あきらめないで!高齢者の難治性の爪水虫を治す方法
爪白癬は、外用薬だけでなく内服と併用しなければ治る確率は少ないと言われています。
しかし、爪白癬に使用される抗真菌薬の内服は、定期的な血液検査を行わなければいけないほど肝機能障害や血液疾患が起こる可能性があったり、他の内服薬薬との相互作用、併用禁忌などの問題もあり、高齢者には処方されません。
なので、高齢者の爪は、徐々に肥厚しボロボロになっていきます。
外用薬を処方してもらい使用しても、あまり改善することがないためにあきらめていました。
でもどうにかしたいと思っていると、フットケア専門ナースが、爪白癬を改善させる方法を教えて下さいました。
施設の高齢者に実践し効果がありましたのでご紹介します。
爪白癬に処方される主な外用薬と一般的な使用方法
医師に処方されるのは以下の2点の外用薬で、使い方は次のように指導されます。
クレナフィン爪外用液10%(一般名:エフィコナゾール)
まだ、新しく平成26年から保険適用になった薬です。ボトルの蓋を取り外すと、先端がハケになっています。
今までの外用薬と違い爪の奥まで浸透しやすいと言われています。
1日1回入浴後に、爪全体、爪の両側、爪の先端に塗布します。
余分な薬液が皮膚についた場合は、炎症を起こしやすいですので、ティッシュや綿棒で拭きとって下さいね。
ルコナック爪外用液5%(一般名:ルリコナゾール)
プッシュ式のボトルに入っています。
1日1回塗布します。
まず1回押して爪全体に行きわたるように塗り広げます。
次に爪と指の間に1回押して薬液を出します。
プッシュ式のボトルに入っています。1日1回塗布します。薬を塗った爪は、乾かしてから靴下や靴を履くようにしてください。
また、塗り終わったら容器先端をティッシュペーパーなどで綺麗に拭き取って清潔に保ちましょう。
どのくらい使用すればいいの
手の爪は1か月で約3㎜成長し、足の爪は1か月で約1~1.5㎜程成長します。
そのため根気よく治療しなければいけません。
基本は48週の使用が必要だと言われています。
でも1年経っても改善する気配がありません。
皮膚科医に訴えても、あきらめるしかないと言われる次第です。
しかし、ありがたいことにフットケア専門ナースから、外用薬を次のように使用すると爪水虫が治癒することを教えて頂き実践してみました。
外用薬を効かせるための知恵
爪にヤスリをかけてから外用薬を塗布する
cm単位で肥厚している爪は、可能ならばニッパーで切れる範囲で切ってしまいます。
入浴後または足浴後に、爪全体にヤスリをかけます。
ヤスリをかけると外用液の浸透度が上がります。
毎日するといいのですが、施設の2回/週の入浴時に上記の処置をするだけでも半年~1年ほどでたいていの人は治癒します。
その他注意点
ヤスリをかける時
ヤスリをかける時は、往復させるのではなく必ず同じ方向にかけましょう。
脆くなった爪はそのようにしないとひび割れたり欠けてしまいます。
靴下は毎日交換しよう
信じられないことに実は意外と交換されていないのです。
自分で交換できず訴えることのできない方、寒がりで昼夜問わず靴下を履いている方などは気をつけなけれいけません。
ただ、介護職の方に毎日交換と言っても実施して頂けません。
なぜ交換が必要なのか分かりやすい根拠と、またいつ交換するのか具体的に決めて欲しい説明しましょう。
例えば、水虫を治すために(白癬と言っても理解できない方もいます)、就寝介助の時に(or起床介助の時に)靴下を新しいものに交換してください。
そして、あなたも一度履いた同じ靴下を次の日に履かないわよね。家族または恋人が、次の日に一度履いた同じ靴下を履いていたら引くよね。と念を押すと効果的です。
靴を洗って日光に当てよう
これが一番の盲点です。
施設に入所してから一度も靴を洗っていないなんていう入居者がいませんか?
入所時は、洗い替えに2足用意してもらうようにご家族にお願いしましょう。
通院でできる最新治療
皮膚科医によればレーザー光線照射による最新の治療があるそうです。
1か月に1回のペースで1回10~20分程度です。
麻酔なしで行うことができ、照射時は多少の熱さを感じますが痛みはほとんどなくできます。
治療の有効率は、70~90%と言われています。
また、保険診療ではなく費用は全額実費となります。
まとめ
高齢者施設に勤めるまでは、たかが爪と思っていました。
しかし、施設に勤めてからは、爪白癬が皮膚に入り蜂窩織炎や丹毒となることや、爪の異常が歩行に大きく影響することがわかり爪のケアの大切さが身に染みました。
根気がいるケアですが入居者の健康のために笑顔ある日々になるように介護職と協力して頑張りましょう。
効果的な爪のケアを教えて下さったフットケアナースの方には心より感謝申し上げます。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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