看護感は変わっていく・・・
“看護感”みなさんは改めて考えていますか?
学生時代だった“理想の看護師像”にあなたは近づくことが出来ていますか?
私の看護感
看護学校を卒業して、入職時に自分の看護感について考える機会がありました。
「看護師とは患者さんの不安を取り除くことが出来る職業。」
それが、学生時代から入職期にかけて私の理想であり、看護感でありました。
看護感が変わる出来事
そして、入職。私は希望通り新卒で小児科に配属になりました。しかし、理想と現実は違い、子ども相手に検査の説明や、精神的アプローチをかけるのは思ってた以上に困難でした。
テキストで習った方法を使っても、子どもたちは心を開いてくれず、何をしても延々と泣いている子どもに、私が泣きたくなることもよくありました。
そして小学校1年生の男の子を受け持った時のことです。その男の子は骨折後の手術を控えていました。
手術前日から入院し、説明や同意書、絶飲食など手術の準備が進んでいくにつれて男の子は無口になっていきます。
私は何も出来ずに、「怖くないからね、大丈夫だよ。」と繰り返していました。
何度、繰り返したでしょうか。めっきり無口になってしまった男の子が、声を荒らげて、目に涙をいっぱいためて言いました。
「大丈夫じゃない!何を言われても怖い!もう、話なんてしたくない!」
そう言われた私は返す言葉が見つからずに、ナースコールを手渡して足早に部屋を出ました。自分では寄り添うつもりでコミュニケーションを取っていたのですが、私が思っているよりも小学1年生の男の子は“手術が何か”を理解していたのです。
何だかわだかまりを残したまま、術当日になりました。
担当は私だったので術直前に訪室すると、彼はこちらを向いてニッコリ笑っていました。
きっと自分の中で葛藤し、恐怖や怒りが訪れ、そして受け入れたようでした。
無事、手術は成功しました。しかし、私はの時のコミュニケーションのなにがいけなかったのか・・・自己分析しました。
私は彼の不安をわかっているつもりでいました。そしてどうにかして不安を完全に取り除こうと空回りしていました。彼に自分自身と向き合う時間を与えず、自分の気持ちを押し付けてしまっていたのです。
自分の看護感を見つめ直す機会
私は考え方を変える必要がありました。
「看護師とは患者さんの不安を取り除くことが出来る職業。」
そう信じていましたが、現実は不安を取り除くことは不可能に近く、患者さんの不安をどこまで最小限にできるか・・・ということを大切にする必要があるのです。
自己昇華できる患者さんもいれば、傾聴して欲しいと思う患者さんもいます。ひとりにして欲しい患者さんもいれば、寝ている時間以外は誰かといたいと思う患者さんもいます。
どの方法がその患者さんにとって一番なのかを見極める力も必要だと痛感しました。
そして、この体験をしてから私の看護感も少しかわりました。
今までの、「看護師とは患者さんの不安を取り除くことが出来る職業。」とはまた違って、「看護師とは患者さんの不安を最小限に留めるために寄り添う職業。」というのを理想に働き始めました。
そして、また中堅と言われる年齢に近づくにつれて、自分の看護感を見直す機会が訪れそうです。
まとめ
看護感は千差万別であり、「医療の追求」「日々勉強」「すべてに平等」などありますが、どれも看護師ひとりひとりが悩み、頭を抱えながら出した看護感だと思います。
いろんな考え方があるのは当然のことでそれを否定するのもナンセンスだと感じます。
さて、タイトルにあるように私の看護感は数年単位で変化していきました。それは信念が弱いというわけではなく日々の経験の中で、看護師とはどうあるべきか・・・という視点が日々変化していくからだと思います。
“看護感は変わっていく”ものとして自分の信じていた理想の看護師像が崩されたとしても柔軟に対応していけるように、看護感を見直してみるのもいいかもしれません。
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