それでも看護師を続ける理由
親に家の「女性には学は必要ない!」と言われ大学進学や短大進学を反対され、普通科の高校を卒業してすぐに就職するのも不安で動機不純で実家近くの看護学校に入学した私です。
コミュニケーション能力が低く、人間関係を築いていくのがあまり得意でないので、何度看護師をやめようと思ったことかわかりません。
それでも看護師を続け20年という月日が経ちました。続けることによって嫌なこと以上に看護師の仕事に沢山の魅力を感じるようになりました。
これから私が書くことが、看護師の仕事を続けるモチベーションを上げるのに少しでもお役に立つことを願います。
全国どこに行っても仕事がある
夫の仕事により急な転勤となりましたが、転勤先でもすぐに看護の仕事ができて助かりました。夫が単身赴任をしないでいいのです。
転勤先で仕事をすることにより、職場の方々に助けられ、新しい土地にすぐに慣れることができました。
人生のライフイベントに合わせて働くことができる
昔から女性が大半の職場ですから他の会社と比べ、出産・子育て・介護などのライフイベントに理解があり、いち早く短時間制度や育児休暇を取り入れている業界です。最近は託児所がある職場も増えつつあります。
そして、例え育児や介護などで数年休んだとしても、やる気さえあればいつでも復帰できる仕事です。
私も実際、育児や介護で実際数年休みましたが、注射などの技術もやっているうちに体が覚えているのかいつの間にか以前のようにできるようになりました。
パートや派遣ならば半日だけの仕事もあり、その時の状況によって働き方を選ぶことができるほど看護師の求人は沢山あります。
田舎より都市部の方が、同じ看護師でも種類が多く、様々な働き方ができます。
また、様々な働き方やができるので、夢を追いかけて看護師のしながら違う仕事をするために学校に通うということも可能です。
給料・時給がいい
他のバイトに比べれば看護師のバイトの時給は高いものです。
なので看護師をいったん辞めて違う仕事について「やっぱり看護の仕事の方がいい」と戻ってくる人を何人も知っています。
私は、子育て中に一時ですが看護とは違う仕事をしてみて、今までと同じような給料をもらうのは能力が足りず大変であり、やっぱり看護師しか自分にはできないんだなと世間の厳しさを感じたこともありました。
生命の神秘を実際に感じることができる
生命の誕生・生命力・終焉を目の当たりにして命の神秘を感じられずにはいられません。
救急外来で働いていたときは、自分も事故や病気でいつ死ぬか分からない存在であるということを強く感じて、今を大切に生きようと心から思いました。
そして、自分一人で生きているのではなく沢山の人々に助けられ、計り知れない自然の支援によって日々生かされていることを実感することがあります。
毎日、自分の意志とは関係なく、生きるために必要な空気や水などがある環境を与えられ、命を持続するために働いてくれている臓器や細胞に感謝しています。
看護師になっていなかったら、自分の生命をないがしろにしていたかもしれません。
どんな時代になっても人間しかできない仕事
どんなに科学技術が発達して人間に近いロボットが開発されようとも絶対に人間しかできない仕事だと私は看護という仕事に誇りをもっています。
人間それぞれに個別性があり、やはりそれには人間しか対応できないと思います。
そんな様々な人間がいる社会だからこそ自分のような人間もいていいんだな、自分の個性が時として役立つことがあるんだなと感じることがあります。
様々な人の大切な人生の一部に立ち会うことができる
病気になっても前向きに一生懸命生きている人、そうではない人からでも反面教師として学ぶことが沢山あります。
人間病気などで窮地に立つと、本音や本質が丸見えになることがあり、ドラマや小説よりも味わい深いものがあります。財産争いがよくある例かもしれません。
そして人生最大と言ってもいいイベント、「誕生・死の瞬間」に立ち会わせて頂けるのは、看護の仕事だけだと思います。
死はだれでも平等に訪れて、魂以外この世で得たものはあの世へ何も持っていけないこと、過度な執着や欲をもつと不幸になることも目のあたりにし、生きていくには何が必要なのか考えさられます。
様々な方々の人生に関わらせて頂き、「命を与えられたことに感謝してがんばろう!」と思えるようになりました。
人のお役に立てること
「ありがとう」と感謝されればもちろんうれしいですが、その人らしさや笑顔が見れた時が一番うれしいものです。
多くの職業は社会の役に立つためにあるのですが、看護師の仕事は、生きる上で大切な健康に関するお手伝いができるということがやりがいにつながっているように感じます。
お役にたてる看護師になれるように頑張ります!(^^)!
夜勤の明け方に美しい朝日が見られる
夜勤をしていると日が昇る瞬間を見られます。入院していたおばあさんに、山から昇る朝日の美しさを教えられて思わず一緒に手を合わせて拝んだことがあります。
美しい朝日を見ると、なぜか辛いことも吹き飛ばされ「今日という新しい日を迎えられありがとう」という気持ちになります。
平日しか味わえない楽しみを堪能できる
シフト制の仕事が多い看護師の仕事がら、平日休みが多いですよね。休日より平日の方が、ショッピングや旅行で割引価格のことが多くお得感を感じます。
しかも、平日は人が少なく落ち着いているのもいいですね。
特に混雑する祝日や夏休みを避けて休めるので最高です。
意外と平日にある子供の学校行事も、休日だけでなく夜勤明けや準夜勤前も利用してフルに参加することができます。(健康には気をつけなければいけませんが・・・)
信頼されること
看護師というだけで「真面目であるに違いない」と、無条件に信頼されることです。
ちょっとその期待が重いこともありますが信頼されるのは嬉しいことです。信頼を裏切らないように、真面目に生きたいものです。
若い時は真面目さがなんだか気恥ずかしい気がしましたが、信頼されるにはやはり真面目さは大切だなと真面目さを重要視するようになりました。
嫌だなと思う人間関係でも、必ずその中に学ぶことがあると思います。その人に合わなければ知らなかった自分にも気づくことがあります。
人との出会いを大切にしようと思う今日この頃です。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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