ナースの２次的ＰＴＳＤ

一生懸命お世話をしても、患者さんは助からない・・・
患者さんは、ナースにあたるし。
こんなに頑張っているのに、報われない！
・・・私は、看護師に向いてないのではないか・・・

病棟で働いている看護師の、向き合う対象は、「病める人間」です。
そう。元気な人間ではなく、その人のライフステージの中で、何かしらの「病」を抱えている状態・時期にある方たちです。私たちは、普通の状態の人と関わるのではなく、病める人と関わっていくのです。
それはどういう事でしょうか？

・・・とても大変な仕事なのです。
看護師が、健康でなければ、仕事を続けて行く事は難しい職業だと思っています。

病める患者さんは、通常より、デリケートであり、通常生じない感情が湧いてきたり、普段は我慢できることができなかったり、弱くなっているのです。言い換えれば、色々な人が、病気というもののもとに病院に集まり、入院生活を送っているわけです。職業も様々、立場も様々・・・。

看護師＝感情労働

看護師の仕事は、「感情労働」だとご存知でしょうか。

看護の仕事をして、やりがい・手ごたえを感じる「感情」もあれば、いくら頑張っても、報われない負の「感情」も。

仕事をしていく中でうまれる素直な気持ちを、私たちは、押し殺しながら、いわゆる我慢を続けながら仕事とするのが、正しい看護師像だと、言われてきました。
一生懸命な人こそ、頑張って頑張って、疲れてしまうんですよね。

しかし、それだと、世話する側の看護師が、潰れてしまい、看護師が居なくなってしまいます。
結果、病院の離職や人手不足につながります。
看護学校では、看護技術の教育が先に立ち、感情についての教育が不十分であるように感じます。自己に任せられているといいますか…。

看護師の皆さんは、自分の気持ちにもっと素直になるべきです！そうでなければ私たち、潰れますよ！

自分の感情に素直に向き合っていますか？

患者さんに、イラッとした。患者さんの家族にイラッとした・・・。
その時、あなたの気持ちはどのように感じ、どのように対応したのでしょうか？
振り返ってみるだけで、感情の整理はできるものなのだそうです。
プロセスレコードというもので、順を追って考えてみると良いかもしれません。

自分の心のメンテナンスをしていますか？

友達と食事に行ったり、お出かけしたり、買い物したり、マッサージしに行ったり、贅沢してみたり・・・。人によって様々ですが、自分なりの心の気分転換と言いますか、リフレッシュ方法を見つけておく事も、とっても大切なことです。
病める人の癒す立場の看護師が病んでいたら、仕事になりませんからね。

そんな私は先日、患者さんのご家族から大変な暴言を吐かれてしまいました。
決して、私は間違った内容を言った訳ではないのに、憤慨されてしまい、「訴えてやる！」とまで言われてしまい、ショックを覚えました。

家に帰ってからも、そのことで頭がぐるぐる、休日も頭から離れず、仕事に行きたくないなぁ、そのご家族の方とまた顔を合わせてしまったらどうしよう、、と悩みました。

私は、自分の心の気持ちを整理してみました。
その患者さんのご家族は、心身ともに疲れている状態であるのは前から分かっていました。そのせいで、看護師に攻撃的になったり、不必要な対応を要求しようとする場面も多かったのです。
そして、私も、とても疲れていました。勤務の一番多忙な時にそのような事件が生じました。私も少しイラついたような言い方をしてしまっていたのです。おそらく、「訴えてやる」というご家族の言葉は、私の言い方に腹が立ってしまったんだな、と大分後になり冷静に思い返してみた時に反省しました。
ただ、もう起こってしまった事は巻き戻せませんので、次にそのご家族に会った場合は、様子を見ながら自分から声掛けをしてみようと思っています。

ただ、今回学んだのは、自分自身のコミュニケーションスキルをアップさせたい、という事と、クレーム対応の上手な切り抜け方、もっと勉強したいなぁと考えさせられました。

毎日、楽しいこともあれば辛いこともあります。
自分なりの気分転換の方法を見つけて、リフレッシュしながら、お仕事頑張りましょう！