金持ち病院と貧乏病院で働いてみたら驚きの結果が!
あなたは転職先を見つけるときに、どういった条件に注目して探しますか?
もちろん、基本給や賞与、社会保険の有無、立地などは必須になってきますが、実はそれ以外で気になる重要な問題があります。
それは「自分がこれから働く病院の経営状態」です。
これから紹介する内容は、私が実際に経験した二つの病院での出来事を例に挙げて、それぞれを、経営状態の良い「金持ち病院」と経営状態の悪い「貧乏病院」と表記し、様々な方向からその特徴についてまとめたものです。それではご紹介いたします!
実録!これが金持ち病院だ!
黒字経営で従業員への待遇も手厚い
いつも外来が混み合っていたり、または予約がなかなか取れないというのは儲かっている病院の最大の特徴です。
診療科でいうと、手術をする外科系が代表的ではないでしょうか、美容形成や皮膚科、眼科なども経営状態が良い所が多いようです。
私が勤めていた整形外科病院では従業員への待遇も手厚く、夏、冬の賞与には必ず病院の利益分としてさらに1~2か月分ほど上乗せされていました。その病院を退職してから10年以上経った今でも「職員へ利益を還元」という考えは変わっていないそうです。
設備が立派で細部にまで心遣いが行き届いている
病院の建物自体が立派だったり、新しかったりするだけでは病院の景気はまだ判断しかねます。新しく開院したばかりだったりする場合もあるので・・・。しかし、注目するべきは病院の設備や清潔感です。
たとえば最近よく見かけるウォーターサーバー。たとえ小さいクリニックでも毎日200名以上の患者が来るようなところであれば、かなりコストがかかります。
つねに新しい雑誌がなん十冊も用意されている病院も毎月雑誌の入れ替え作業の手間とコストを考えると、容易なものではありません。
備品以外にも、金持ち病院の特徴として、はっきりと言えるのが掃除が隅々まで行き届いていることです。
なぜなら金持ち病院は専属の掃除のプロを雇っていることが多く、玄関や水回りなどは特に頻回に掃除に入ってピカピカにしてくれます。
タクシーチケットのばらまき
私の自宅は駅から遠かったのでこれは本当に助かりました。病院の宴会などがあると、帰り際に院長や事務長などから、スタッフ全員にタクシーチケットが配られました。駅やその飲み屋から家が近いスタッフも関係なく全員にです。
もちろん、宴会の参加費は全て無料、希望者は三次会までタダ酒を頂戴することができました。
一体、一回の宴会にどれだけ経費をかけていたのだろうと考えると、一つの部署で20名以上のスタッフを引き連れての宴会ですから、それに二次会、三次会、タクシー代も合わせると・・・すごくバブリーな病院だったなと思います。しかも帰り際にはお菓子のお土産まで持たせてくれました。本当に至れり尽くせりでした。
リアル!貧乏病院の厳しさ
さて、金持ち病院の後となると、本当に書くのも切なくなってしまう貧乏病院のお話です。
今、あたりまえに金持ち病院にお勤めの方、これは全て実際の話です。どうぞ引かないで最後まで覗いてくださいね。実際にあるんです!こういう貧乏病院が(泣)!!
赤字経営で従業員への待遇も良くない
私が勤めていた貧乏クリニックでは待合室に3人以上の患者を見たことがありませんでした。患者が来ないのでもちろん赤字経営、私が入職するまでに、3回経営者が変わったそうです。
月のお給料は普通でしたが、賞与は年に1回、給料の1か月分だけでした。住宅手当も燃料手当も家族手当もなし、交通費も全額支給されませんでした。
白衣はヤフオクで購入
白衣やシューズの支給や貸し出しはなく、全て自分たちで用意するように事務長に言われました。
自宅にあった予備用の白衣2着ではとうてい足りず、休憩室でお昼休みに先輩とヤフオクで白衣を何着かまとめて落札した思い出があります。
クリーニングは自分たちで
クリーニング会社との契約がなく、洗濯は全て自分たちで行いました。
クリニックにある洗濯室で、毎日毎日みんなの白衣や患者さん様のシーツを洗濯機を何度も回して洗っていました。真夏のアイロンがけは本当にきつかったです。
准看護師がやたら多い
スタッフのほとんどが准看護師のパートでした。正看護師を正社員で雇うとその分、コストがかかるということなのでしょう。
なので、50代、60代の家庭のあるベテランさんが多かったです。おそらく独身者ではあのお給料では生活できないと思います。
基本的にアナログ
貧乏病院は新しい設備をなかなか導入してくれず、紙カルテやフィルムのレントゲンなどを今だに使用していました。なので、管理がとても大変でした。
患者さんのカルテは基本的に医療事務の方が探してくれるのですが、緊急時などはこちらで用意しなくてはならないので、用がない時もでもたまに覗いては「あ」の名前の患者のカルテはどの辺にあるのかなどチェックしていました。
また、レントゲンなどの検査結果もかなりかさばるのでその管理も結構苦労しました。
金持ち病院で働いてみた結果
実際に金持ち病院で働いていたときは、お給料は良いし、好待遇だし、最初はとても良いなと感じていました。
しかし、経営状態の良い病院はやはり、忙しく、仕事のハードさや残業、交代制の不規則な勤務に身体がついていくことができませんでした。
そして結婚生活や子供のことなどを考えると長くは続けられないと思い、2年程度で辞めてしまいました。実際、子どもを抱えながらあの忙しい病院で働くのは自分には無理だったなと思います。
貧乏病院で働いてみた結果
職場環境が最悪だったせいか、スタッフ同士でよく励まし合っていました。
するととても深い仲間意識が芽生えお互いのお誕生会を毎回開催したり、自腹でもよくみんなで飲みに行ったりしていました。
人間関係が良いと環境が悪くても楽しく仕事ができるもので、旦那の仕事の都合で引っ越しをするまで3年間勤務していました。辞めるときも涙涙のスタッフとのお別れで、とても良い思い出になっています。
まとめ
こうして振り返ると金持ち病院も貧乏病院もどちらも、長所と短所があることがわかりました。
客観的に見ると金持ち病院のほうが良いに決まってるじゃないかと思う方もいるかもしれませんが、実際に当時を振り返っても、やはり「またあの職場に行きたい」と思うのは実は貧乏病院の方です。
貧乏病院のスタッフは、医師も含め皆がとても優しくて暖かくて、アットホームな雰囲気が良かったんですよね。それに比べて金持ち病院は、皆で会話をする余裕もなくて、いつも上司はイライラしてて、医師は偉そうで、患者さんには利益目的で必要のない検査までしていました。
お給料さえたくさん貰えれば、仕事としてわりきれる方もたくさんいると思うのでどっちがいいのかはみなさんそれぞれだと思いますが、貧乏でボロい病院の居心地が以外と良かったのは事実ですので、やはりどんな職場も実際働いてみないとわからないものだなとつくづく感じました。
この記事を書いた人
- 看護師になってから今年で14年目になります。長いようで早かった。とくに結婚して子ども生まれてからの速さったらほんと光の速さでした。最近では20代前半の後輩の話に全くついて行けず、すっかりおばちゃんですがよろしくお願いします☆
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