認知症専門病棟ならでは!?の「看護師あるある」
約10年間の看護師人生の中、一番印象に残っているのが、認知症専門病棟で過ごした日々です。
今回は、そんな認知症専門病棟での「看護師あるある」をご紹介します!認知症看護の悲喜こもごもを、ご覧ください!
【あるあるその1】入院初日の患者さんがいる夜勤は荒れる
認知症治療のために入院された患者さんの入院初日は、環境の変化から、より強く症状が出ます。
徘徊が主症状の方は、帰宅願望が強くなり、夜になっても出口を探し、病棟内を徘徊し続けます。
暴力行為が主症状の方は易怒的となり、少しでも油断するとすぐに拳が飛んできます。
拒食が主症状の人は食事・薬をすべて拒否されますし、過食の方は目を離したすきに他の患者さんの食事を食べてしまい、トラブルを起こしてしまいます。
認知症看護は、患者さんの情報を集め、個々の患者さんに合った対応を考え、実践します。しかし、入院初日はまだ情報が少ないので、患者さんへの対応方法も手探りです。
一方で、症状を見極めるために、積極的な精神薬の投与はまだ行われません。
症状は強く出ているのに、精神薬はまだ使えない。情報も少なく、患者さんに適した対応方法もまだ確立されていない。
そんな中始まる夜勤は、もう始まる前から嫌な予感しかしません。
「入院初日の患者さんがいるかどうか。」
夜勤の運命は、新規の入院患者さんが握っているといっても、過言ではありません。
【あるあるその2】病棟に忘れ物をすると、すごく気まずい
認知症専門病棟では、病棟の出入り口は一か所のみで、24時間365日施錠されています。
簡単に出入りできないようにすることで、患者さんの離棟を防ぎ、安全を守っているのです。
一方、それだけ厳重に管理されているので、職員も出入りする際にはひと手間かかります。
入棟するときはチャイムを鳴らし、中にいる職員によって鍵を開けてもらわなくてはいけませんし、離棟するときには、他の職員に自分が出た後、すぐに鍵をかけなおしてもらう必要があります。
よって、仕事が終わり、病棟を出た後に忘れ物に気が付くと、再び病棟に入るために夜勤者へ開錠をお願いしなくてはならないため、非常に気まずくなります。
一度、苦手な先輩が夜勤の時に忘れ物をしてしまったことがあったのですが、その時は開錠と同時に、先輩の舌打ちが聞こえました。
先輩に対し、「私のせいで、忙しい中さらに迷惑をかけてしまった」と申し訳なく思う気持ちと共に、「舌打ちまでしなくてもいいじゃん」という軽い愚痴、そして「あぁ、もう早く家に帰って休みたい」という疲労など、もう様々な気持ちが同時に襲ってきて、さらに疲れが増したのでした…。
【あるあるその3】反射神経が良くなる
入院患者さんの中には、症状によって暴力行為が顕著に出ている方や、食事を周辺にまき散らしてしまう方がいらっしゃいます。
看護師として日々そういった患者さんと接する中で、看護師はそれらを回避する技が身につき、結果として少しずつ反射神経が良くなります。
私もこの病棟に勤務したおかげで反射神経はかなり向上し、現在は子供との戦いごっこにおいて、子供の拳やキックはほとんどかわす自信があります。
いかがでしたか?
今回ご紹介したあるあるは、あくまで私が経験した認知症専門病棟でのあるあるです。
全ての認知症専門病棟がそうだとは言いませんが、このあるあるで少しでも認知症専門病棟を身近に感じていただけたら、嬉しいです!
この記事を書いた人
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ライター兼二児&二匹のママ兼ナースとして、あわただしい日々を過ごす。
もうすぐ2歳の娘の口癖は「バナナ!」。
どんなに頑張って食事を作っても、食事の時は必ず「バナナ、ないの?」とまずバナナを探されてしまいます。
今の目標、それはバナナよりもおいしいご飯を作れるようになること。
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