小児・認知症を患った喘息患者のお役立ちグッズ
雨時や台風が上陸する気候が不安定な頃、喘息が悪化しやすいですよね。病院受診をして吸入薬を処方してもらったのはありがたいのですが、なかなか理解を得るのが難しい小児や認知症患者に吸入するのは苦心します。そんな折に薬局の薬剤師さんにお役立ちグッズを教えて頂いたのでご紹介します。
吸入時の困った!が改善すると喘息も軽減する
現在特養に努めているのですが、喘息持ちの方は結構います。
程度によりますが認知症を患っている方に吸入しようとしても、まずは吸入口を口に加えてもらえません。
仕方ないので鼻の穴からしていました。
中には、わけがわからず顔を動かしてしまう人もいます。
息を吸って止めてゆっくり吐いてと言っても、ジェスチャーで伝えてもなかなか伝わらず、シュッと吸入しても本当に効いているの?という感じでした。
発作時の指示の吸入をしても、あまり効かないことが多く受診→入院となっていました。
こんな愚痴を提携の薬局店の薬剤師さんに話すと、エアロチャンバーを紹介してくれました。
早速、このエアロチャンバーを使って吸入を試してみると、特に吸って吐いてなんて促さなくても普通に息をしてもらうだけで吸入薬の吸い込みができているようで、喘息発作が起きる頻度が減り喘息で入院することがほとんどなくなりました。。
エアロチャンバーの特徴
全体像は、写真1をご覧ください。オルベスコ吸入薬を装着しています。
小児用は、本体にクマちゃんなどイラストが描かれて親しみやすくなっています。
写真1
写真2
マスク密着で薬剤漏れを防ぐ
写真2をご覧ください。アンビューマスクの形状に似ています。
アンビューのマスクよりさらに柔らかいシリコンでできているので、軽く抑えるだけで顔に密着しやすくなっています。
鼻尾部にもしっかりとフィットするので目に入りません。しかも小児用・大人用と顔に合わせてマスクの大きさを選ぶことができます。
吸気のタイミングに合わせて吸入ができる機能つき
マスクの接続部のやや後ろにフロインジゲーターがついています。
フローインジゲーターには、吸気の時に動く弁がついています。エア漏れがあると弁が動きません。
なので吸気のタイミングに合わせて効率的に薬剤を噴霧できます。
清潔が保てる。
分解し洗浄ができます。構造自体が簡単なので乾燥がしやすいです。
価格が手ごろ
大体3,000円近くで購入できます。
使い方
使い方は顔にマスクを密着させて、吸入して数回普通に息をしてもらいます。
下記のホームページには、動画で使い方が載っています。ぜひ参考にしてみて下さいね。
購入方法
薬局や医療器材店で購入します。まだ、ドラックストアなどには売られていないようです。
エアロチャンバーでも吸入が難しい場合
それでも、認知症が重度でちょっとの刺激で興奮しやすい人への吸入は難しいものです。
他の職員と色々な方法を考え試しててみました。
接し方から振り返ろう
やはり意気込んで笑顔がないのはいけません。エアロチャンバーを持ってニコニコ笑顔で、いかにも吸入は楽しいという雰囲気を醸し出せれば一番です(*^▽^*)
そして、優しく手を握り緊張をほぐしましょう。最初から強く手を握ると緊張感が走るようです。手でエアロチャンバー払い除くのを防ぐという目的もあります。
「マスクをして息が楽になるお薬をしましょう」など必ずわかりやすい言葉で説明をします。
最初は訳が分からず嫌がる人がいますが、大抵の人は何回か行ううちに、これは苦痛を伴わないものだとわかり習慣化すると協力が得られます。
マスクに消毒剤の匂いが染みついていないか
次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤の臭いがつくと不快なものです。消毒剤の臭いが原因で嫌がっていることがありました。
本人専用で使うものですから説明書に書いてあるように中性洗剤で洗いしっかり乾燥させれば感染予防の観点からみて十分です。
次亜塩素酸ナトリウムに付けるならば1回/週の目安と書かれています。浸ける時間にも注意し、浸けたあとはしっかりと水道水で薬剤を流して下さいね。
新製品は食器乾燥機でも洗えるそうですよ。ただし乾燥機能には適応できないので気を付けて下さいね。
ご興味のあり方は、毎日の吸入にぜひ活用して喘息発作を防いでくださいね。
エアロチャンバーを教えて下さった薬剤師さんには深く感謝しています。
薬の投与方法で悩んでいることがあるときは、薬剤師さんに聞くと力になってくれてありがたいです。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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