腕が良いが性格の悪い医師とその反対の医師
そんな医師の狭間で患者は悩み苦しみます。
さて、そんなとき看護師はどうしたらいいのでしょか。
腕が良いけど性格が悪い医師
大規模な総合病院には、案外こんな医師はいますよね。
外科系に多くいるように感じます。
外科病棟で働いていた時、カリスマのように手術の上手な医師がいました。
また好奇心が旺盛でもあるため新しい治療を積極的に取り入れていました。
自分の治療方針に同意する患者さんには、親身になって応じ往診時には「ともに頑張りましょう。全力を尽くします」などとリップサービス過剰で、時には患者さん肩を抱いてまで励ましている時すらあります。
しかし、高齢者が多い田舎では積極的な治療に耐えられる患者ばかりではなく、人それぞれの価値観により積極な治療を望まない患者もいます。
自分の治療方針に応じないとなると、態度が一変し興味なしといった感じになります。
「それ(治療に応じない)ならば退院していい。もう病院に来なくていい。」と暴言を吐いて患者さんを怒らせてしまったこともあります。
看護師に対しては、若くて自分のお気に入りの看護師には優しいのですが、それ以外は、あらさがしをしてチクチク嫌味を言う感じでした。
看護師はどう対処する?
可能ならば患者が面と向かって自分の意見や気持ちを言うより、看護師がクッションとなり患者の意見や気持ちを聞いて医師に伝えるという方法をとるといいのではないかと私は思いました。
また、「医師としての技術や腕はいいのですが話すのが下手で、表現が下手で不快な思いをして申し訳ありません」などと先輩の真似をし患者さんに謝罪したことが何回かあります。
そのような医師には、診断と医療技術の提供を求めて、他は求めてはいけないと割り切って仕事をするようになりました。
へそを曲げて仕事を放棄して患者を困らせるより、とにかく仕事をしてもらえばそれでいいのです。
医師に患者さんの精神的ケアを求めるのはのはやめました。
性格はいいけれど腕が悪い医師
極端に性格がいいけれど腕が悪い医師は、めったにいないように感じますが皆さんどうですか?
以前、泌尿器科病棟に勤めていた時にそんな珍しい医師に遭遇しました。
IVHを挿入する時は、大抵は上手く行かず血だらけになります。
末梢点滴のサーフロ挿入の時も、何度も失敗するので病棟の在庫の減りが半端ありません。
簡単な前立腺の手術なのですが、神経を傷つけてしまい患者さんの片足にしびれと軽い麻痺が残るという後遺症が残ってしまったということもありました。
しかし、日ごろ真面目に熱心に患者に応じていたことから示談で和解するという結果になりました。
看護師はどう対処する?
経験を積めば技術が上達してくるかもしれません。若い医師ならば待とうという気持ちになります。
その医師の持っている技術では危ないと思った時は、できるだけプライドを傷つけないようにこっそり他の医師の助けを求めています。
なによりも「命」優先ですから。
腕が悪くても性格の良いという長所は、患者さんへのムンテラには向いてますよね。
また、腕が悪いという中に、診断の見立てが悪いというのも含まれるとかなり厄介ですが、技術的な腕の悪さだけならば、技術の提供があまりないと思われる精神科医に向いているのではないかと思ってしまいます。
さいごに
「腕が良いのに性格が悪い医師」「腕が悪いが性格が良い医師」足して2で割ることができたらいいのにと思いますが実際そんなことはできません。
しかし、病院は医師一人で成り立っているのではありません。
医療は、チームで協働してこそより良い医療を提供できるのではないかと思います。
お互い良い面が活かせるように、足りないところは補えるように協力していけたらベストですね。
また、どちらが良い、悪いとも言えません。
ある場面では良いけれど、ある場面では悪く評価されることもあるからです。状況や環境によって良い悪いが変わってくるからです。
医師だけでなく、看護師の世界もみれば「判断や技術はよくできるけど性格が悪い」またはその反対の看護師はいますよね。
皆さんは、このような医師や看護師にどのように付き合っていますか?
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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