看護師が陥りやすい貧乏マインド
少子高齢化のニュースを見るたびに将来への不安からお金の焦燥感にかられます。
使うお金があれば幸せなのか?貯金が増えれば将来は安泰なのか?お金さえあれば問題が解決するのか
そんな不安から私が陥った貧乏体験です。
保険屋の勧誘
私が新卒で勤めた病院は、ある保険会社と密接に関わっていました。
新入社員のオリエンテーションでは、必ずその保険会社の保険勧誘と財形貯蓄の説明があります
「これから結婚や出産を考えているならばこのくらいの費用が必要」
「社会人になったら保険の1本ぐらいは入っておこう」
「看護師の仕事は大変だから健康を損ないやすく保険は絶対に必要」
「定年まで働く看護師はいないのだから個人年金は必要」というようなプレゼンを統計をもとに丁寧にしてくれます。
まだ社会経験が浅く知識がない、また健康にあまり自信がない私は、保険会社の言う通りに様々保険に入り財形貯蓄をしました。
世間の情報に流される
看護師のなると患者さんやそのご家族から、やっぱり保険に入っていて良かったというような話は飽きるほど聞きます。
なので保険は絶対に必要と思い疑ってもみませんでした。
不安なゆえに高額な保険に入っていましたし、いざという時はお金があったことに越したことがないと思い、質素な生活をし貯蓄ばかりを考えていました。
なので、職場の飲み会すらお金を出すのがもったいないと思い楽しむことができませんでした。
どのくらい質素な生活をしていたかというと、食事は、パン屋さんで食パンの耳をもらったり、スーパーの値引き時間を狙っては食材を買い、食費はいつも1万5000以内に抑えていました。
電気代や水道代を使わないようにできるだけ休みの日にはお弁当を持って外で過ごすようにしていました。
そしてその後・・・
健康や人生を楽しむよりも貯金ばかりを考えていたためか、酷いアトピー性皮膚炎にかかってしましました。
それはそれはひどく痒みは全身に及び、皮膚の切れ目や発疹からは浸出液や血液が流れ出ていました。
辛いアトピー性皮膚炎を治したいと思い様々な治療法を試しました。
西洋医学は、ただ症状を抑えているだけで完全に治ることはないということに気づいたので民間療法を受けました。
世の中、民間療法には保険がききませんのでかなりの金額がかかりました。多い時は1か月に15万以上かかることはざらでした。
どの保険もアトピー性皮膚炎では保険がおりません。
貯金はみるみるうちに減り、保険料を毎月払うことすら難しくなってきました。
こんなに苦しいのに毎月支払っている保険が使えないことにいら立ちを感じ保険の契約をきることにしました。
保険屋からは、元本割れすることや、将来のことについて話されかなり止められましたがもう気持ちは揺らぎませんでした。
何か起こっても健康がなければ何もできないからです。働いてお金を稼ぐことすらできなくなるのです。
もっと冷静に患者さんをみれば、お金をたくさん持っていても健康を害して幸せでない方がいます。
その分かれ道は、お金を貯めることではなくお金をどのように使うのかというほうが重要なのではないかと思います。
日本は、世界トップの保証保険大国だそうです。日本人の保険の入り方は欧米諸国の人たちにはとても理解できない特有のものだそうです。
日本は昔から欧米諸国並みに社会保障制度の充実した国なのにどうやら必要でない生命保険に入りすぎているようです。
祇場 駿矢氏の著書 「お金と心の法則」に書かれているように
「お金で安全、安心を得ようと努力しても絶対に得られない。お金で安全や安心を得られるというのは投影している自分の思い込みにしか過ぎない」とはまさしく私のことです。
貯金も保険も安心を得たいがためにしていたことであったのでさらに不安を呼び込むかのようでした。
さいごに
「健康は富に勝る」と私は経験から学びました。
これからは、不安のために貯蓄をするのではなく幸せのために貯蓄をし、幸せのためにお金を使っていきたいと思います。
こんな貧乏マインドに惑わされるのは私だけかと思っていたのですが、意外と私のように考えて同じような体験をしている看護師達がいることに気づきました。
「お金を考えることは、生き方を考えることです。」とある先生に教えて頂きました。その通りです。
日々健康で働いてお金がめぐってくることに感謝してお金に縛られない(精神的にも)幸せな人生を送りたいです。
文の途中で引用した祇場 駿矢氏の著書 「お金と心の法則」はぜひおすすめの1冊です。
人生の豊かさとお金について教えて下さった先生には心より感謝を申し上げます。
この記事を書いた人
- 十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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十数年、一般病院で勤務。その後、老年看護、認知症看護、ターミナルケアに興味があり老人施設に就職しました。現在、認知症ケアに特化し、看取りを積極的に行っている老人施設で働いています。
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