ナースはつらいよ

労働組合に入るメリットとデメリット

私は、よくわからず労働組合に入会させられ、当初は何の意味があるのかと文句ばかりを言っていました。

しかし、今は、入って良かったと思っています。

あまり知らされない労働組合の実態とメリット・デメリットをご紹介します。

参加するかどうかは自由意思ですのでぜひご参考くださいませ。

労働組合に入るメリット

労働者の不満を組合が病院・都道府県・国へ働きかけてくれる

労働環境に関して個人では要求しにくかったり、要求しても通らない問題については組合として取り組むことで経営側に対処してもらいやすくなります。

そして、賃金・労働条件は、経営側の問題だけではありません。

看護師の労働組合の歴史を読むとわかるように、組合が積極的に世論にアピールし、社会問題化させてきたことによって改善されたことが沢山あるのです。

私の職場では、不当な転勤や短時間労働・育児休暇、病休の要求に取り合ってくれない場合に、相談や交渉をしてくれています。

医療事故が起きた時にフォローしてくれる

あってはならないことですが、細心の注意を払って行ったとしても起こることがあります。

個人の問題もありますが、労働環境や条件が大きく影響しています。

そんな場合、看護師が不当に責任を負わされたり、過剰な処分を受けることになりそうなら労働組合が相談しましょう。

それが適切な処分なのか確認してくれます。

そして、再発防止のために一緒に活動してくれることは心強いでしょう。

適切な賃金・労働基準がわかる

看護師は、患者さんのために奉仕するものといってこのような知識に疎いものです。

基本的な給料明細の味方から、国において他の職種に比べて看護師の賃金はどうなのか、労働条件はどうなのか、実際の労働からして賃金は見合っているのかを教えてくれました。

とても勉強になります。

私は、特に転職する時、管理職についた時に、それらの知識がとても役立ちました。

地域医療を守る活動ができる

私は特に医師確保困難地域・過疎地で働いた経験があるため、このような活動が実際にできてうれしく感じます。

政府の「構造改革」による医療切り捨て政策の中で、医師・看護師不足などの問題を抱えています。

国公立・公的病院の統廃合がすすみ、療養病床の乱暴な削減など、住民欲求に基づかず行われています。

そこで、住民要求に基づいた病院づくりの運動に取り組んでいます。

よく、市町村の街頭へ出向いて署名活動をしたものです。

平和ツアーに参加できる

実は、国民の命と健康を守る医療労働者として平和運動にも力を入れています。

毎年、広島や長崎、沖縄など線跡・基地を回っています。組合費から補助が出ます。

家族の参加が可能なところもあるそうです。

また、原発反対や憲法9条を守るために、署名活動を行い、都道府県や国に陳述書を提出しています。

みな家族を巻き込んで熱心に署名活動をします。

なぜなら家族のためでもあるからです。

違う職場の看護師や違う職種の人と出会う機会になる

青年部・女性部がありその中で、結束や親睦を図るための目的もあるようなのですが、様々な行事や勉強が、組合費の補助を頂いてできます。

例えば、女性部では、カラーセラピーやアロママッサージなどの勉強をしたり、青年部では、毎年クリスマスパーティーをしています。

組合がきっかけで結ばれ結婚した人が何人もいます。

広い視野で看護を捉えらることができる

病院という枠の中だけで、看護師という仕事を考えていると辛くみじめになります。

しかし、社会から見て看護師はどのような立場にいるのかということが、病院という狭い井戸の中だけでなく広い視野で考え見ることができ、看護師という職に誇りを持つことができます。

看護師だからできることが、世の中にはたくさんあるのです。

看護師だから、声を大にして世の中に発信することで、世の中が良い方向に変わることが沢山あるのです。

よく先輩看護師の労働組合員に言われたのが、看護師が世の中で最初のキャリアーウーマンなのだから、看護師ががんばれば世の中の女性の社会的地位も上がるということです。

労働組合に入るデメリット

組合費が必要

組合費は所属する支部によって違いますが、大抵は月額1000円~数千円ぐらいです。

決して大きな負担となる額ではありませんが、今の労働条件や環境が守られ維持されているのが労働組合のおかげだと知らなければ負担に感じるかもしれません。

病院側からよく思われないときがある

組合活動は年休でできるのですが、理解のない上司にあたった場合、取得できないことがあります。

そして、病院によっては、組合を通じてであっても待遇改善の働きをすることが、よく思われないことがあります。あってはならないことですが、実際にそのようなケースがあります。
病院の体質についてよく知ることも大切です。

仕事が増える

労働の実態調査(サービス残業の時間調査)を実際にして、組合に提出したり、統計の仕事までしました。

選挙活動もさせられました。

会計係、広報係、執行委員長、書記など持ち回りで役がきます。(独身が狙われます)

看護師の仕事だけでも大変なのに組合の仕事も・・・・(;´Д`)と思いました。

でも、これも良い社会勉強となり、組合で覚えた世渡りの仕方や仕事術が、今、活かされています。

さいごに

自分だけの努力で改善が難しい場合は、組合に相談するのが効率的です。

思い悩む前に相談しましょう。

組合費を払っているのですから、相談するのも権利です。

広い視野で人たくさんの人生勉強ができます。

患者さんに安心・安全な看護を提供するためには、そこで働く労働者が安心して誇りを持って働き続けることが大切だと思います。

一人ではなかなか難しいことも、働くものが労働組合で集結し活動するならば、大きな力となり、私たちの願いは叶うのではないでしょうか。

そして、国の総労働者の賃金労働条件の低下は、確実に自分の身に近い将来降りかかってきます。

職場に労働組合があるならば、ぜひご協力ください。

この記事を書いた人

こごみ
十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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お年寄り大好きナース
こごみ
健康が一番!

十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。

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