わたしの流産体験その2~流産後から復帰まで~

妊娠5ヶ月になり、寸胴体型になってしまいました、空です(^-^)
前回は妊娠判明から流産までお話させていただきました。
今回は、流産をし落胆する日々から、職場復帰するまで、その経過についてお話させていただきます。
流産後のスケジュール
今後のスケジュールについて説明がありました。
出血が止まっているため当日からシャワーは可。1週間後から入浴可。10日後に再診。2週間後から性生活可。2回の生理を確認後、妊娠可とのことでした。
流産後、職場への報告
病院を出て、ただただ涙が出るばかりでした。
流産発覚後すぐに職場の上司に報告にいきました。
2週間の休暇を指示された診断書を渡しました。冷静に報告しようと思っても、体は小さく震え涙がこぼれました。
「休暇の2週間というのは、あくまでも目安だからね。まずは仕事のことを忘れて、家でゆっくり過ごして、傷ついた体と心を休ませてね。電話でもいいので2週間後状態を連絡ちょうだい。2週間後復帰するかどうかは、そのとき考えよう。」
上司はそう話してくれました。このときの上司の言葉は本当にありがたかったです。
流産した事実は、上司からスタッフに伝えてもらうようお願いしました。
流産後の思い
流産後の心は、わかりやすく言うと、どん底でした。
赤ちゃんがお腹からいなくなってしまった。あんなに幸せを感じていたのに、もういないんだ・・・。赤ちゃんが自分のせいで生まれてこれなかったのではないか。赤ちゃんは苦しかったんだろうか。
咳で腹圧をかけてしまったのか、自分がしっかり体調管理していれば。もっと早くに受診したり薬をもらっていれば何か変わっていたのか。
自分が妊娠判明してすぐに夜勤を免除してもらうように頼んでいれば。他の人に業務を依頼すれば良かったのか。
自分は赤ちゃんを育てられる体ではないのではないか。子供も無事に産めない体だだなんて赤ちゃんに申し訳ない。女性として恥ずかしい。
どうして自分の赤ちゃんだけがこんな目にあってしまうのか。
夫はこんな自分を愛し続けてくれるんだろうか。妊娠することが怖い、あのような痛みはもう一生経験したくない。
報告した友人や職場の人にもどんな顔で会ったらいいのか・・・かわいそうって思われるなんて嫌だ。
救われた夫の言葉
そんなことばかりぐるぐる考えているとき、わたしがまず救われたのは、夫の言葉でした。
「赤ちゃんの名前、どうしようか?」
心臓も動いていなく生きていたのかさえわからない、もう形にも残っていないわたしたちの赤ちゃん。
この言葉は、赤ちゃんの存在を認めてくれた気がしたのです。
そして、二人で名前を決めました。
支えてくれた人の温かさ
ひとりでただ座っている時間は、特に、押しつぶされそうな思いになり涙が止まらなくなりました。
そのため時々家事をしたり、音楽を聴いたり。それでも頭から赤ちゃんへの思いは消えません。
夫の実家に連れて行かれ、姑・義姉が過去に流産をしたと、話を聞きました。
姑・義姉はわたしの辛さを共感し、辛い気持ちを我慢しなくてよいと教えてくれました。友人は電話をくれ話を聞いてくれました。夫は、一緒に悲しんでくれました。
私を救ったもう一つの出来事
夫の実家近くのショッピングモールで、わたしを救ってくれる人との出会いがありました。
それは、お客さんの名前を色紙に書くアーティストの方でした。
お客さんが席に座ると、アーティストの方は、そのお客さんから感じた言葉を詩に変え、名前とともに色紙に書いていました。
普段はそういうものに興味がない私たちですが、夫が「やってみよう」と言いました。
わたしたちは、席に座り、お互いの名前と今は亡き子供の名前を伝え、書いてもらいました。流産をしたことや、子供がすでに亡くなっていることは伝えませんでした。
そこに書かれた言葉は下のようでした。
「あなたから始まります。み~んな深いところで仲良しだから。あなたが笑えば笑うしあなたが涙すれば涙する。たましいの仲良しは深いところで一つだね。」
救われる思いがして、帰り道、夫とずっとその色紙を眺めました。
わたしたちは赤ちゃんの葬儀はせず、この色紙をいつも見えるところに飾り、忘れないことを心に誓いました。
その日以来、私はほとんど泣かなくなりました。
2週間後
そうして2週間が経った頃、確実に体と心は回復してきていました。職場に行き上司に復帰できそうだと告げました。
「あと1週間だけ休んでいいよ。それじゃあ、1週間後の〇日、待ってるからね。」と上司は話しました。
その後の1週間は、普段できないことをしたり買い物をしたり、、、楽しく過ごすことができました。
復帰
仕事を復帰する日がきました。
どんな顔で出社しよう。落胆していては周りの皆も気を使うだろう、そう思い、無理に笑顔にもならず、いつも通り過ごすことにしました。
職場に着くと、一部の方は体調を気遣う言葉をくれました。多くの方は普段通りに接してくれました。
なかなか声をかけずらいでしょうに、体調を気遣う言葉も普段通りに接してくれるのも、とてもありがたかったです。
仕事を復帰し忙しく働いていくと、ますます私の心は回復していきました。
もともと自分の失敗や経験を包み隠さず話す方だった私。流産後のもっとも辛い頃の思いを話したり、流産直前の下腹部痛がどんなものか話をすることもできるようになりました。
流産の経験が私にもたらしたもの
流産の経験は、わたしにとってこれまでの人生でもっとも辛い経験の中の1つです。それでも、流産をしてわかったことがありました。
それは、夫が優しく頼りにできる存在だということ。
そして、自分が落ち込んだときに支えてくれる人々の温かさでした。
これらがあったからこそ、わたしは回復できたのだと思います。
これまでSNSなどで多くの赤ちゃんの誕生の写真を見てきました。それ故か、赤ちゃんが無事に生まれることが、今までは身近で普通のことに思えていました。
しかし、私が流産の経験を隠さずに周りに話していると、思いの他、周りの友人でも、流産を経験したり妊娠中切迫流産となった方が数人いました。
今では、つくづく子供の誕生とは奇跡だと思えてなりません。
順調な経過をたどっている方も、多くの不安を抱えマタニティ期を乗り切ったのだと思います。
今わたしのお腹にいる赤ちゃんが、無事にこの世に生まれてくれるよう、ただただ祈っています(^-^)
この記事を書いた人
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適当・面倒くさがり・要領が悪い三拍子揃った不器用ナース、空です(´∀`)
現在30歳、妊娠4ヶ月のマタニティナースです。仕事以外の時間は犬と戯れたり携帯ゲームに没頭してます。よろしくお願いします(*´u`*)
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適当・面倒くさがり・要領が悪い三拍子揃った不器用ナース、空です(´∀`) 現在30歳、妊娠4ヶ月のマタニティナースです。仕事以外の時間は犬と戯れたり携帯ゲームに没頭してます。よろしくお願いします(*´u`*)
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