元精神科ナースが教える☆つらい人間関係を楽にする方法②

こんにちは。しまりんごです。
ナースは人とコミュニケーションをとらなくてはできない仕事です。患者様や利用者様相手であったり、看護師同士であったり、他職種相手であったり、とにかく人間関係で疲れてしまうことが多いです。

つらい人間関係を楽にする方法1では、人間関係で困難を感じるありがちな原因3つをお伝えしました。今回は、その中で最も解決が困難なケースである、「パーソナリティ障害の傾向が強い人に振り回される」ケースについて少し詳しくお伝えします。

まず一つ理解していただきたいことがあります。それは、「誰しもパーソナリティに偏りがある」ということ。日常生活に支障が出ていなければ、「障害」という言葉はつきませんが、みんなそれぞれ生き癖があり、それぞれ病的と言えなくもない状況があるということです。

あなたに「この人と関わるのは正直きつい」というお相手がいたとします。その方のパーソナリティの傾向を知ることはその人と関わるときにどう関わるべきか参考になるでしょう。そして、あなた自身がどういうパーソナリティの傾向があるのかを知ることも、これから生きていくうえでのヒントになり得ます。そんなことを考えながら読み進めていただければ幸いです。以下、パーソナリティの型別特徴とその人への適した対応です☆

ジゾイドパーソナリティ

特徴：他者への関心や関わりへの欲求が乏しく、根っから孤独が性に合っている。

対応：距離をよくとって親しさを求めすぎない。本人のペースやタイミングを尊重し、世間的な価値観を押し付けない。

統合失調型パーソナリティ

特徴：風変りさや非現実的な考えや知覚に支配されていることが特徴

対応：本人の独特のライフスタイルや考え方を理解し尊重する。ユニークな点を評価する。

妄想性パーソナリティ

特徴：強い猜疑心と対人関係不信感が特徴。人の行動の裏に敵意や悪意を探してしまう。

対応：不用意に親しくなりすぎない。礼儀や約束は守り、隠し事やごまかしをしない。

自己愛性パーソナリティ

特徴：過剰な自信や誇大な願望、他者に対する尊大や態度や共感性のなさが特徴。世界は自分のためにあり、人に感謝を示さない。

対応：称賛する。十分な人間関係ができたところで、控えめな助言や指示を与える。

演技性パーソナリティ

特徴：注目や関心に対するあくなき欲求と身体的な自己顕示が特徴

対応：注目を得ようとする行動に批判的な態度をとるのではなく内面的な魅力を評価する。

反社会性パーソナリティ

特徴：犯罪行為などの反社会的な行動をとりながら罪悪感をもたない。他者への共感性に乏しく、人を傷つけることを平気でやる。

対応：否定されることに敏感であるため、中立的な態度や言葉を心がける。決して弱さをみせてはいけない。

境界性パーソナリティ

特徴：気分や対人関係の両極端な変動がみられる。

対応：一貫した態度をとる。あくまで中立的な態度で接する。

回避性パーソナリティ

特徴：失敗や傷つくことを極端に恐れ、対人接触や課題への挑戦を回避することが特徴

対応：成功・失敗ではなくチャレンジしたことを評価する

依存性パーソナリティ

特徴：自己の無力感と他者への依存が特徴。常に従属的で絶対に自分で決定しない。相手の機嫌に敏感で良い人を演じようとする。

対応：失敗してもいいから自分で判断し決定するように仕向ける。自分の意見を言ったときに評価する。

強迫性パーソナリティ

特徴：秩序や一定の流儀に強く囚われる。真面目で倫理的だが度が過ぎる。無自覚に周囲に自分のやり方を強要。

対応：本人のこだわりを尊重する。互いの責任の範囲をはっきりさせる。

いかがですか？「私の苦手なあの人、このパーソナリティっぽいな」「私、これ当てはまるわ」ということがきっとあると思います。実は私も3つくらい特徴をとらえていると感じるものがあります（笑）

私の経験上、上記のパーソナリティで周囲の人が振り回されとても疲れてしまうものは、妄想性パーソナリティ、自己愛性パーソナリティ、境界性パーソナリティ、依存性パーソナリティ、強迫性パーソナリティの5つに多いと感じます。

ここまでそれぞれのパーソナリティの型についてお話しましたが、次回パート3は、パーソナリティ障害の傾向がとても強い人の特徴についてお話したいと思います。あなたの苦手とする人に当てはまるかどうか、そしてもしかしてあなた自身に当てはまるか。医師が診断するまで障害にはならないのであくまでも指標なのですが、あなたがなぜ彼を、彼女を苦手だと感じるのかのヒントになるかもしれませんよ。