看護師が教える胃カメラを楽に受ける8つのコツ
「胃カメラはつらい!」「胃カメラと聞いただけで憂鬱な気分になる」という声が多く聞かれます。
しかし、胃カメラは指ほど太くはありませんしコツをつかめばある程度楽に受けられるものです。
私は、内視鏡室で働いた経験があり、今は様々なクリニックで単発バイトとして内視鏡室で働かせて頂いています。
その経験から胃カメラを楽に受けるコツをお伝えします。
病院選び
以前、田舎の総合病院に勤めていましたが、消化器内科ではなく呼吸器内科の医師が胃カメラを検査をしていました。気管支のカメラができるからまぁできなくはありません。
時に、他の病院から消化器内科の医師が助勤にきて胃カメラをするのですが、症例をこなしていることもあり専門外の医師に比べて上手です。
患者さんの苦痛も違います。
よって、胃カメラを受けるならば、消化器内科専門医師のいる病院を選びましょう。
鼻からの胃カメラを選んだほうがいいの?
胃カメラを鼻から入れたほうが、解剖学的に嘔吐反射がでにくくなり楽だと言われています。
しかし、個人差があります。
生まれつき鼻が小さく鼻腔も狭い人、鼻腔粘膜が弱く鼻血が出やすい人は、痛みを感じたり鼻血が出たりすることがあります。
また、鼻からの胃カメラは口からの胃カメラに比べて、管が細いですので画像がやや劣り、胃の中の泡を吸引して見やすくするのに時間がかかってしまうというマイナス面があります。
怪しい胃の粘膜が見つかった場合、組織を摂って検査をすることが難しい場合もあり、次は口からカメラをしましょうなど、二度手間になってしまうこともあります。
胃の症状が強く、以前検診で異常があった場合は、鼻からの胃カメラを望んでも口からの胃カメラをお勧めする場合がありますので、病院に相談しましょう。
喉の麻酔を確実に効かせる
胃カメラは、口でも鼻からでも喉をとおります。そのため咽頭反射が促され「オエーッ」となり苦しいのです。そこで苦しさを軽減するために喉に麻酔をかけます。
看護師の説明のもと、首を後ろにそらし天井を見て、麻酔薬を喉の奥のほうに溜めて麻酔が効いてくるまで10分ぐらいそのままでいます。
麻酔が十分に効くと唾を飲み込むことすら難しくなることでしょう。
意識下鎮静法(セデーション)を希望する
意識下鎮静法は、全身麻酔ではありませんが、少量の静脈注射をして苦痛や痛みが感じられない程度に意識レベルを低下させる方法を言います。
この方法で検査を受けると検査中に苦痛を感じることはありません。
胃カメラの検査終了後には、鎮静剤の作用を取り除くために拮抗薬を静脈注射しますが、意識がしっかりするため違う部屋に移って頂き30分から1時間ほど、ベッドで休んで頂きます。
決して唾を飲み込まない
胃カメラの管が通過する時に苦しいからと言って唾を飲み込んではいけません。
美人またはイケメンの医師だからと言って恥ずかしがってはいけません。
唾液を飲み込むとほとんどの確率で気管に入ってしまいむせ込み苦しい思いをすることになります。
まな板の鯉になったつもりで何も考えずリラックスをして、唾液は口角から流れ出るようにしましょう。
下側になる左下の頬は、枕にべったりとつけるようにすると唾液が外に流れやすく楽です。
目は開ける?閉じる?
見えないように目を閉じてしまいがちですが、目を閉じるとどうしても喉に意識が集中してしまう人が多いようです。
前の方をぼんやりとみるようにすると良いようです。
げっぷは我慢する
胃の中に空気を入れて胃を膨らませることによって胃の粘膜が見やすくなります。
その時にげっぷがをしたくなりますが、我慢して頑張ると検査はあっという間に終わりますので頑張りましょう。
また胃が膨らむので、体を締め付けない楽な服装で検査に臨みましょう。
好きな音楽を持ち込む
病院によってですが、好きな音楽CD持ち込みOKなところがあります。
好きな音楽を聞いてリラックスしているうちに検査が終わります。
日頃、聞いてリラックスする音楽があれば、持ち込んでかけてもらいましょう。
まとめ
何よりもリラックスして検査を受けることが楽に検査を受けることに繋がります。
少しでもわからないことがあり、それが不安や緊張になっていることも少なくありません。
遠慮せずに医師や看護師に聞いて不安や緊張を軽減して胃カメラの検査をうけましょう。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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