気持複雑・・・家族がインシデントに巻き込まれた話
みなさん、お疲れ様です。
私は今、90近い祖母と2人で暮らしています。祖母は、少し前に消化器疾患で私が勤めている病院に入院していました。そこで誤内服、患者誤認のインシデントに遭遇しました。
今回はその時の話をします。
どんなおばあちゃんだったのか??
絶飲食だった祖母
そもそも祖母は上部消化管出血で入院になりました。そして本人には苦痛の3日間の絶飲食を言い渡されました。食事だけでなく飲水も禁止です。
普段なかなか水分を取ろうとしないのに、そういう時に限って水を欲します。でも、3日間は辛抱です。
耳が遠かった祖母
祖母は耳が遠く、たまによく聞こえてなかったりわかっていなくてもニコニコとうなずいてその場をしのごうとします。今回はこれが大仇となってしまいました。
絶飲食中だったのに内服しちゃった
なんで絶飲食中なのに内服してしまったのか。
当然ながら祖母の処方内服はありません。看護師が他患者の内服薬と水をもって祖母に渡したのです。
自分の名前じゃないのに返事をしてしまったうちの祖母
私はその後の家族説明には立ち会っていないので、家族とからの話とカルテの内容しか見ていないのですが、どうやら他患者の名前を言われたのにも関わらず「はい」と答えてしまったようです。
おまけの転倒
この誤内服の話には続きがあり、この内服の3時間ほど後に祖母は転倒しています。ちなみの飲んでしまった薬の中には向精神薬が含まれていました・・・。薬が関係していると言い切れずとも関係ありそうな、なんとも言い難いところです。
頭を打ったかもしれないということで頭部CTを撮りましたが幸いにも何もなく済みました。やれやれです。
このインシデントの問題点はなに??
振り返ってこそのインシデントです。ただ、私は当事者ではないのであくまでも想像でしか考えることができませんが、ちょっと想像してみましょう。
投与したのは受け持ちかどうか
一般病棟です。患者さんもいっぱいいます。しかも昼食時です。休憩交代もあって忙しいことが考えられます。もしかしたら薬を渡したのはうちの祖母の受け持ちでも、内服するはずだったもう一人の患者さんの受け持ちでもない看護師さんだったのかもしれません。
もし仮に内服するはずだった患者さんの受け持ち看護師だったら自分の担当の患者さんの顔を間違えることはなかったでしょう。・・・たぶん。
もし仮に祖母の受け持ち看護師だったら自分の担当の患者が絶飲食であり内服だってないことはわかっていたでしょう・・・たぶん。
絶飲食の指示は誰まで共通理解されていたのか
たくさんの患者さんがいる中で指示を共通理解することは大変です。でも祖母にとって絶飲食にしていることは治療上とても大事なことです。
例えばシャント肢では血圧を測れないとき「〇腕血圧測定禁」の札がベッドサイドにぶら下がっていたりします。
インシデント前には祖母のベッドサイドにそういったものはなかったのですが、インシデントがあったその日の夕方にお見舞いに行ったら「絶飲食中。内服なし」の札が降ら下がっていました。
「最初からそうしといてよ」と思いつつ、「反省は生かされているようだ」とも思いました。
患者確認の方法
私もいつも気を付けていることですが、患者さんに確認をする際にはできる限り自分で名乗ってもらうようにしています。
祖母のように耳が遠かったり認知症があったりすると「~ですか?」と言われただけで「はい」と答えてしまう患者さんもいるからです。
ただ、名乗ってもらうことができない場合ももちろんあります。そういったときはネームバンドを見て確認します。これはどこの病院や施設でも同じようなことだと思います。
この確認については当事者の看護師さんのミスだったなと思います。
家族としての想いと看護師としての思い
でも私は知っています。ありえないなんてことはないんです。私だったら絶対にやらないと思うけど絶対なんてないんです。
病院からインシデントの話があり、説明と謝罪があったとき、母は怒っていました。当然だと思います。でも私は複雑な気持ちでした。だって私だって同じようなミスをするかもしれない。
「隠そうと思えばいくらでも隠せたのにちゃんの事実を伝えてきただけまともだったんじゃない?」私は母にそう伝えました。別に自分が勤めている病院を、同じ職種の看護師をかばいたいわけではありません。
でも、看護師だって人間です。どんなにどんなに注意していても失敗することはあります。普段守っていることもその時に限って決まり事を守らなくて事故を起こしてしまうことがあります。
今回のことは家族としてはとても悲しく、心配な出来事でした。
看護師としては「明日は我が身だな」と思い、改めて気を引き締める思いでした。
この記事を書いた人
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人と関わること、子どもと関わることが好きだけど、ものすごくエネルギーを奪われてしまうタイプの人間です。
子どもと戯れる生活になり、日々ストレスと驚きと喜びを感じながら生活しています。
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