ご存じですか？リハビリ専門デイサービス

みなさん病院やクリニック、施設など色々なところでお仕事されていると思いますが、リハビリ専門デイサービスがここ最近増え始めているのをご存じですか？

私は10年以上病棟勤務を続けてきましたが、結婚を機に退職。専業主婦ののち復職に選んだのがリハビリ専門のデイサービスでした。ここを選んだ一番の理由は妊娠を希望していたため、生活が不規則になる夜勤や忙しい病棟の重労働もなく心穏やかに適度に仕事をしながら妊活をしたかったからです。そんな私的な理由で入職しましたが、知るほどにここならではのやりがいを感じるようになりました。

どんなところ？

一般的にデイサービスというと、1日を通してレクリエーションや昼食、入浴、ゲームなどをして過ごすイメージだと思います。その様なデイではなく、リハビリや運動を取り組む、機能改善、機能訓練がメインです。施設によっては1日単位で入浴、食事付きの所もあるようですが、私の施設は午前・午後の部と別れており半日ずつなので入浴や食事はありません。利用者さんはスタッフと一緒に体操をしたり、バイクをこいだりルームランナーを使用した運動を行います。運動だけでなく、メドマーや干渉波も行います。

看護師の仕事は？

看護師としてのメインの仕事は来所時と帰る前のバイタルチェック、体調管理、その日の状態や様子の記録です。怪我や急変の対応、AEDももちろんあります。それ以外にも介護員と同様に体操の指導をしたり、運動器具などのセッティング、歩行介助やトイレ介助などがあります。看護師に特化した仕事というよりは、スタッフの一員という感じです。医療行為はないので少し物足りなく感じたり、点滴、注射などの手技や、大きな処置の介助から離れる事で腕が落ちるのではとか忘れてしまうのではないかという不安もないわけではありません…

そんな中でも看護師として

病棟勤務時代と大きく違い、利用者さんとゆっくり会話をする時間が持てるようになりました。ご自身の生活や持病、薬に関する不安など色々な話をじっくり傾聴し受けとめたり、ご家族やお孫さんの事、昔のお仕事や暮らしのことなどを楽しそうにお話されるのを、こちらも楽しく聴く事ができます。そういう時、ただ話し相手になるだけでなく看護師目線で聴く事で、薬しっかり飲めているのかな、自宅で転倒していないかな、などと何気ない会話の中から私生活を伺えます。会話をたくさんすることが利用者さんにとっては良い気分転換になるようです。ご自宅でひとり暮らしの方は特にそう仰います。他の利用者さんと会話する、楽しく笑う、それもまた健康維持に役立つものだと多いに感じます。

また、バイタルに問題ないかの判断や、その人に見合った運動量を気を付けることも大事な役割です。麻痺や認知症の有無、発作を起こす病気がないか、既往歴などの情報をしっかり得て起きうる事態をアセスメントするのはどこも同じです。たとえ医療行為はなくてもその場に合ったやりがいというのは自分で見つけ気付くものなのでしょう。

気になる人間関係

そして、看護師として働くうえで大きく関わる人間関係。これに悩み退職する方も少なくないと思います。いじわるなお局様やキツイ先輩看護師、そして医者にも理不尽に怒られたり…尽きない悩みの種です。その人間関係が病棟などに比べるととても良好に感じます。もちろん人それぞれというのはありますが、死に直結する場ではなく元気な人が通い、バタバタと殺伐としていず、ちょっとの時間忙しい事があっても病棟の比ではありません。そんな中で働く人たちはみんな明るく優しいです。今の所。

どんな方に向いているか

こんな感じのリハビリ専門デイサービスですが、正直、働き盛りの世代には向いてないかと思います。伸び盛りの時期には病棟や手術室、救急など過酷でも経験と勉強になるところでの勤務が良いかと思います。知識と経験は財産です。昔の人が言ったように若いうちの努力は買ってでもしろ！と。

ではどんな方におすすめかと言いますと、個人の見解ですが、さんざん働いてきてもうそろそろ家庭の時間を大事にしたい方、ある程度仕事をしつつ両立しながら妊活したい方、子育てが一段落してブランク明けに復帰する方、病院や介護施設より身体的に少し楽に働きたくなってきた年代の方、などでしょうか。

健康維持、増進のために目的を持って来ている方達はみんな和気あいあいと活発で、そんな良い雰囲気が施設を明るくしてくれます。利用者さんから元気をもらって働ける職場です。毎日忙しく働いている中で疲れすぎてふと立ち止まった時、こんな施設もあることを思い出してみてください。