ナースがケアマネジャーとして生きる道~在宅生活への架け橋を~
超高齢化社会の日本。4人に一人が65歳以上となり、今後ますます介護保険の財源が心配されますが、介護保険は在宅生活を送る高齢者の方々の命綱とも言えます。
その中でも、通称ケアマネ・ケアマネジャー、正式名・介護支援専門員は介護保険を利用するうえでなくてはならない存在です。
ナースの皆さんも、ケアマネの資格をもっている方が増えているのではないかと思います。ですが、実際ケアマネとして働いてるナースさんは少ないのではないでしょうか。
ケアマネナースが今後ぜひ増えてほしいなと思い、居宅介護支援事業所でケアマネとして働いていたohanaがケアマネのあれこれについてご紹介したいと思います。
ケアマネとして働くまでの道のり
ご存知の方も多い通り、看護師であれば、
でケアマネの受験資格があります。
まずは年1回の試験を受け、合格したら研修を受け、晴れてケアマネの資格がもらえるわけなのですが・・・。
ケアマネの試験はなかなか大変です。年によって違いますが、合格率20パーセント程度、正答率70パーセント程度と言われています。しかもトータルで正答70パーセントでなく、各試験分野で70パーセントとらなくてはいけないので、得意の医療分野だけで点数がかせげません。
私、ohanaもケアマネ試験は一年浪人しております(涙)。私は、介護保険の法律でけっこう手こずりました。でも、そこは国試を突破したナースのみなさん!!コツコツ勉強すれば、大丈夫です。
合格したら、7日間の座学・演習の実務研修の始まりです。びっしりな内容なのでこちらもなかなか大変です。都道府県によって研修は違いはあるかもしれませんが、ケアプランを実際に立ててグループワークするところが多いと思います。
しかも、ケアマネは看護師資格と違って、5年置きの更新が必要です。この時に、ケアマネの資格だけ取得していて、実務経験がない方は、再度7日間の研修をしなくてはいけません。
実務経験者は、5年の間に数回に分けて、研修をうけるので更新は少し楽になります。
なので、ケアマネの資格を取る際は、ケアマネ業務につきたいと思った時のが良いかと思います。
ケアマネ取得を維持するのにはお金もかかってきます。これも都道府県によって差がありますが、2万前後~3万程度が資格取得時・更新時にかかりますのでご注意を。
居宅ケアマネ業務とは
ここからは、居宅介護支援事業所の実際についてお話します。
一言でいえば、介護保険サービスを利用し、在宅生活を継続出来るような提案をするライフプランナーです。本人や家族に代わって、介護事業所との連絡・調整を行います。
最初は、主に病院や施設・介護事業所・地域包括支援センターから紹介をうけ、面談しアセスメントを行ってその利用者様(介護業界では利用者様と呼びます。私は最初は慣れず、患者さんと言い間違えてました。)に合った介護サービスや社会資源を提案します。
介護保険サービスを利用するには、ケアプランが必要なため立案し、本人・家族・利用するサービス事業者を招集してサービス担当者会議を開き、全員でサービスの方向性を確認します。そして全員から同意が得られれば、晴れてサービス開始となります。その後は、月1回以上の訪問によるモニタリングを行い、適宜ケアプランの見直し・サービス担当者会議を行っています。
常勤のケアマネさんは、要介護者35人持つことも珍しくありません。訪問の合間をぬって、記録を行います。事務仕事の比重も大きいです。
その他に入退院があれば、病院に出向いたり、必要があれば、主治医の話を聞くために受診に付き添ったり、緊急の相談に乗るため訪問を行います。
基本的には単独での仕事になってくるので、困りごとやストレスがたまると同僚に助言を求めたり愚痴を聞いてもらったりします(笑)
ナースがケアマネとして働く意義
最後に、ケアマネナースだからできることについてお伝えしたいと思います。
ケアマネを現在実務として行っている方で、圧倒的に多いのは、介護福祉士などの介護系の資格をお持ちの方です。医療系資格をもっている方は、まだまだ少ないように感じます。
私の働いていた地域でもケアマネナースは、数える程度です。自分の事業所の他ケアマネも、医療系資格者はいませんでした。
元資格が何であれケアマネである以上同じ仕事をもちろんします。
ですが、ケアマネナースが強いのは、やはりターミナルや在宅酸素導入時・デクビ処置・ポートなどの医療ニーズの高い利用者さんの対応です。
ケアマネナースはそのような時に、病院関係者や在宅医・訪問看護師との連携がスムーズなように思います。介護系のケアマネさんから、よく医師や看護師とのコミュニケーションが苦手という声が聞かれます。ちょっとわかります。私も、ケアマネになって看護師さんって怖!と想う時があります。(笑)そういう背景もあって、病院や地域包括からケアマネナース指名でお仕事を頂けることもあります。
もっと、体験談などもお話したいのですが、それはまた別の機会に更新します。ケアマネにご興味がある方は、またご覧になって頂けるとうれしいです。
今後、在宅介護・医療はさらにニーズが高まっていくことになります。ぜひ、在宅生活を支えていくケアマネナースが増えていくことを願います(*^_^*)
この記事を書いた人
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ただ今、0歳児を子育て奮闘中です。夜泣きが夜勤より大変だと思う日々です。
子育てとミドサーをエンジョイしていきたいと思います。
大学病院の整形外科や保育園ナース、居宅ケアマネジャーとして働いてまいりました。現在は、のんびり育休中です。
ちなみに苦手なことは採血です(*_*)
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