料老人ホームだと、薬局が薬管理・指導加算が取れるので、協力が得やすいそうです。

5)~10)は、本人・家族から事前に依頼があり、医療職の指導に従って介助することになっています。

実際正しい測定の仕方を指導しないと明らかに違うおかしな測定値でも介護職はそのままにしておくことがあり、後で気づき青くなったという経験があります。

私の職場では、看護師が新人教育で必ず教育しています。

異常か正常かは医療職が判断することになっていますが、およその正常値やいつもの値を知ってもらい、おかしいなと思ったらとにかく報告をしてもらうようにしてもらっています。

法律上医行為になっているが介護職が行える医行為

1)耳垢を取り除く(耳垢塞栓の除去は禁止)
2)爪切り、爪やすり(爪や皮膚の周囲に異常がある、糖尿病により専門的な管理が必要な場合はNG)
3)歯ブラシ・綿棒による口腔ケア
4)ストマパウチの交換(専門的な管理が必要ではないもの)・パウチ内に溜まった排泄物の除去
5)自己導尿補助、カテールの準備、体位の保持
6)市販の浣腸器による浣腸(40ml以下)

これも状態が安定している方への提供に限ります。

なぜ介護職職員がしてはいけないのかリスクを説明しておかないと知らずに行っている場合があります。

糖尿病を患っている人の爪切りをして傷をつけて敗血症になる手前までの状態まで悪化してしまったケースがありました。

具体的な事例を出すと介護職に理解が得やすいです。

また、介護職員が行ってもいい行為にかかわらず看護師にして欲しいという本人やご家族がいらっしゃいます。

きちんと、本人・ご家族に施設の体制や国の制度を事前に説明し同意を得ておくことが大切です。

条件付きで行って良い医行為

痰の吸引、経管栄養(胃ろう・腸ろう)は以下の条件・要件がそろえばできます。
1)2016年1月以降の介護福祉士合格者
2)一定の研修を受け都道府県知事から「認定行為業務従事者認定証」を受けた介護職員
3)勤務先の施設や事業者が、医療と介護の連携を整えたうえ、都道府県知事の登録が必要
4)医師からの痰吸引・胃ろう実施についての指示、実施手順書に明記して業務の流れを共有

一定の研修とは、50時間の研修と実地試験が必要なので人手不足の現場では研修に出すことすら難しい状況です。

介護現場で条件付きの医行為ができるようになるためには、まだまだ長い年月がかかりそうです。

看護師がいない時間帯どうしているか

特に特養は夜間帯ほとんどの施設がオンコール体制になっているために看護師はいません。

では、現在どのように備えているかというと、看護師がいるあいだに食事を摂ってもらう、または、看護師の勤務を遅出と早出の勤務体制をとって対応しています。

それでも状態的に看護師がいない時間帯に医行為が必要な状況になった場合は、入院やほかの施設に移って頂くことになっています。

まとめ

介護の現場は、様々な経験、学歴を持った人、持たない人と人材がバラエティに富んでいます。

実際に実施するとなると看護師が中心となって介護職に教育や指導をして、安全にできるような体制に整えていかなければいけません。

施設では、看護師は中核的な存在や役割となります。

高齢化社会を迎え、国の医療費の高騰による入院期間の短縮により、医療的ケアを必要とする入居者が増えていますのでますますそのような看護師の役割が必要になってきます。

できる医行為は、年々変わっていきますので厚生労働省からの通知をネットで確認しておきましょう。

今回書かせていただいた条件も以下の文書を参考にしてまとめています。

医師法17条、歯科医師法17条及び保健師助産師看護師法31条の解釈について医政発0726005 平成17年7月26日

喀痰吸引等の制度について

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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