徹底比較~医師と看護師は対等か~
チーム医療が主流になってきている日本では、医師、看護師、栄養士、臨床心理士、リハビリテーションなどの分野が互いに協力しあい、複数の患者を診ていく方法が多くなってきています。
「各メンバーが対等に~」というような文言を表明してる病院もすくなくありません。
しかし日本におけるチーム医療について、みなさんは本当にチームメンバーが対等だと感じていますか?
やはり、医師は特別な存在で決定権が医師にある・・・そんなことはありませんでしょうか。
主役は患者
医療ドラマでよくあるパターンとしては、“医師の診療技術”“看護師の葛藤や苦悩”をメインテーマとしている物語が多いように思います。(最近では患者が主になる作品も増えてきたようですが・・・。)
しかし、実際の医療現場では“主役はもちろん患者本人”になります。
チーム医療として主にあるのが患者であることを忘れてはいけないのと同時に、医師や看護師が患者の意思をいざなうこともしてはいけません。
患者の意思を誘導して思い通りにするのではなく、患者自身の本来の気持ちをどこまで汲み取れるかが“鍵”になってきます。
そのためにも様々な職種と患者がかかわれる機会を多くし、患者の意思に多方面からアプローチしていくのもチーム医療の特色です。
対等ではないが、発言権はある!
結論を先に言うと、全ての職種が医師と対等かというとそうではありません。
最終的な判断や、薬剤使用の許可、安静度、退院についてなど、医師でなければできないこともたくさんあります。
その他(看護師も含む)の業種が自己判断で治療方針を変更できる訳では無いので、対等とは言いきれないでしょう。
しかし、発言権はもちろんどの職種にもあります。
看護部からの視点~、リハビリテーション部からの視点~、を統合して医師も判断するわけですから主張はどんどんしていかなければなりません。
医師がどこまで真剣に他の医療職の発言を参考にするかは医師次第ではありますが、もちろんチーム内での信頼関係をきっちり作り、医師が必要としている報告を的確にする能力が求められます。
患者がチーム医療を望んでいない!?
一般の方向けの、とあるアンケートでは、“主治医制度”を重んじるという回答が過半数を超えたという結果になりました。
はるか昔から義理や人情を重んじてきた、私たちよりもずっと上の高齢者世代では大勢の医療職者が関わるチーム医療制度よりも、一対一対応で行う主治医制度を好む傾向にあるようです。
医師が密着して関わる機会の減るチーム医療では、患者の精神的アプローチをどれだけできるかは1番側にいる看護師にかかっていると言っても過言ではありません。
チーム医療が開始されたからといって、看護師の関わり方に変化があってはいけないと思います。
結論としては、上記の理由などからまだまだ深く根付いている主治医制度とチーム医療の、間でさまよっているのが日本の医療の現実です。
医療業界以外では、効率化を求めて様々な工夫や、機器の投入がされているわけですが、“人と人”が関わる職種では、効率化だけを求める声は少ないようです。
まとめ
先述したとおり、日本における医療現場では医師とその他の医療者は対等ではありません。
勉強量も知識の量も、資格の難易度もやはり医師がトップクラスです。むしろ、対等にしてはいけないように思います。
ですから、医師ができること、看護師ができること、リハビリテーション部門でできることを最大限に行い、カンファレンスを重ねて最終的に医師が判断するという今の形が各方面の能力を活かすことの出来る診療方法だと思います。
~余談~
私の以前務めていた病院では、カンファレンスでは“必ずひとり一発言”をスローガンにしていました。
つまり、“内容はかぶっていてもいいからとにかく、自分の意見をいう練習”を積極的に行う方針でした。
慣れてくると、自然に発言できるようになるのでいい方法だとは思います。
ただ、病棟全体カンファレンスの時などは40人程の看護師と10人ほどの医師がいるので、とてつもない時間がかかりました・・・。
もちろん、すべてが対等というわけではもちろんありませんがカンファレンスに“ただ、出席している”以上の物を得られていたと思います。
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