夜間の不穏患者さん
私が整形外科・救急医療科の混合病棟にいた時の話です。割合的には、整形が30床、救急科が10床といったところでしょうか。どちらも高齢者が多く、夜間になると不穏になる患者さんが両科共に結構いたのを覚えています。しかし、夜勤看護師は3人しかいません。整形は、夜間のトイレ介助が多くナースコールが鳴り止みません。それに伴い、救急科は1〜2時間おきの吸引介助・体位交換。術後の患者さんが多い日には、もうてんてこ舞いでした。
ナースステーションが患者さんのお部屋
不穏の患者さんをいかに安全に事故なく看れるか考えた時、患者さんの部屋がナースステーションから近いことが条件にでると思います。しかし、私が勤めていた病棟のナースステーションに直結している部屋は1つの個室しかありませんでした。あとは、ナースステーションからは直接看ることができないお部屋。これでは、看護師が看ていない時にどんな事故が起きているかわかりません。
そこで私たちの病棟では、患者さんをベッドごとナースステーションへ連れてきてしまうとう強硬手段をとりました。見回りやナースコールなどでナースステーションをあけることがあると思いますが、必ず一人はナースステーションに残り、連れてきた患者さんの安全を守ることにしたのです。処置室も片付けると、最大で5人まで入れますがMAX5人になった日にはお祭り騒ぎです。
寝ない患者さん
もう本当に全く寝てくれないんです><もちろんナースステーションの電気は消してあります。ことあるごとに「ねぇ、看護師さん〜」と話しかけてきて何の用かというと、尿管が気になるらしく尿管を引っ張って「これ抜いてよ〜」の繰り返し。何回説明しても、同じことの繰り返し。これを朝までやるのです。途中、先輩看護師が「いい加減にして〜‼︎子供じゃないんだから」と喝を入れるも、一瞬だけしょんぼりし又、尿管のくだりが始まるのです。いつ、尿管を事故抜去してしまうのではないかともうヒヤヒヤヒヤヒヤ、、、こうして朝を迎えます。
架空の電話をする患者さん
夜中、廊下から輸液ポンプが鳴る音が聞こえてきたので慌てて廊下にでると、点滴ルートの接続部が外れたまま輸液ポンプをおしてソロソロこちらへ歩いてくるではありませんか。もちろん逆血しており床にポタポタと血が垂れています。「ぎゃぁ〜><」心の中でそう叫びすぐに点滴ルートを直し、先輩と話した結果その患者さんをナースステーションに連れてくることにしました。
話を聞くとどうやら早急に家に帰りたいと訴え、親族のお葬式に行くというのです。自分をこんな所に閉じ込めて…懲らしめてやる!と言い、携帯電話もないのに「ピ・ポ・パ」と電話をかける動作をし、「あ、もしもし〜?警察のかたですか?今すぐ来てください」と架空の電話をしているではないか。これには私も先輩もびっくり、いや先輩は呆れていたのかもしれないが。とにかく私は笑いをこらえるのに必死でした。
先輩が「電話なんて持ってないし、誰も迎えに来ないから」と言っても「いや、今呼んだから」と。そして、しばらくすると又電話をかけるまねをし、同じことの繰り返し。これも永遠に続き、、、こうして朝を迎えます。
大変だけど面白いと思うのは私だけ?
不穏の患者さんがナースステーションにくると、もちろん寝ている暇などないので、仮眠休憩のないぶっ通し夜勤になるわけです。確かに、すごくすごく大変なんですが、その分人間らしさがすごく出ていて面白いな、と私は思ってしまいます。普段の生活では絶対に見られない姿が病棟看護師をやっていると嫌という程見ることができます。
不穏の患者さんも好きで不穏になっているわけではありません。もちろんそんなことは皆重々分かってはいるものの、私たち看護師も人間ということなのでしょうか。そんな患者さんについつい怒ってしまったり、嫌だな〜と思ってしまったりすることもあります。だけど、そんなことがあっても患者さんの話をスタッフ同士でするときは、それが笑い話になったりと割と笑って話すことが多いんです。
この記事を書いた人
- 看護大学を卒業後、大学病院の病棟で3年間勤務。その後、総合病院のope室に1年間勤務し、クリニックにも1年間勤務。現在は、妊婦生活中の専業主婦になりました。
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