保健師の実習指導
こんにちは、保健師のアオです。
みなさんの職場では、学生実習を受け入れていますか?
私の職場では、いくつかの学校の実習を受け入れています。
看護師と保健師両方の資格取得を目指す四年制カリキュラムの学生さんから、看護師資格取得を目指す学生さんまで。
学校によって、実習目標もプログラムも異なりますし、何と言っても学生さんが違う!
やっぱり学校のレベルが高いと、考える力もあり、すごく勉強してから実習に来ているのが伝わります。
そうではない学校だと、「看護師になりたいから保健師には興味ないけど、カリキュラムにあるから仕方なく来た」感じ満載なこともあり、そんな時は少し悲しくなります…
実習指導を担当して、驚いたことや印象に残っているエピソードをご紹介します。
記録提出が目的?
学生さんによるのだと思いますが、残念ながら実習の目的=記録提出 になっている学生さんが多い印象があります。
保健師実習に来る学生さんはだいたいが四年生。国試や就活で忙しい時期です。
そんな時期ですから、積極的に学ぶというよりも、ソツなくこなして単位を取得するという考えになっても仕方ないのかもしれません。「この地域の健康課題は?」なんて問題、国試には出ませんからね。
大半の学生さんは卒業後は看護師への道を選ぶので、保健師実習への興味はなかなか持てないのもわかります。
でも、だからこそ大切だと思うんです。看護師として関わる患者さんは、みんな地域で暮らす人です。地域での暮らしに興味を持って患者さんと関わる姿勢があれば、退院後どんな暮らしをするのかな?という視点で看護ができると思います。
病院から在宅生活への切り替えが円滑にいくかどうかは、病棟の看護師さんが地域での暮らしに目を向けてくれるかどうかにかかっているんですよね。
学生さんのカンファレンスに参加しても、実習でどんな学びをしたかというよりも、記録やアセスメントシートの埋め方への質問が多いこともあり、少し残念に思います。
家庭訪問はとっても緊張!
病棟での実習は、患者さんのベッドサイドに毎日足を運ぶので慣れていると思います。
しかし、お家を訪問してお話を伺うということは初めてなので学生さんの緊張感が伝わります。
お家に上がる前にコートを脱ぐ、靴を揃えるなど、社会人としてのマナーも知らない学生さんもいます!
でも、実際の家屋状況や地域性を肌で感じることができる家庭訪問では、保健師の面白さを感じてもらう良い機会にもなっているようです。
「お家の中でもには段差が多いので、転倒の危険性が高いと思いました」「最寄りのバス停までは意外と歩くので、それだけの距離を歩けるようなリハビリが必要だと思いました」など、看護師としての視点で見ることができるよう指導者としては促しも必要です。一歩間違えば、「お家でお話を聞けて勉強になりました」「お話好きな方で、こちらも楽しかったです」と、ただの感想で終わってしまう可能性も…。
ちなみに、家庭訪問される側の住民の方も、学生さんが訪問してくれることをとても楽しみに待ってくださっていることも多いです。特に高齢者の場合は、お孫さんと同じくらいの年齢の学生さんに会えるだけで、元気をもらえるようです。
人前で話すことは苦手なんです
人前でお話することへの苦手意識を持つ学生さんが多いです。SNSでのコミュニケーションは得意でも、学生間のカンファレンスとなるとうまく話せない学生さんが多いように感じます。
でも看護師も保健師も、コミュニケーションが大切な職業です。慣れだとは思いますが、就職するまでにはある程度のコミュニケーション力をつけてくれれば良いなぁ…なんて思うこともしばしば。
特に保健師実習では、健康教育を実施するプログラムがほとんどで、集団に対して保健指導するという場面が出てきます。一方的に指導するのではなく、コミュニケーションを、とりながら集団の力を生かした指導をすることがポイントとなります。
学生さんはとても緊張して本番に臨みますが、住民は暖かく受け入れてくれるので、学生さんに達成感を感じてもらう絶好のチャンスです!
人と接する仕事って楽しいな!と感じてもらう機会になると良いなぁと思って指導しています。
実習指導を行うと、やはり自分の学生時代を思い出します。
辛かったことも嬉しかったことも、全部含めて必要な経験だったなぁ〜としみじみしたり。初心を忘れてはいけないなぁ〜と思ったり。
実習は学生さんも大変ですが、指導者も仕事量が増えて大変ですよね。
がんばれ、学生さん!
がんばれ、実習指導者!
この記事を書いた人
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。
現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。
主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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病棟看護師として2年勤めた後、保健師へ転職。 現在、保健師8年目。プライベートでは二児の母であり、ワーキングマザー6年目。 主に、地域での看護のお仕事や子育てとの両立についての記事を書いていきたいと思います。
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