辞めたいと言ったプリセプティへの助言方法〜前編〜
プリセプターとプリセプティ。自分のプリセプターには出来る子になって欲しい!ずっと続けてもらいたい!と思いませんか?そんな思いとは裏腹に、辞めたいとプリセプティが相談してきたら、貴方はどんなアドバイスをするでしょうか?
まず、辞めたい理由を明らかにし、そして、その理由に合ったアドバイスを提供する事です。意外とプリセプティが辞めたいと思う理由は様々。想像に難くないものから、少し驚く内容まで。
そのプリセプティに合ったアドバイスをして、プリセプティが気持ちをどう切り替えられるか。また頑張って働こうと思えるように導くか、はたまた円滑な退職・転職・部署移動に導くかアドバイス次第とも言えます。
今回はプリセプティが辞めたいと言った時の助言方法について、辞めたい理由ごとに分けて幾つかお伝えしようと思います。
想像以上の仕事についていけない
看護学校での実習にも耐え、国家試験にも合格しいざ夢にまで見たナースライフの始まり‼︎と胸膨らませていた頃とは思いは一変。何故こんなにもキツイ仕事なのか…。
プライベートなんて寝るだけの時間。次の仕事に備える体力回復と勉強時間。あってないようなものの自分の時間。
患者さんと和気藹々と談笑し、一息ついたら座って看護記録を書こう!な〜んて悠長に考えていた自分が情けなく思える程やる事が沢山あるという現実とのギャップ。
そんな理想と現実のギャップに押し潰された新人さんへのアドバイスとは。
まず、その職場(消化器内科であれば消化器内科)の看護師像を描いてもらってみてはどうですか?
私は新人教育を担当していた時には必ず入職して間もなく「私の病棟での看護師像」というテーマで新人さん全員にレポートを書いてもらっていました。
ある程度理想像を書くと思いますが、中にはこの子は現実が見えない可能性が高い…と危惧する内容を書いている子もいました。
そんな子には予め、「私もこんな看護を夢見てたけど、現実なかなか最初は難しいんだよね〜。この看護師像は2年目の終わりぐらいに実践出来たら万々歳だよ〜」なんて、さりげなく新人さんの理想目標を1段階下げても大丈夫だというような助言を出していました。
いつまでも新人だから出来なくても大丈夫と思われても困ります。ですが、まだ出来ない、まだ上手く廻れない、などと自分の理想に追いつけないことばかり考えていたら、辞めたくなってしまいます。
そうならないためにも、理想を少し現実に近づける助言をしてみてはどうでしょうか。
病棟内の人間関係
職場における人間関係は最重要事項とも言えるでしょう。幾ら仕事が充実していても、人間関係に悩みがあれば楽しくありません。逆に仕事がキツくてもスタッフ皆んなと良好な人間関係が保てていれば、お互い仕事のフォローなども出来、頑張って仕事を続けようと思えるものです。
新人さんがスタッフとの人間関係に悩んでいたとしても、なかなか先輩に誰との関係性に悩んでいると話せる勇気はないかもしれません。
でも、なんだか悩んでいる様子。どうやって確かめようかと思った時には、その新人さんの同期に聞いてみて下さい。同期になら悩みを共有している可能性も高いです。
逆に、先輩達の話を聞いてみるのも1つの方法だと思います。何気なく話している中で、その新人さんの失敗や出来ない点にやたら厳しいコメントをしている先輩がいれば、もしかするとその先輩との関係性に悩んでいるのかもしれません。
なんだか犯人探しのようで気が引けますが…。もし、特定の人との関係で悩み、辞めたいと思っているのであれば、何かしらの対処が必要です。
師長さんとも相談し、しばらくの期間苦手な先輩との夜勤を外してもらうよう依頼する。苦手な人が看護師ではなく先生であれば、その先生の担当患者さんを少しの間受け持ちから外す事で、先生との接触を少なくする。などなど。
一先ずは苦手な人との接触を避けることから始めてあげてはどうでしょうか。
もし苦手な相手がプリセプターの自分であったら⁉︎恐らく相性が悪いなと自分自身も多少感じているはず。そんな時は思い切ってプリセプターを変えてもらえるよう教育指導者や師長さんに相談してみましょう。
年間の教育計画もあるので、途中からプリセプターを変更するのが難しければ、一定期間勤務を外してもらい、他の人に指導してもらうのもありだと思います。
では、スタッフの殆どと波長が合わず悩んでいる場合は。スタッフ皆んなに変わってもらう事は出来ないので、部署移動の希望を聞いて、残念ながら移動してもらう事になるかもしれません。
看護師という仕事自体に悩んでいるわけではないのであれば、辞めてしまうのは勿体無い。自分に合ったスタッフと働ける環境を見つけて部署移動、または他の病院に移るという方法もありだと思います。
その場合、
夜勤など不規則勤務が身体に合わない
どのような病院で働くかによって夜勤の有無や、回数、時間が変わってきます。
働く前に自分の体質を把握していたり、働きながらその勤務形態に身体が順応するのであれば問題はないのですが、中にはどうしても体調を崩してしまう子もいます。
夜勤前にどうしても起きられない、2交代でロング夜勤をしていると途中疲労から倒れてしまう、など身体症状が出るのであれば、もう勤務形態を変更するしかありません!
部署の中で日勤専属で働けるのであれば、そちらへの変更を師長さんに相談する。可能な限りその子の身体に合った勤務時間の調整をする事で、働けるのであれば辞めなくても働けます。
その部署では時間調整が難しいのであれば、他の部署へ移動する事も出来ると思います。
看護師も身体が資本!身体的に無理な時間労働であれば、医療ミスの元にもなるので、ここは早めに調整または、部署移動・退職への道を示してあげるべきかと思います。
以上3点挙げましたが、新人さんが辞めたいと思う理由はまだまだあります。続きは後編で。
この記事を書いた人
- 看護師9年目。血液内科病棟で勤務し、小児から成人・老年期の看護に携わる。結婚半年後に夫の転勤に伴い退職。現在は一児の母で子育て奮闘中。
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