うん〇がついている看護師の仕事
看護師の仕事は、排便ケアと縁が切れません。
沢山の排便ケアに出会った時は、うん〇という言葉から運がついていると自分をなだめています。
数え切れない程の排泄ケアから、あるあるエピソードをご紹介します。
お産のように嬉しい排便
便秘の患者さんが、処置なしで便が出た時やく苦労してやっと排便があった時は、患者さんだけでなく看護師も一緒に喜びます。
しかもオムツでなくてトイレで出た時の喜びは最高です。
死に便
死ぬ間際に、肛門の筋肉が緩んで多量の便が出ることがあります。
患者さんの体を包むように、便の溜まりになっていることもあります。
バイタルはあまり変わりないけれど、もしかしてあの世のお迎えが近いかもしれないと予測します。
便が飛んでくる
下半身不随麻痺になると、ガスや便が溜まりやすく、浣腸や敵便をしなければいけません。
下半身不随麻痺という現状を受け止められなかったり、ストレスで過食になっている患者さんの排便処置は大変です。
ガスがたまりやすい炭酸飲料、消化に悪い肉類や豆類などを多量に食べた後は、ガスと共に便に含まれている内容物が飛んできます。
ピーナッツやらスイカの種やらものすごい勢いで飛んでくるのです。
1mほど離れた壁にも着くほどの勢いです。
臀部に新聞紙を覆って対処しているのですが、タイミングが悪かったり、ガスと便の勢いに負けてしまうことがあるため、手袋・ガウン・マスクを装着して臨んでいます。
排便ケアをした後の食事
手袋を2重~3重にして着けて敵便するのですが、念入りに手を洗ってもなかなか臭いが落ちないという時はありませんか?
手だけではなく他にも着いているのではないかと確かめています。
感染対策である、「ディスポ手袋には見えない穴が開いている可能性がある」ということの証明かもしれません。
しかも、泥状の排便を見たあとのカレーは、ちょっと食べる気がしません。
便でメッセージ
オムツに出た便が気持ち悪くて、自分でかまってしまう行為を「ろう便」と呼びます。
おむつ交換や更衣をするときは、便が着いた手で辺りかまわず触ってしまいます。
先に手を拭いても、ケア中に便に触れてしまうこともあります。
そんな時は、患者さんにも一時手袋をしてもらっています。
なかには、自分の便を食べてしまう患者さんがいました。
不思議と具合が悪くなったことがありません。
そして、一番印象に残っているのは、自分の便で壁に絵を描いたりメッセージを書いていた患者さんです。
壁に「ありがとう」と便で書かれていた時は、複雑な気持ちになりました。
そのうちダイニングメッセージも便で書くのではなんて、同僚と笑い話にしています。
便のオブジェ
認知症を患い、便器ということを認識できなくなると様々なところで排便をします。
洗面所やゴミ箱、ご家族が持ってきてくれたローズ柄の美しい洗面器に排便がされていたこともありました。
もう笑うしかありません。
美しいバナナの形をした便が、まるでオブジェのようにテーブルの上にあった時は、思わず他の人も呼んでしまいました。
排便コントロール
よく使ってしまいがちな言葉ですが、他人の排便をコントロールしようなんておこがましいことかもしれません。
しかし、看護師は、日勤帯の人手が沢山いるときに排便があるようにとコントロールしがちです。
看護師が排便コントロールしようとしている患者さんに限って夜勤帯や、タイミング悪く引き継ぎ間際に排便があるものです。
排便が漏れて汚れないように
排便が漏れて衣類やシーツが汚れないようにオムツをあてる工夫が、日々研究されています。
その人にあったサイズ、オムツのギャザーをフィットさせるのは当たり前です。
その他、寝たきり状態の方に限りますが、おむつの方向を変えて2枚重ねにしたり、平オムツでお尻を巻いたりします。
どこからオムツを開くのか、おむつを開いた時の便の流れを予測して、おしり拭きで土手を作ったりと様々な工夫がなされています。
自分でオムツを取ってしまう患者さんは、上下つなぎの服を着させられてしまうことがあります。
さいごに
看護師になると、排便の話をする恥じらいが無くなってしまっていることがあります。
看護師以外の人に話す時は、くれぐれもお気を付け下さいませ。
いや内々で話すから笑えるのかもしれません。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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