考察：病後児保育室の存在

みなさん、病後児保育って知っていますか？

お子さまの出産を控えている方や、子育てに奮闘中のお母さんにぜひ読んでいただきたい“病後児保育”についての内容を記事にまとめてみました。

病後児保育とは、病児保育とは違い、疾病の回復期にあたるお子さまが対象となる保育サービスです。

つまり、“通常保育＝集団生活にはもう一歩のお子さま、病気後のワンクッション”として利用することができます。

実際の従業員は、看護師が常勤している保育園や、その併設施設で行う事業であり、医師の診断のもと利用が可能となります。

利用できる疾患に制限はありませんが、感染症の場合には感染の可能性が無くなってから利用開始となります。

また、利用回数や限度には厳しく、“連続して〇〇日、月に〇〇日”以上の利用は禁止などと決められています。
(私が以前務めていた地区では連続して３日、月に５日以上の利用は禁止でした。)

現在、都内には約130箇所の病児･病後児保育施設があります。
比較的都心に集中している印象はありますが、施設数は想像以上に多いです。

しかし、問題は運営状況にあります。

病後児保育は、先述したとおり病児保育とは違うので、発熱や感染症急性期では預けることができません。また、夜間保育や、延長保育のサービスはありません。原則１日８時間です。

おまけに、医師の診断は必要です。そして有料です。

“ここまでして、病後児保育に預けなくても多少無理すれば通常保育でも大丈夫”

そう考えてしまうような条件ですよね･･･。

なかなか稼働状況は良いとは言えず、むしろ１ヶ月中に一件も利用がない施設もあります。

病後児保育ってどこまでの保育をしてくれるのか･･･。

ここが一番気になるところですよね。病後児保育は、必ず看護師がいる施設(もしくは看護師がいる施設に併設)なので、もしも病状が悪化したときには安心感があります。

病後児保育室の１日の流れを簡単にまとめてみました。

保育内容や、流れ的には通常保育と大差がないように見えます。ここで違うのが、バイタルサインを確認する頻度が高いことです。

この内容で飲食費込みで１日2000円だとしたら、あなたは安いと感じますか？高いと感じますか？

普段と違い、１：１で保育を行うことで、お子さまも特別感があり、とても満足している表情を見れることがあります。

逆に、保育室に１人限りしかいない空間が、不安に患感じて終日泣きっぱなしのお子さまもいます。

保育園で行うような“慣らし保育”がない状況で１日預かるので子供への負担も大きいのかも知れません。

それにやっぱり、看護師がいれば、患児の異常に気がつくのが早いです。

急変時の対応について

みなさんの通っている保育園の、早退基準はどの程度ですか？
多くの場合が体温37.5度である場合が多いと思います。

正直、お子さまの場合だと普段の生活で体温が37.5度になることはしょっちゅうありますよね。

そんなに仕事も休めないし･･･。なんてこと多くないですか？

病後児保育室の場合は37.5度で、すぐに保護者呼び出しということは少ないようです。

急変時に関しては、曖昧な部分があるので当日対応した看護師の感覚や、施設によってかなり違うかもしれません。

しかし、多くの場合では38.0度程度を基準にされているような印象を受けます。

病後児保育室の課題としては、“ある一定の保護者にとっては有益な制度ではありますが、病気の時にまで預けなければいけない社会制度”にも問題があるとしてとらえ、普及に積極的になれないことです。

病気の時くらい、そばにいてあげたいけど、仕事に行かなければならない･･･。

そんな、葛藤を保護者にさせるのは、心苦しいです。

そんなわけでドンと胸を張って、おすすめすることが出来ない病後児保育室ですが、この記事の内容が病後児保育室の利用を考えている方の参考になればいいな、と願っています。