え!?ここまでやるの!~NICU科~
NICU科、みなさんの病院にあるでしょうか。
産科や小児科がない病院だとあまり見かけないかも知れません。
NICUとは(Neonatal Intensive Care Unit)の略称のことであり、新生児に特化したICUのことを指します。
私が、“人事異動”として発表された時には、緊張とプレッシャーで倒れそうになりました。(情けないお話ですが)
そして、今回の記事は私がNICUで働いていた時のお話です。
看護師の役割
基本的に、NICUは看護師が採血したり、点滴を入れたりということはしません。したとしても血糖測定くらいでしょうか。
NICUの看護師がすることは、哺乳、アプネア(無呼吸)発作の対応、側管抗菌薬、母親の母乳・乳房ケア、人工呼吸器の管理、沐浴、身体測定(毎日)などがあります。
特に、私が神経を使った業務は哺乳、側管抗菌薬の点滴、アプネア発作の対応の3つでした。
NICUに入院してる新生児の看護師はとにかくスケールが小さいことと、とにかく繊細なので毎日精神的に疲れます。
看護の実際
哺乳
新生児と言っても、未熟児や低出生体重児か多く、通常の哺乳瓶でゴクゴク飲む動作を全員ができるわけではありません。
出生後、まもなくはシリンジポンプを使用した経管栄養法を行います。(ちなみに、SBチューブの挿入は看護師がするところが多いです。)
そしてある程度呼吸機能が確立してきてから経口哺乳となります。
経口哺乳も1ml以下からスタートする場合が多く、まるで予防接種のシリンジのように細いシリンジに母乳orミルクを吸い上げて、一滴ずつ口腔内に滴下していきます。
咳き込みがあったり、嚥下に問題があったりすればまた経管栄養に戻って少しずつ少しずつ適応させていきます。
そして哺乳指示量にも注意しなければなりません。
哺乳量20ml×定時という支持が出た場合きっちり3時間に1回哺乳をしなくてはなりません。
そこで注意するのが(X+Y)の指示が出ている時です。
“X(胃残)+Y(投与)=20ml”になるように投与するという意味なのですが、実際に胃残が5mlあったら、定時20mlの指示でも15mlしか哺乳しないということですね。
簡単な足し算のはずなのですが、慌てていると間違えたり・・・しますよね。
側管抗菌薬の投与
新生児でも抗菌薬を投与することがあります。もちろんメインの点滴は医師が留置しますが、側管からの投与は看護業務です。
側管と言っても、シリンジポンプで投与しますし、最小量0.2mgから投与することもあります。
量が少しでも違わぬように、慎重にシリンジを進めていきます。
新生児だと、絶対に“初回投与”になるので、抗菌薬の不適合やショック症状にも注意しなければなりません。
アプネア発作
死に直結してしまう無呼吸発作ですが、だいたい15秒~20秒以上の呼吸停止がモニターで確認できれば、無呼吸発作となります。
無呼吸発作が起こると、体内の酸素飽和度は一気にさがります。
実際に私が見て1番ヒヤリとしたのが、SPO2:38%、全身のチアノーゼ状態で、呼吸を開始するのに40秒以上かかった時ですね。
たった40秒・・・そう思われるかもしれませんが、以降、この時の40秒ほど長く感じたものはありませんでした。
間もなく呼吸が再開されれば、経過を見ることになりますが、呼吸がなかなか再開されない場合には、ジャクションを使ってバックしたり人工呼吸器の導入にもなります。
あまりに続く場合には、医師を呼んで、無呼吸発作を予防する内服を投与する場合もあります。
この無呼吸発作を知らせるアラーム音が、かなり大きく(急変時なので当たり前ですが)、何回聞いてもヒヤッとします。
今まで対応が遅れるという事故は経験していませんが、やはり神経はかなり使います。
まとめ
本来ならママのお腹の中にいるはずだった週数の赤ちゃんが出てきているので、お腹の中と同じ環境においてあげなければなりません。
もちろん、健常児と比較すると繊細で細やかな看護が必要ですが、退院した時の喜びは大きいです。
また、機会があれば急性期にもチャレンジしてみたいと思っています。
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