精神科への転職、何が大変?乗り越える方法とは☆
こんにちは、しまりんごです☆
先日、一般病院から転職し、また精神科のナースになり約半月になります。
一般科経験1年3ヶ月をお土産に戻った精神科看護の道。
6年ほど精神科看護に従事していたので経験値としては結構あるはずの私でしたが、一般病院での経験後に精神科に戻った時には、実はかなりのストレスがありました。
環境が変わったことのストレスはもちろんありますが、それとはまた違ったストレス・・。
以前精神科で働いていた時に、一般病院から来た看護師さんは、精神科になじむのに時間がかかったり早くに退職されたりしていたのを思い出し、今になってそれが理解できたような気がします。
今回は、身体科から精神科に転職するストレスの原因と、その乗り越え方を考えていきたいと思います。
治療や経過の見通しが立たない
例えば、一般病院で、肺炎の患者さんが入院してくることが分かったとしたら、どうしますか?
大体、病院独自のクリティカルパスが用意されていてそれに沿って治療していくでしょう。
クリティカルパスがなかったとしても、酸素の投与だったり、抗生剤の投与だったり大体治療の大筋は決まっていたりしませんか?
心不全だったら、水分制限がかかってくるなーとか、尿測しなきゃなーとか。
貧血傾向の患者さんでヘモグロビン値が下がってきたら輸血するかなーとか。
治療の流れが分かりやすいのが、身体科の良いところです。
大体の流れが分かれば、自分のするべき仕事も見えてきます。
精神科には、それがないのです。クリティカルパスの存在があってもあまり機能していないのが実情です。
同じ病名でも症状は人それぞれですし、効く薬もそれぞれで、良くなっていくかどうかも全く分かりません。
まさに手さぐり。精神科ってデータで判断できるものがほとんどないんですよ。
だから、どんな治療がどう効いたのかも、どれだけ快方に向かっているのかも評価することが難しいのです。
身体科でやってきた看護師さんって、それがすごくストレスに感じると思うのです。私もそうだったのです。
それを乗り越えるにはどうしたらいいのか・・。
これ、とても難しいことなのかもしれませんが、「逆にそれを面白いと感じるようになる」しかないです。
逆に言えば、データ化できない分、自分が患者さんと関わっていく中で感じたことを大事にしていくしかないってことで、そのためには自分の観察力や洞察力を磨くしかないってことでしょう。
そして、精神科は、ドクターが看護師からの情報をかなり重要視してくれているという事実があります。
いつも患者さんを見ている看護師の話をちゃんと聞かないわけにいかないんです。だってドクターだって手さぐりなんですもの。
当然、看護師からの情報によって治療を見直していくわけです。
考えようによっては、身体科よりやりがいがありますよ☆
仕事に効率化を求めてはいけない
一般病院にいるとき、私を常に時間に追われている気がしていました。
時間が決められた仕事もありますし、いつ患者さんが急変するか分からない、入院が入ってくるか分からない状況では、なるべく早く仕事をして突発的に仕事が増えたとしてもこなせるような余裕を作っておかなければならないわけで。
そのためにはやはり、効率良く仕事をしていく方法を考えると思うのです。なるべく動線が短くなるように動こう・・とか。
けれど、精神科は、早く仕事を済ませることに重点を置きません。
部屋を廻り、処置をしていく時でもテキパキと処置をして終わり・・ではなく、「天気が良い日が続いていますね」「朝晩冷えるから風邪ひかないように気をつけて」なんていう会話をしてゆったりと患者さんとコミュニケーションを図ることの方が大切だったりします。
看護師とのコミュニケーションも治療の一環。なんでもないことでも、自分を気にかけてくれていると感じてもらえると何か相談したいことがあったときに切り出してくれやすかったりします。
処置は単なる処置にあらず。さり気なく部屋を観察したりして生活ぶりをみたり、持ち物に映画のパンフレットがあったら「〇〇さん、映画がお好きなんですか?」なんて趣味の話に持ち込んだり。
そして処置自体、ある意味、非言語的コミュニケーションなんですよね。丁寧に優しく触れてもらうだけで、自分は大切にされていると思えるわけです。
あと、精神科の病院には、決まり事が多いのです。例えばお風呂に入る順番。
とっても潔癖で体を洗うのにすごく時間がかかる人がいて、その人を最初にお風呂に呼んでしまえば全体の入浴にかかる時間が短くなります。
けれど、決められた順番で呼ばなければ、患者さんのリズムが狂ってしまったりしますし、精神科の病院は入院期間が長く、患者さんの中で序列のようなものがしっかりしていて、それが狂うとトラブルのもとになります。
早く仕事こなさなきゃというのが当たり前だった一般病院の看護師さんは考え方を切り替えなければなりません。
どうしたら乗り越えられるか・・。どうして精神科の病院に転職したかったかを考えることかなーと思います。
精神科の病院に転職したいって思う人って、「ちょっとゆったり働きたいんだ」とか「患者さんとしっかり関われる看護がしたいんだ」って人が多いんじゃないかなって。
もしそうなんだとしたら、その気持ちを実現させるだけですよ。
繰り返しますが、看護師とのコミュニケーションも治療の一環。あなたとの関わりが患者さんの今後に影響してくるのです。
なんとも言えない停滞感がある
停滞・・・一ヵ所にとどまって動かないこと。物事が順調に進まないこと。
精神科病院に転職して、なんとなくモチベーションが上がらなかったり、保てないのは、これが原因だと思います。
何が停滞しているか。患者さんの治療だったり、状態だったり・・うーん。言葉にするのは難しいんですけど。
「あー、良くなってきたな」っていう感じが得られにくいのですよね。
かといって、急激に悪くなった感じもなかったりして、まさに一ヵ所にとどまって動かない感じなのです。
毎日、同じように過ぎていくような。時間だけが過ぎるような。何も変わらないような。
身体科ではあまりない感覚かもしれません。
人って、自分がした仕事を無意識のうちに評価したがるものだと思うんです。
物事の変化って、その指標になってるわけですよね。
停滞している感じって、自分が成長できていないようなそんな感覚につながってしまうのかもしれません。
それが苦痛になることも大いにあります。
乗り越える方法、実は私もまだちゃんと見つけられずにいます。
でも、極論ですが「生きてるだけで素晴らしい」と思うことなのかなって。
精神科の患者さんってね、結構簡単に死んじゃうんですよ。
うつ病の人の自殺率って本当にびっくりするくらい高いし、認知症の人は徘徊して川に飛び込んだりするし、幻覚や妄想がある患者さんだったらそれに支配されてあっさり亡くなったりするんです。
停滞しているように見えても、その人なりの人生を生きているわけだし、命がある間は人は成長し続けるはずなんです。
だから、生きているだけで素晴らしい。それをサポートしていくのが自分の仕事。
そう思うと、ちょっと気持ちが楽になりますよ。
お菓子食べて美味しいって笑ってる患者さん見て、「良かったなー」って。だってそれだけで、生きてる意味あるじゃないですか。
まとめ
精神科経験のある私でもストレスを感じたので、身体科の経験のみで転職される方はなかなか精神科看護に馴染めないかもしれません。
けれど、身体科にない魅力も多いと私は思っています。
身体科から転職をお考えの方の心の準備の手助けになったら幸いです☆
この記事を書いた人
- 育児花丸旦那さんと4歳の息子との3人暮らし☆専業主婦に対する憧れも密かに抱きつつ、常勤で走り続けるワーキングマザーです。趣味は楽器演奏と、映画鑑賞。最近は手芸店巡りが大好き。目指すは、なんでも挑戦する30代♪
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